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【ブログ】ピットに休憩室に新スタート台、サーキットは建設ラッシュ/ル・マン24時間現地ルポ第1回

2018年05月31日 19:11  AUTOSPORT web

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今年も伝統の耐久レースイベント『ル・マン24時間』の季節がやってきた。WEC開幕戦スパ・フランコルシャン6時間に引き続き、フランスのル・マンでもメカ、ハコ車&スポーツカーマニアの“ヘンタイ”カメラマン、鈴木紳平が現地から気になる情報をお届け。初回となる今回は6月3日(日)に行われる“ル・マンテストデー”に向けた搬入の様子や、戦いの舞台となるサルト・サーキットの現状をマニア目線で(?)お伝えします。

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 日本のモータースポーツ好きの皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

 先日、スーパーマーケットに行って“エサイン”なる野菜を発見して『エンサイン F1』、サッカー日本代表の記事で“西野監督”を発見すると『西部警察』を連想してしまう私がル・マンはサルト・サーキットより全国の搬入マニアの皆さまへル・マン24時間の搬入日の様子をお届けしたいと思います。

 今週末、富士スピードウェイでは50年ぶりに24時間レースが行われますが、皆さまどうぞ最後までお付き合いのほどよろしくお願い致します。


さぁ今年もやってまいりました決戦の地、『第86回ル・マン24時間耐久レース』であります。


 ――と申しましても本日はまだ5月29日(火)。決勝スタートまでおよそ18日あります。ピット裏もまだこんな感じで怠惰な空気が流れております。
 
 ちなみにル・マン24時間の搬入は国内レースのように特定の日に一斉に設営開始ではなく、各チームごとバラバラにやって来ます。そういえば昨日、高速道路で見たLMP1プライベーターのバイコレスはまだ来てませんね。どこ行ってしまったんでしょう?

 手前に見えるのがLMP2クラスの39号車オレカ、グラフ-SO24のピット裏になります。


 その39号車ピットの裏側を覗いてみましょう。ドライバーの休憩用でしょうか。コンテナハウスが二階部分に設置されていますが思わず、スーパーGT300クラスで活躍するHOPPY 86 MCのピット裏の“つちやハウス”を思い出します。春雄さん、いつもコーヒーご馳走様です。



 反対側を見てみましょう。奥がトヨタ、手前がデンプシー-プロトン・レーシングのピットになります。こちらは今年のル・マン24時間に合計10台ものミッドシップ911 RSRを送り込むポルシェ勢の一角としてLM-GTEアマクラスの優勝を狙います。しかし、プロ・アマ合わせて10台って凄いですね!


 そのポルシェ勢の親玉、LM-GTEプロクラスに参戦しているワークス勢のピット裏がこちら。およそ1週間前から搬入を開始していたようで、もう準備万端といったところでしょうか。LMP1から撤退しても設備の規模はまったく変わらない気がします。
 
 道を挟んだ反対側にはドライバー12人分(4台×3人)の休憩用の部屋が設置されています。


 そのポルシェ勢と血みどろの闘いを繰り広げると思われるLM-GTEプロのBMW勢が到着です。いやートランポがカッコイイです!
 
 ちなみに、ピット位置はかつてアウディが使用していたA棟の1コーナー側の端。果たしてBMW様、かつてのアウディのような成績を残せるのでしょうか。三味線合戦の後の6月13日のフリー走行のタイムに注目です!


 続きまして、ピットロードへやって来ました。LMP2クラスにスポット参戦するユナイテッド・オートスポーツの2台が放置されています。これのどちらかにファン・パブロ・モントーヤ様が乗ると思われます。
 
 あまり話題になっていませんが、俗に言う“トリプルクラウン”にリーチをかけているモントーヤ様、昨年のこともありますからチャンスはゼロではないと思いますが、ル・マンバージンのだったはちょっと意外。


