ハースF1チームは、次戦のF1第7戦カナダGPで、大幅なアップデートを施したVF-18を持ち込み、調子を取り戻すことを期待している。
先週行われたモナコGPでハースにとって最も良かったことは、レースを終えて国境を超えられることだったかもしれない。バージボードの強度の低さとタイヤ温度の問題により、ケビン・マグヌッセンとロマン・グロージャンはスタート時点から劣勢に立たされ、ふたりともポイント獲得は果たせず不本意な結果に終わったからだ。
すべてが終わった後、マグヌッセンは言葉少なに「ここから離れられることに、とにかくほっとしている。モントリオールで戦いに戻ることが待ちきれない」と述べた。
実際、ハースは次のカナダGPにまったく新たな展望で臨むことができる。当初はスペインGPに間に合わせる予定だった、新しいフロントウイングとフロア、それに改良したバージボードまわりの部品がVF-18に装着されるのだ。
チーム代表のギュンター・シュタイナーは「相当に大きな変更を施す。フロントウイング、フロア、そしてバージボード部分のすべてをアップデートした」と語り、さらに以下のように続けた。
「当然、目的はより速く走ること、スピードを上げることだ。多くのチームはスペインにアップグレードを持ち込んできた。だが、我々はもう少し時間をかけるため、アップデートを持ち込むのはカナダからにすると決断した。チームはまだ小さく、大型チームほどには素早く対応できないからだ」
ハースはまた、新スペックとなるフェラーリ製パワーユニットにも期待を寄せている。ただし、その進化は最小限にとどまるようだ。
「すでに高度に開発されてきたエンジンなので、アップグレードは小規模になるだろう」とシュタイナー。
「大幅な進化を望むのは難しいが、フェラーリがアップグレードするときには実際にパワーも増強されてきた」
モントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットは、ブレーキへの影響が大きいコースとしてよく知られているが、これはチームにとっても、そしてこれまでマシンのブレーキング性能に満足できたことの少ないロマン・グロージャンにとっても難題だといえる。
シュタイナーは、70周を走るカナダGPでマシンのブレーキング性能を維持し続けるためには何が必要なのか、以下のように説明した。
「寿命の長いブレーキを使うことだ。普通よりもブレーキングで劣るかもしれないが、レースを最後まで戦うためにはより長い寿命が求められるのだ」
「それから、オーバーヒートさせないための冷却も行なわなければならない。オーバーヒートしてしまったらゴールまでたどり着けない」
「良いブレーキのパッケージとは、一貫性のあるものだ。ブレーキが次にどう作動するか、常に予測することができる」
「今年のマシンにはそれがある。ふたりのドライバーに聞いても、ブレーキに満足していると答えるだろう。コーナーでのブレーキングでどうなるか、彼らは身をもって分かっているからだ」