FIAは、F1モナコGPでフェラーリのERSとバッテリーシステムを詳しくチェックした結果、違法性は見当たらなかったことを明らかにした。
メルセデスとレッドブルは、ツインバッテリーシステムを使用するフェラーリが、密かに規則で制限されている以上のエネルギーを引き出している可能性があると疑っていた。FIAはアゼルバイジャンとスペインでフェラーリのバッテリーシステムについて調査を行った後、モナコの初日、フェラーリのERSを監視した結果、違法な行為は行われていなかったと結論づけた。
「バクーで懸念があり、それに対する説明が困難だったため、彼らと共に対処した」とFIAレースディレクターのチャーリー・ホワイティングは語った。
「マシンが規則に従っているということをFIAに納得させることは、競技者の義務であるが、彼らにはそれができずにいた。しかし今、我々は納得している」
FIAは当初、フェラーリのバッテリーシステムについての説明に納得できなかったという。
「データの一部に、我々には説明できない部分があった」とホワイティング。
「フェラーリと共にチェックしたが、彼らの説明には納得できなかった」
「我々はきちんと解決したかった。しかしその後、我々が理解できるような説明がなされたため、納得することができた」
ホワイティングは、今回の問題の発端は、フェラーリからメルセデスに移籍した、テクニカルディレクターのジェームズ・アリソンとロレンツォ・サッシが、アゼルバイジャンGP前にFIAに対し、フェラーリのERSについて問い合わせを行ったことであると明かした。
FIAに問い合わせを行った者をホワイティングが公表したことに対し、メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは不満を示している。
「スタッフを守ることが私の仕事のひとつだ。誤った状況において個人の名前が明かされることは、憂慮すべきことだ」とウォルフは語った。
「チーム側からFIAへの問い合わせは、毎日のように行われている。規則についての問い合わせを誰が行ったかを示すことは重要ではないと私は考える」
「チーム名を出すのは、仕事のやり方として全く問題ないと思う。しかし個人名を明かすのは正しいことではない」
ウォルフは、FIAがフェラーリのシステムは合法であると判断したことについては不満はないと述べた。
「抗議が提出されたわけではなく、抗議に対する裁定が出たというわけでもない。声明が発表されたというだけの話だ。我々は彼らを信頼している。彼らが調査を行ったのであれば、それで問題ない」