 こちらが今年から設置されるスタート用のシグナルブリッジです。まだ骨組みで全容が明らかではありませんが、まずは1コーナー側から。


 最終コーナー側からも見てみましょう。


 シグナルブリッジということはそれ用のタワーもあります。


 勝手に登ってみましょう。シグナルの操作板があります。今年のスタートフラッグを担当するラファエル・ナダルさんは、ここから旗を振ると思われます。ただ、最終コーナーからこの距離で綺麗な2列縦隊を形成するのはなかなか難しいと思います。はたしてどんなスタートになるのでしょうか。


 余談ですがこのタワーに設置されている階段、とても急です。焦って降りると、ほぼほぼつんのめって転ぶ予感がします。ナダルさん、くれぐれも気を付けてください。


 私的にもうひとつ気になるのが、スタートラインからダンロップブリッジ手前のシケインまでの距離です。ものすごく減速して2列縦隊をつくった先頭集団が塊でシケインへ行きそうな感じがします。ポールポジションの車両がイン側かアウト側か忘れましたが、今年の決勝ではまず、1周目のダンロップシケインに注目です!


 そして今年も大手スーパーマーケット“カルフール”の買い物袋にル・マン24時間バージョン第2弾が登場です。昨年と違い今年のはカッコいいです!

 思わず『出前一丁』とともに手が出ます。お値段は2.5ユーロ(約320円)、出前一丁は1ユーロ(約130円)でございます。


 明けて水曜日であります。お昼前にサーキットへ行くと、LM-GTEのフェラーリ軍団が到着していました。LM-GTEアマクラスに参戦している澤圭太さんの車両も到着です。前ブログからの繰り返しになりますが、昨年の悔しい思いを力に変えて欲しいと思います!


 LM-GTEプロクラスにスポット参戦するフェラーリ52号車(奥の車両)はAFコルセの僚機である51号車、71号車とは異なる新しいカラーリングになっています。シューマッハ時代のF1のカラーリングのようでとても鮮やかです!

 私的にはこちらの色の方がフェラーリっぽくてしっくりきますが皆さまはいかがでしょうか? ちなみにこの52号車、新車っぽい感じがしました。伝統の一戦に掛ける想いがそうさせたのか、理由など含めて話が聞けたらまた当ブログでお知らせしたいと思います。


 その横ではWEC開幕戦のスパで大クラッシュを喫したドラゴンスピードが車両を組み立てています。まだちょっと時間が掛かりそうですが復活へ向けて頑張って欲しいと思います。


 そして私が気になっていたフロントセクションですが、ピット前にはハイダウンフォース用のカウルが置かれています。
 
 ただ、同じBRエンジニアリングのLMP1マシンを使うSMPレーシングはスパと同様のローダウンフォース仕様を使用するとのこと。まずは今週末のル・マン初走行から目が離せません。


 一方、こちらは諸事情によりスパ戦から撤退したCEFC TRSMレーシング(通称、マノー)のピットです。ル・マンには到着していて整備も始めているようですが、ピット内が簡素なのがとても気になります……。

 号令があればいつでも片付けができそうな感じに見えなくもありません。メカニックの一人が挨拶してくれたので、「大丈夫なの?」と尋ねたところ一言、「DREAM」と答えてくれました。――果たしてこのチームは無事に6月16日(土)15時のスタートを迎えることができるのでしょうか? こちらも違った意味で目が離せません。


 そんなこんなで取材を終えて駐車場へ帰ってくるとただならぬオーラを発しているクルマが停まっています。よく見るとナンバープレートが中国のものです。

 調べたところ中国の沿岸部の都市、寧波市を表すナンバープレートでした。



 リヤガラスには中国から英国までの道のりが書かれています。中国を出発し、自ら走破してここル・マンまでたどり着いたということなのでしょうか? 真相はまったく分かりませんが、確かにピットロードに中国人の方々がいたのは覚えています。


 サイドにはこんなステッカーが貼られています。“挑戦100度”と読むのでしょうか、詳しいことはまったく分からないまま、いよいよ明日から車検が始まります。

 LMP1クラスの勢力図、新しいEoT、フェルナンド・アロンソ様、ジェンソン・バトン様、モントーヤ様、気になることは満載ですが、皆さまとはまたテストデイ明けにお会いしたいと思います。

 それでは皆さま、どうぞ良い週末を。