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ネクストブレイク女優・白石聖! 『Missデビル』で見せた涙に佐藤勝利もタジタジ?

2018年06月03日 11:52  リアルサウンド

リアルサウンド

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 『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)は脇を固める役者たちが錚々たる顔ぶれだ。西田敏行、船越英一郎、木村佳乃といったキャストが抜群の安定感で作品に重みを持たせ、画面を引き締めている。そんな名優たちと並びながらも伸び伸びとした演技を見せている若手たちにも注目したい。


参考:和田正人は作品に温かみをもたらす 『Missデビル』沖津役で見せるオンとオフの演技


 6月2日に放送された第8話では、佐藤勝利の同期役の1人、白石聖に焦点が当てられた。白石は2016年にスカウトされたことをきっかけに芸能界入りを果たす。同年放送の『仰げば尊し』(TBS系)で吹奏楽部員の1人として出演、寺尾聡や多部未華子、新田真剣佑らと共演した。


 本作が連ドラレギュラー2作目とまだまだデビューしたてで経験も少ない白石だが、新人とは思えない安定感がある。ドラマをはじめ、映画、バラエティ、ウェブムービー、さらにはMVと、デビューからまだ2年ながら多様な作品に出演した経験と、名優の演技を間近で見て学んできた経験とが生んだものだろう。


 本作で白石は佐藤演じる斉藤博史が密かに思いを寄せる新入社員・藤堂真冬を演じている。同期グループでは紅一点ながら真面目で気配りのできる性格で、うまく話せなかった博史にフォローを入れるなど気立ての良い姿を披露。やっと皆が打ち解け始め、順調な社会人生活を送れていると思われていた。


 しかし、真冬は会社を辞めようか悩んでいた。社長秘書研修の初日を終え、疲れた様子の博史の前に現れた真冬は涙を浮かべながら博史にすがりつく。予想外の展開に焦りながらもちょっと嬉しいコメディ寄りな演技の佐藤とは、正反対の迫真の涙を見せる白石。このギャップにはクスッときてしまう。


 父の介護を理由に会社を辞めようとしていた真冬だが、本当の理由は別のものだった。大学まで優秀な成績で卒業、入社試験も文句なしで合格したという真冬だが、配属された総務部ではうまくいかず失敗続きだったという。優しい言葉をかける博史にも「何もわかってないくせにそういうこと言わないでよ」と八つ当たりをしてしまう。そして椿眞子(菜々緒)から「あなたにこの会社を辞める権利はありません」ときっぱり言われてしまう。


 自分の不甲斐なさと本心を言い当てられたショックから博史に対してもひどい態度をとってしまっていた真冬。しかし博史はこれまでもその優しさと真っ直ぐさで同僚を助けてきた。「お父さんは藤堂さんのことが好きで誰よりも思ってるから、藤堂さんのいまの状況わかってたんじゃないかな」と声を必死に振り絞り説得。それに真冬は「認めたくなかったんだよね」と本心を吐露し、博史に感謝するとともに笑顔を見せた。


 涙を見せる姿も、弱気になり肩を丸める姿も、強がって当たってしまう姿も、白石の表情の裏にはどれも“か弱さ”が垣間見えてくる。そんな繊細な表情を醸し出す演技をデビュー2年で身につけていると思うと、これからがさらに楽しみになってくる。


 本編では椿の過去が徐々に明らかになり、物語はラストスパートに向かってきている。白石らの出番は少なくなってしまいそうだが、十分に存在感を発揮していた。本作をきっかけにさらなる飛躍が期待できる。(馬場翔大)