今週末、イタリアのムジェロ・サーキットでMotoGP第6戦イタリアGPが開催される。
イタリアGPの舞台となるムジェロサーキットは、イタリアのトスカーナ地方、フィレンツェ郊外の丘陵地帯にある高速テクニカルコース。1周5.245kmのコース全長を持ち、右コーナー9、左コーナー6のレイアウト。
メインストレートは1141mと長く、MotoGPクラスのトップスピードは354km/hにも達し、1周の平均速度も約177km/hというハイスピードコースでもあり、長いストレートを使ったスリップストリームの使い合いが見所でもあり、終盤までトップ争いがもつれた場合、最終ラップの最終コーナーからゴールラインまでの位置取りが勝負を分けることにもなる。
また、丘陵地帯にあるコースのため、アップダウンがあり、回り込んだコーナーや切り返しのあるコーナーが多いので、マシンセッティングが難しいコースとしても知られている。
昨年のMotoGPクラス決勝ではアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)が優勝、2位にマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、3位にダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)が入賞した。Moto2クラスではマティア・パッシーニ(カレックス)が優勝、トーマス・ルティ(カレックス)が2位、アレックス・マルケス(カレックス)が3位に入賞、 Moto3クラスではアンドレア・ミーニョ(KTM)が優勝、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ホンダ)が2位、ファンフラン・ゲバラ(KTM)が3位に入賞し、全クラスでイタリア人ライダーが優勝した。
MotoGPクラスでは第3戦アメリカズGPから第5戦フランスGPまで3連勝を達成したマルク・マルケス(ホンダ)がランキングトップの座をキープ。マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)が36ポイント差のランキング2位に続く。
ビニャーレスはここまで表彰台こそ第3戦アメリカズGPの2位1回しかないものの、コンスタントに上位に入賞し、ノーポイントがないことがランキング2位につけている要因だ。
ランキング3位以下は混戦となっている。ビニャーレスと1ポイント差のランキング3位にヨハン・ザルコ(ヤマハ)。ザルコは前戦フランスGPで今シーズン初めて、転倒リタイアに終わり、ノーポイントレースを喫してしまった。
前戦フランスGPで今季2度目となる3位表彰台を獲得したバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)はザルコと2ポイント差のランキング4位。第5戦フランスGPで今シーズン初表彰台となる2位入賞を果たしたダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)がロッシから2ポイント差のランキング5位につける。
ジャック・ミラー(ドゥカティ)がペトルッチから5ポイント差のランキング6位、アンドレア・イアンノーネ(スズキ)がジャックから2ポイント差のランキング7位、カル・クラッチロー(ホンダ)がイアンノーネと1ポイント差のランキング8位、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)がクラッチローと同ポイントのランキング9位。
ダニ・ペドロサ(ホンダ)は2度のノーポイントが響き、ランキング9位のドヴィツィオーゾから17ポイント差のランキング10位。ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)も第5戦フランスGPでの6位がベストリザルトとマシン面で苦戦が続いており、トップのマルケスから79ポイント差のランキング14位と厳しい状況にある。中上貴晶(ホンダ)は開幕からの5戦中4戦でポイントを獲得、ランキング19位につける。
ドヴィツィオーゾが2戦連続のノーポイントで、あっという間にランキングを下げてしまったことからも明らかなように、ランキング2位以下、トップ10圏内選手のポイント差はわずか。そんな中で、マルケスただひとり飛びぬけている状況だ。
マルケスはMotoGPクラス昇格後のイタリアGPでは、2014年に1勝を記録、2016年は2位に入賞しているが、昨年は表彰台争いに加わることができず6位に終わっている。
ビニャーレスは昨年は2位に入賞。ザルコは昨年7位入賞。ロッシはムジェロの最高峰クラスでは最多となる通算7勝を記録しているが、2015年の3位表彰台獲得以降、2016年にはマシントラブルでリタイア、2017年は4位に終わっている。
ペトルッチは昨年のイタリアGPでは3位表彰台を獲得。イアンノーネはドゥカティ時代の2015年に2位入賞した経験を持ち、クラッチローは2013年の3位入賞がMotoGPクラスのムジェロでの唯一の表彰台経験となる。ドヴィツィオーゾは昨年のイタリアGPのウイナー。ロレンソは過去6年のイタリアGPのMotoGPクラスで4回優勝するほどの実績があるが、ドゥカティに移籍した昨年は8位に終わっている。