インディカー・シリーズ第7戦がデトロイト・ベルアイルパークで開催され、2日に行われた第7戦は、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)がシーズン初勝利を挙げた。佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、今季最上位となる5位を獲得している。
ダブルヘッダーで開催のデトロイト戦。予選は2グループにわかれ、一斉にアタックを行う方式で争われ、グループ1はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、グループ2はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)が最速だった。
マルコは1分14秒8514、ディクソンは1分15秒4186。走ったタイミングは違うが、速かったマルコがポールポジションとなった。2013年のポコノ以来、ロード及びストリートコースでの初ポールポジションだ。インディ500ウイナーのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は6番手、佐藤琢磨は7番手だった。
土曜日のレースで勝ったのはディクソンで、今季初勝利。キャリア42勝目を挙げ、マイケル・アンドレッティに並ぶ歴代3位となった。
序盤はマルコの後ろを走ったディクソンだったが、1回目のピットストップまでマルコより1周多く走り、ピット作業後に前に出た。そして、その先はディクソンとライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)の一騎打ちとなり、ディクソンは攻撃を跳ね除けた。
ハンター-レイは予選5番手ながら3ストップのギャンブルに出てそれが成功。しかし、2番手に上がるのが精一杯で、ディクソンをパスするところまではいかなかった。
予選4番手からアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は3位フィニッシュ。最後の最後でマルコをパスしたが、ハンター-レイまでは届かなかった。
「シーズンの初勝利はいつもうれしいものだ。今日はマルコが速くて序盤に抜くことができなかったが、ピットタイミングをずらし、前に出ることができた。ピットストップが最高だった」とディクソンは語った。
惜しくも勝利は逃したが、2位フィニッシュでもハンター-レイは納得顔だった。
「作戦がとても良かった。あとちょっとで勝てるところだった。ターン1~4では僕の方がディクソンより速かったが、パスするところまではいかなかった。ミスを待ったが、彼は致命的なミスは犯さない。最後はディクソンと互角で、2位でのゴールとなった」とハンター-レイ。
3位はロッシ。これで彼はポイント・リーダーに返り咲いた。
「タイヤ交換をした直後にコースの混雑している部分を走らざるを得ず、そこでのタイムロスが大きかった。それは非常にフラストレーションのたまる状況だった。結局最後では、前をいく2台にアタックするだけの余力がマシンに残っていなかった」とロッシはコメントした。
アンドレッティは4位。その後ろの5位が佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だった。
「金曜のブレーキ、そしてステアリングのトラブルから抜け出し、レースを戦えました。マシンはまずまずの仕上がりで、上位陣とさほど差のないラップタイムを刻めていました。しかし、あと少し全体的にペースを明日は上げたいですね。そういうマシンに明日の予選を使って仕上げ、決勝レース2に臨みたい」と琢磨は話した。
パワーは最終的に7位に。それがデトロイト・レース1におけるシボレー勢のナンバーワンだった。ホンダがインディ500のリべンジとばかりのシボレーのホームレースとなるデトロイトでトップ6を占拠したのだ。