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トレーラーヘッドによる激戦、ETRCがミサノで開幕。2018年初戦は元王者が連勝発進

2018年06月01日 17:11  AUTOSPORT web

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2018年シーズンがいよいよ開幕となったFIA ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップ
イタリア・ミサノで2018年シーズンの開幕を迎えたFIA ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップは、これまで4度のタイトルを経験し昨季より自らの名を冠したチーム『ヨッヘン・ハーン・レーシング』を立ち上げた元王者ハーンが、2年目のIVECO(イベコ)でオープニングを含む2勝をマーク。5度目の王座へ向け幸先の良いスタートを切った。

 このオフシーズンには、シリーズの紅一点であり表彰台の常連として複数の優勝も記録してきたシュティフィ・ハルムが移籍し、ドイツ国籍のラインアート・レーシングのMAN(マン)から、チーム・シュワーベントラックスの最新型イベコへスイッチ。

 この移籍にともない、チーム代表を務めていたレネ・ラインアートがドライバーとして戦線復帰を決めるなど、新たな動きとともに5月25~27日の開幕を迎えた。

 その予選から速さを見せたのは、2017年シーズンから長年ドライブしたマンを降り、自チーム立ち上げと同時にイベコへと乗り換えた“4タイムス・チャンピオン”のヨッヘン・ハーンで、スーパーポール・セッションでただひとり2分2秒台をマークしポールポジションを獲得してみせた。

 対照的に、2017年シーズンを圧倒的強さで制して新王者となったアダム・ラッコ(バギラ・インターナショナル・レーシング・システム)のフレートライナーは6番グリッド止まりと、昨年開幕3連勝を決めたスピードは影を潜める形となった。

 迎えた土曜レース1は、スタートから2周目に後続のマシンがトラブルから出火するアクシデントでいきなりの赤旗中断に。ミサノのマーシャルによる素早い消化活動と、早期のドライバー脱出により事なきを得たが、コースの安全性を考慮してリスタートは元のグリッドポジションからとなったものの、ポールシッターの2011、12、13、そして16年王者は動じる事なくホールショットを決め、レースをリードしていく。

 そのハーンに追いすがり、背後からプレッシャーをかけ続けたのはトラックスポーツ・ルッツ・ベルナウのアントニオ・アルバセテ(マン)で、厳しい暑さのなかでのレースとなった12周の戦いで全周にわたってコンマ差の圧力をかけ続けたものの、最終的にクールエアでの走行を堅守し続けたハーンが8秒にまでギャップを広げてトップチェッカー。

 そして追走でヒートアップしすぎたか、スペイン人のアルバセテはストレート最高速違反(160km/h)で10秒加算のペナルティを受け表彰台圏内2位から4位に脱落。その背後につけていたのは現役王者の貫禄を見せたチェコ人のラッコで、フレートライナーは開幕戦2位表彰台を確保。3位にノルベルト・キス(チーム・タンクプール24)のメルセデスベンツ・トラックスが続いた。

 一方、移籍初戦で注目されたハルムだったが、赤旗中断直前に接触のアクシデントでリスタートはピットレーンからとなったが、その後の数ラップで目覚ましいスピードを披露し、3周目には9番手にまで浮上。さらにチームメイトのゲルト・コーバーもかわし、最終的に5位でフィニッシュ。

 なお、総合で9位に入った元ラリードライバーのイギリス人、ジェイミー・アンダーソン(アンダーソン・レーシング/マン)は、今季から創設されたインディペンデント相当の“グラマー・トラック・カップ”で初代勝者となっている。

 続く土曜午後のレース2は、リバースポールから逃げを打ったアンダーソンを仕留めたサッシャ・レンツ(SLトラックスポーツ・チーム/マン)が、キャリア初勝利をマーク。

 翌日曜の予選でもポールを獲得したハーンが、ハルムとの激闘を制してレース3を獲り週末2勝目を記録すると、最終レース4は前日土曜の2レースをペナルティとトラブルで落としていたイギリス人のライアン・スミス(OXXOハンガリー・トラック・レーシング・チーム/マン)が制している。

 このリザルトにより、週末2度のポールポジションと優勝を獲得したハーンが大量50ポイントを獲得しランキング首位発進。2位に34ポイントでハルムのイベコが続き、実力者が順当なシリーズスタートを切っている。

 2018年シーズンのFIA ETRC第2戦は、トラックには極度にツイスティなハンガロリンクを舞台に、6月16~17日に開催される。