モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第13戦シャーロット
カイル・ブッシュがシリーズ最長レースを完全勝利!
トヨタ・カムリはトップ3独占
NASCARの聖地シャーロットで行われたシリーズ最長戦は、カイル・ブッシュがポールからレースの大半を支配。全ステージ制覇の完全勝利で自身初のシャーロット勝利を飾りました。マーティン・トゥルーエクス・Jr.が2位、デニー・ハムリンが3位に入り、トヨタ・カムリがトップ3を独占する速さを見せました。
エクスフィニティ・シリーズでは、カイル・ブッシュがステージ3中盤まで首位を走り、速さを見せていましたが、クラッシュで後退。クリストファー・ベルが3位フィニッシュとなりました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第13戦 Coca-Cola 600
開催日:5月27日
カイル・ブッシュがシリーズ最長レースを完全勝利!
トヨタ・カムリはトップ3独占
5月27日(日)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第13戦『Coca-Cola 600』が開催されました。
チームや関係企業の多くが本拠地を置く、NASCARにとってデイトナと共に聖地とも言えるシャーロット。前週のオールスター戦に続いて行われるのは、シリーズ最長、600マイル(約960km)で行われる大イベント『コーク600』。
米国の休日である『メモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)』の前日開催ということもあり、日曜日では珍しいナイトレースとして開催されます。
前週のオールスター戦では、カイル・ブッシュとマーティン・トゥルーエクス・Jr.が首位を争いながらクラッシュで無念の後退。カイル・ブッシュはここシャーロットで、オールスター戦は勝っていますが、カップのシリーズ戦では未勝利。自身唯一の未勝利コースであるシャーロットでの初勝利に期待がかかりました。
そのカイル・ブッシュは、24日(木)に行われた予選で、今季3度目、そしてトヨタにとってはカップ・シリーズ参戦以来記念すべき100度目のポールポジションを獲得しました。
27日(日)午後6時22分、1.5マイルオーバルを100周ずつの4ステージ、合計400周(600マイル)で競われる決勝レースがスタート。ポールポジションからスタートを切ったカイル・ブッシュは、スタート直後にかわされたものの、5周目にその座を奪い返しました。
3,4番手スタートのデニー・ハムリンとエリック・ジョーンズもこれに続き、ステージ1の前半戦はトヨタ勢が1-2-3体制に。ステージ後半のコーションでハムリンとエリック・ジョーンズはややポジションを落としましたが、カイル・ブッシュは独走を続けトップでステージ1を制覇。
15番手スタートから徐々に調子を上げてきたマーティン・トゥルーエクス・Jr.が4位、ハムリンが8位、エリック・ジョーンズは10位となりました。
ステージ2もカイル・ブッシュが好走。後半イエローコーションが出ない展開となり、ピット戦略で順位は入れ替わりましたが、全車がピットを終えた時点でカイル・ブッシュは首位に復帰。2位のトゥルーエクス・Jr.を大きく引き離してステージ2も制しました。トゥルーエクス・Jr.が2位。ステージ序盤の多重クラッシュに巻き込まれたハムリンとエリック・ジョーンズは一旦大きく順位を落としましたが、着実に追い上げ、ハムリンが4位、エリック・ジョーンズは連続のトップ10でポイント獲得を果たしました。
ステージ3もカイル・ブッシュが首位を逃げ、ハムリンがこれを追う展開。トゥルーエクス・Jr.はステージ間のピット、そして最初のコーション時のピットで連続ペナルティ。後方からの追い上げを余儀なくされました。
カイル・ブッシュは一度も首位の座を譲ることなくステージ3も制覇。好走を見せたエリック・ジョーンズが2位。ハムリンが6位。トゥルーエクス・Jr.は8位までポジションを戻してステージを終えました。
コーションの多かったステージ3に対し、ステージ4は一転イエローコーションの全く出ない展開に。カイル・ブッシュは序盤から大きく後続を引き離し独走。その後方では、ハムリンとトゥルーエクス・Jr.が上位争いを繰り広げました。
ステージ4の100周が半分に届くあたりから各車グリーンフラッグ下でのピット作業を開始。全車がピットを終えた時点で、カイル・ブッシュは2位に4秒近い大差をつけて首位に復帰しました。
