F1のスポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、モナコは独自の世界であり、伝統的なモナコの市街地コースと、他のF1サーキットと比べるべきではないと主張している。
27日に行われた決勝レースについて、ルイス・ハミルトンやフェルナンド・アロンソ、キミ・ライコネンといったドライバーたちが、レースはこれまでで最も単調で退屈なものだったと批判している。
華やかでユニークなイベントを好むハミルトンは、コース上でのアクションを活性化するために、コースの改修かレースフォーマットの変更が必要であると主張した。
しかしながらブラウンは、モナコGPは他のグランプリと分けるべきだと考えており、モナコのレースで非常にスリリングな展開が見られることはほとんどないと主張する。
「ドライバーやF1関係者が、レースが退屈だったと意見しているのを多く見聞きした。確かにアクションに満ち溢れたレースではないことは事実で、タイヤが重要な要因となる傾向が強まっている」とブラウンは述べた。
「しかしながら、モナコで多くのバトルやオーバーテイクが見られることを期待するのは少々甘い考えだ」
「土曜の予選では類のない光景が見られることとは対照的だ。20人のドライバーがバリアをかすめ、ときには接触して、普通の人間では考えられないようなスピードで走る様を間近で体験できる唯一の場所なのだ。3.337メートルのコースを約71秒で一周できるドライバーたちのことを、きちんと評価していないかもしれない」
F1の将来を形作ろうと取り組んでいるブラウンは、コース上でエキサイティングな展開を生み出す可能性のある会場でレースを行う重要性を強調している。しかしながらモナコには名声と華やかさが合わさった独自性があり、その基準は適用されないだろう。
「モナコは特別なレースであり、他のレースと同じ基準で判断されるべきではない」
「パドックや街の雰囲気、イベントを取り巻く華やかさが、レースを比類のないものにしている」
「そうは言っても、我々が我々自身に課したF1の将来における目標は、新たなコースがより多くのオーバーテイクのチャンスを生み出すように、そして既存のコースでは改善されるように、主催者やすべての関係者とともに取り組んでいくことにある」
「当然のことだが、ドライバーからの意見は歓迎だし、我々には常に耳を傾ける用意がある。しかし、モナコでコースに何か対処するためには海を埋め立てる必要があり、それは我々が対応できる範疇のことではない」