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中継先の男性レポーターを「ハンサム」と褒めた女性キャスター、解雇の危機に(クウェート)

2018年05月31日 21:53  Techinsight Japan

Techinsight Japan

女性キャスター、同僚男性への「ハンサム」発言が国営テレビにふさわしくない!?(画像は『Oddity Central 2018年5月28日付「Female News Anchor Suspended for Calling Male Colleague ‘Handsome’ on Live TV」(YouTube/alziadiq8.com)』のスクリーンショット)
他人へのちょっとした褒め言葉を発したことが原因で、欧米諸国では問題にならないだろうが中東で職を失う危機に直面した。このほどクウェートで番組放送中、同僚の男性に「ハンサム」と発言した女性ニュースキャスターが世間から大きな批判を浴び、現在謹慎中だという。『Oddity Central』『NDTV』などが伝えている。

クウェートの国営テレビ局「クウェートTV」のニュースキャスターを務めているバジマ・アル=シャンマーさんは、番組で先週行われたクウェートでの自治体選挙の様子を伝えていた。画面上は男性レポーターとすでに中継が繋がっており、レポーターのナワーフさんはカメラが回っていることに気付かずに身につけていたアラブ人用男性ターバンの“グトラ”を触って身なりを整えていた。それを見たバジマさんは、男性レポーターに向かって「ナワーフさん、グトラを整える必要ないですよ。いつも通りハンサムですから」と発言した。

バジマさんはこの発言について、ナワーフさんに言い寄るような軽薄な意味を持っていたのではなく、あくまでも「そのままでじゅうぶんですから。さぁ、私たちはあなたからの報告を待っています」という意味だったと主張し、後にこの番組を運営している情報放送省にも同様の説明をしている。しかしながらバジマさんの発言はアラブのソーシャルメディアで話題になり、軽薄であったとして多くの政治家を不快にさせたようだ。国会議員のモハンマド・アル=ハイエフ氏は、情報放送省のツイッターにバジマさんの発言は国営テレビにはふさわしくないと指摘したことしたことからバジマさんは謹慎処分を受けており、引き続き発言内容に軽薄な意図がなかったかどうかを調査中だそうだ。なおナワーフさんは、実際にはバジマさんの発言が聞えていなかったが「彼女は慎ましく親切で、プロ意識が高い最高のキャスターの1人」と語っており、同僚としてサポートしているという。

ちょっとした女性キャスターの同僚への褒め言葉が、職を失いかねないとんだ騒ぎになってしまった。このニュースを知った人からは、「このご時世でどれだけ時代遅れな国なんだ。次は女性キャスターの雇用を中止にするのか。全く中東の国はどんどん後退しているな」「中東って本当に野蛮で前進というものがないよね」「こんなことで批判だなんて勘弁してほしいわ」「クウェートの皆さん、21世紀に参加したいなら喜んで歓迎するよ」といった声があがっている。

画像は『Oddity Central 2018年5月28日付「Female News Anchor Suspended for Calling Male Colleague ‘Handsome’ on Live TV」(YouTube/alziadiq8.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)