フェルナンド・アロンソが今シーズン末でF1から去るかもしれないという見方が、関係者のなかで広がっている。アロンソのなかで、勝てない状況のまま、これ以上続けたくはないとの気持ちが大きくなってきていると、親しい関係にあるカルロス・サインツSr.も示唆した。
マクラーレンは第6戦終了時点でランキング5位に位置し、ルノーと4位を争っている。しかし決勝最高位は5位で、今年もビッグ3と勝利や表彰台を戦える状況にはない。
Sky F1でコメンテーターを務める、元F1ドライバーのマーティン・ブランドルは、モナコでアロンソと話したところ、来年はF1を続けないのではないかという印象を持ったという。
「(モナコの)レース前に、フェルナンドに長時間にわたるインタビューを行った。その時、彼は来年F1に参戦する可能性は低いという印象を強く受けた」とブランドルは自身のコラムに記している。
かつてWRCで2度のタイトルを獲得したスペインの英雄サインツは、同じくスペイン出身のアロンソが今年のマクラーレンのパフォーマンスに失望していると述べた。
「彼はいま、違う状況に身を置きたいと考えるような時期にいる」とサインツSr。
「彼は表彰台争い、優勝争いがしたいのだ。世界チャンピオンの座に2度就いているし、何度もタイトルをかけて戦ってきた。優勝経験のあるドライバーが、表彰台、優勝、タイトルをかけた戦いに加われないことを不満に思うのは当然のことだ」
「フェルナンドほどキャリアを積んだドライバーならなおさらだ。彼の性格からしてもそれが当たり前だと思う」
「今年、マクラーレンの状況は少し良くなった。この調子でもっと改善していくことを期待したい。だが、彼も、彼に実力を存分に発揮してもらいたいと思っている我々も、今年はもっと良くなるものと期待していた」
マクラーレン・レーシングのチーフエグゼクティブオフィサーであるザック・ブラウンは、アロンソとの契約を維持することを望んでいるが、本格的な交渉を行うのは夏以降になると発言している。
マクラーレンはインディカーへのフル参戦を検討している。ブラウンは今週末の第7戦デトロイト戦を訪れる予定であり、その際、アロンソのマネージャーが同行するともいわれており、アロンソがF1ではなくインディにおける契約をマクラーレンと結ぶ可能性があるとの推測も持ち上がっている。世界三大レース(F1モナコGP、インディ500、ル・マン24時間レース)の制覇を狙うアロンソは、昨年、インディ500に初参戦した。
今月チームは、CARTシリーズで2度タイトルを獲得した経験を持つジル・ド・フェランとアドバイザーとしての契約を結んだことも明らかにしている。