トップへ

『アベンジャーズ4』のお手本に? 『デッドプール2』は“X-MEN映画”としても進化している

2018年06月03日 10:11  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 いよいよ『デッドプール2』が公開されました! 前作以上のバイオレンス・アクション、スケール、ギャグ、そして今回は他のマーベル、DC映画をこれまたかなり”いじって”ます。それらを見つけ出すのもポイントですね。しかし今度の『デッドプール2』、前作の良さは残しつつも前作とは異なるテイストの映画です。


参考:デップー。ベッカムに謝罪へ【写真】


 もともとデッドプールは、X-MENのコミックのキャラクターであり、従ってデッドプールの映画は、X-MEN映画の1バリエーション、スピンオフです。けれど前作は、確かにミュータントという設定やX-MENは出てくるけど、基本はデッドプールことウェイド・ウィルソンという男の復讐劇であり、敵も(確かにミュータントがボスではありますが)犯罪組織だったわけです。なのでスーパーヒーロー映画というより、アクション映画に近かったような気がします。


 しかし、本作はタイムトラベルで未来からやってきたミュータントと戦うし、また個人的な復讐劇ではなく少年の命を守る、というまさにヒーローとして活躍。そう今回は、よりスーパーヒーロー映画に近づいた、のです。『デッドプール2』も『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』並みに大変な展開になりますが、今回デッドプールがそれをどう解決するのか?も見もの。『アベンジャーズ4』のお手本になる?(笑)


 でも繰り返しになりますが、デッドプールの映画らしい”過激な楽しさ”は健在なのでご安心ください。


 そしてX-MEN映画の新しい可能性を見せてくれた作品になりました。今回は登場するX-MEN系のキャラも増えており(とてもアイコニックなX-MENのスーパーヴィランも登場!)、前作以上に”X-MEN映画している”感じです。今回の『デッドプール2』をX-MEN映画としてみたとき、今までのX-MEN映画と異なるのは、アクションがメインになっている、ということです。X-MENというのは、その根底に、人種差別やダイバーシティの問題を“迫害されるミュータント”という形で描いているため、ドラマ部分が強い。


 そのドラマの重さとヒーロー映画に期待する超人同士のスーパーバトルをどう描くかのバランスに気を使ってきました。けれど今回の『デッドプール2』に登場するミュータントたちは、そもそも自分がミュータントであることにそんなに悩んでいなくて、派手に暴れまわってくれます。


 そう『デッドプール2』は、アクションが中心のX-MEN映画なのです。これはこの先デッドプールを中心に、よりアクション色の強い”Xフォース”という映画を作るプランがあったからでそれを意識してのことかもしれません。なお劇中、デッドプールが赤いコスチュームが焼けて灰色っぽい姿になりますが、これはコミックの”Xフォース”版でのデッドプールのコスチュームをイメージしているのです。


 アクションとギャグいっぱいの『デッドプール2』ですが、今回のデッドプールは、ある少年を守ろうとします。この心意気と行動にウルっときました。『デッドプール2』自体はお子様鑑賞厳禁のR指定映画の中で立派に”子どもの味方”をしている。デッドプールのこういう”ひねり”が最高です。(杉山すぴ豊)