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チャットモンチー、ラストアルバム『誕生』リード曲は一つの集大成に 『Mステ』出演に寄せて

2018年06月01日 15:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 2018年7月に“完結”することを発表したチャットモンチー。2005年のデビュー以来、数々の名曲を残し、多くのアーティストに影響を与えているバンドの一つだ。2011年に高橋久美子が脱退して以降、サポートを入れながら橋本絵莉子、福岡晃子の二人体制で活動を続けてきた彼女たちのライブに度々足を運び、ラストライブとなる『チャットモンチーのこなそんフェス2018』にも参加するというライターの渡辺彰浩氏に、本日6月1日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)出演を機に改めて話を聞いた。


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 渡辺氏は解散発表時を振り返り、以下のように語る。


「“完結”までの残りのライブが武道館と地元徳島の『こなそんフェス』というのが一ファンとしては感慨深かった。実は、2011年に高橋さんが脱退を発表した時の残りのライブも日本武道館で行われる『テレビ朝日ドリームフェスティバル2011』と徳島club GRINDHOUSEでのワンマン公演で、今回とリンクしていることに気づいたんです。解散すること自体はもちろんショックでしたが、チャットモンチーとしてやりたいことをやりきったのかなと感じました。高橋さんが脱退した数カ月後の、『チャットモンチーの求愛ツアー♡』で、すでに2ピースとしてライブを開始していましたが、自分が最後に観た2017年の『チャットモンチーと機械仕掛けの秘密基地ツアー』では、3ピース時代とは全く違ったサウンドにチャレンジしていて、ライブの度に“変身”していた印象があります」


 二人体制になってからのチャットモンチーは、打ち込みやデジタル楽器を多用した“チャットモンチー・メカ”など新たなスタイルに挑戦。渡辺氏は『ミュージックステーション』で披露する、ラストアルバム『誕生』リード曲「たったさっきから3000年までの話」は、“チャットモンチー・メカ”としての一つの集大成だと解説する。


「『たったさっきから3000年までの話』は、柔らかいキーボードサウンドから始まって、中盤あたりから激しいビート、シンセサイザーとともに、橋本さんのボーカルにエフェクトやエコーがかかっていく、打ち込みをメインにした楽曲です。3ピース時代はギター、ドラム、ベースでバンドとしてどんなサウンドを鳴らせるかにこだわっていたように思います。ライブでもアレンジを加えず、音源をいかに忠実に再現するかに挑戦していた。結果的に3人として最後のアルバム『YOU MORE』は3ピーススタイルを極めた作品になりました。新体制として初めてリリースしたシングル曲「満月に吠えろ」では、福岡さんがドラムを担当し、橋本さんはルーパーを使ってギターの音を重ねています。またライブでは橋本さんがファンと一緒に振り付けを楽しむなど、より自由度の高いパフォーマンスが見られるようになりました。その後も3ピース時代の楽曲にも打ち込みを入れたり、互いに楽器パートを入れ替えたり、橋本さんが歌い方にアレンジを加えるなど、楽曲を解体して再構築してきた印象です。『シャングリラ』など3ピース時代のサウンドのイメージで止まっているリスナーも多いと思うので、『Mステ』のパフォーマンスを見たら驚くかもしれませんね」


 『ミュージックステーション』では「たったさっきから3000年までの話」に加え、彼女たちの代表曲「シャングリラ」もパフォーマンス予定。渡辺氏は“チャットモンチー・メカ”的なアレンジになる可能性もあると予想したが、どのような形で「シャングリラ」を披露してくれるのだろうか。“完結”まで残りわずかとなったチャットモンチーの貴重な生パフォーマンスをテレビの前で楽しみに待ちたい。(村上夏菜)