一方、この日ステージ3まで好走を見せていたエリック・ジョーンズは、ステージ4スタート前のピットで、ピット作業によるペナルティ。20位以下までポジションを落とし、そこからトップ10圏内をうかがえる位置まで復帰していましたが、このグリーンフラッグ下のピットでも再びピット作業ペナルティ。惜しくも周回遅れとなってしまいました。
365周目にはトゥルーエクス・Jr.が2位へ。その後方で激しいバトルを繰り広げていたハムリンも、終盤に入ると次々に前車をパスし、383周目には3位へ。トヨタ・カムリの1-2-3体制となりました。
カイル・ブッシュは最終的に、2位のトゥルーエクス・Jr.に4秒近い大差をつけ、トップチェッカー。ポールスタートから全400周中377周で首位を走行、3つのステージも全てトップという完全制覇で今季4勝目を挙げ、首位につけるドライバーズランキングでも2位以下との差を大きく広げることとなりました。トゥルーエクス・Jr.が2位、ハムリンが3位で続き、トヨタ・カムリはトップ3独占という圧倒的な強さを見せました。
カイル・ブッシュはこれでカップ・シリーズ通算47勝目。そして、未勝利だったシャーロットで勝ったことで、NASCAR史上初めて、カップ・シリーズにおいて出場した全てのコースで優勝を果たすという大記録を達成しました。また、カイル・ブッシュはこのレース中、NASCAR史上10人目となるキャリア通算首位走行周回数15000周突破を果たしました。
次戦第14戦は6月3日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで行われます。
ドライバー カイル・ブッシュ
「コカコーラ600での勝利は、子供の頃からの夢でした。やっとそれが叶いました。子供の頃からオールスターとこのコカコーラ600を見て来ました。そのレースに自分が参加し、そして今勝つことが出来たなんて、信じられません」
「ダート路面のローカルレースに出るときでも、全てのコースで勝つつもりですし、どんなコースでも私には弱点はないということを証明したいと思っています。チームは今夜、最高のトヨタ・カムリと共にここでヴィクトリーレーンに上れるチャンスを与えてくれました。格別の勝利です」
NASCAR XFINITY SERIES
第11戦 Alsco 300
開催日:5月26日
クリストファー・ベルが3位フィニッシュ
5月26日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第11戦『Alsco 300』がシャーロット・モーター・スピードウェイで開催されました。
26日(土)午後1時13分、1.5マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周で争われる決勝レースがスタート。2列目3番手グリッドからスタートを切ったカイル・ブッシュがインに切り込み、3ワイド状態のバトルから首位に浮上。その後も首位争いを繰り広げ、ステージ1を制覇。
シリーズレギュラーのブランドン・ジョーンズが2位、クリストファー・ベルが4位とトヨタ勢は好位置でステージを終えました。
ステージ2は首位のカイル・ブッシュがハンドリングに苦しみながらも独走。その後方でブランドン・ジョーンズが2位争いを展開し、カイル・ブッシュが連続ステージウィン。ブランドン・ジョーンズが3位、ベルが6位となりました。
ステージ3は中盤イエローコーションが連続する展開に。ここでピット作戦の違いにより順位が入れ替わり、それまで首位を走行していたカイル・ブッシュは10位に後退。再スタートで一気にジャンプアップを狙ったカイル・ブッシュは3ワイドのインをつきましたが行き場を失い、グラスエリアにタイヤを落としてスピン。後続と接触したことで車体にダメージを負い、周回遅れとなってしまいました。
ピットでの懸命な修復でレースに復帰したカイル・ブッシュは、181周目に出されたイエローコーションで“ラッキー・ドッグ”(コーション発生時周回遅れの最上位が周回を取り戻せる救済措置)を獲得。首位と同一周回に復帰しました。
レースは終盤のコーションにより延長、残り2周で決される“オーバータイム”に。レースを通して上位争いを続けていたベルが3位でフィニッシュ。カイル・ブッシュも追い上げ8位とトップ10でチェッカーを受けました。
次戦第12戦は6月2日(土)、ポコノ・レースウェイで行われます。
ドライバー クリストファー・ベル
「ターン1と2では調子が良かったので、残り2周くらいで逆転できると思っていました。イエローコーションが出なければ、逆転を狙ってアタックしていたのですが、残念ながらイエローが出てしまいました。再スタートでの逆転を狙いましたが届きませんでした」