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24年間行方不明だった息子と両親、涙の再会(中国)

2018年05月29日 14:12  Techinsight Japan

Techinsight Japan

行方不明になった息子と24年ぶりの再会(画像は『Metro 2018年5月26日付「Parents cry for joy as they find missing son after 24 years」(Picture: Asia Wire)』のスクリーンショット)
3歳の時に行方不明になった息子を捜して24年。決して諦めることのなかった両親の願いがようやく叶った。このほど中国で、24年ぶりに生き別れとなっていた息子に両親が再会した。『Chinese Business Gazette』『Metro』『The Sun』などが伝えている。

中国陝西省の省都・西安市で24年前、1994年8月8日にひとりの男児が行方不明になった。当時3歳だった“レイ・レイ”というニックネームを持つリ・レイさんは、買い物のために家を出た父親リ・シュンジさん(現在59歳)の姿を追い外に出た。父は息子がついて来ていることに気付いておらず、混雑する通りでリ・レイさんは迷子になった。息子が行方不明になったことを父が知ったのは、妻のデュ・リさんが夫を探して店にやって来た時だった。

「息子がいなくなったことを知り、大変なことになったと膝がすぐに震え出しました。」

すぐに息子を捜すも見つからず、両親は我が子が誰かに誘拐されてしまったのではと恐れた。実はこの時、西安市に商品を配達に来ていたカップルがリ・レイさんを見つけていた。カップルはひとりで彷徨っているリ・レイさんを孤児だと勘違いしたようだ。親らしき姿も見当たらず、カップルはそのままリ・レイさんを連れて帰った。その後、リ・レイさんはこのカップルの息子として育てられてきた。

その間、父親は身を粉にして息子の行方を捜索していた。事業を売却し、息子の詳細を記した18万枚のチラシを中国全土に配り回った。心労により3か月間で27kg近くも痩せたが、「諦めたらダメだ。いつかは息子に会える日がきっと来る」と自分に言い聞かせながら懸命に捜し続けた。

一方、成長したリ・レイさんは育ての親から当時のことを聞いたのだろう、行方不明者を捜索するNGO団体「Baobei Huijia」を通して自分の血液サンプルを警察当局に提供し、実の両親を捜し出そうとした。そして2017年には、父もまた血液サンプルを提出したことにより大きな展開があった。未成年行方不明者のデータに登録されていたリ・レイさんと父親のDNAが、一致したことが地元警察により判明したのである。

このほど27歳になった息子と24年ぶりに再会した両親は、涙をこらえきれず号泣した。父もすっかり成長した息子にしがみつく。そんな父はリ・レイさんが行方不明になった後、妻との間に双子の子をもうけるも息子の捜索は決して諦めなかった。

「あの頃は通信技術が発達しておらず、息子の行方を捜し出すことは困難を極めました。」

なお、リ・レイさんの育ての親となったカップルの身元については公表されていない。彼らがリ・レイさんについて警察へ通報しなかったことが罪に問われるか否かに関しては、現時点では明らかになっていないようだ。なおNGO団体「Baobei Huijia」によると、中国国内では2015年だけで59,007人の子供が誘拐されているという。

このニュースを知った人からは「泣ける。親子が再会できて本当に良かった」「子供を連れていったカップルは立派な誘拐罪になるのでは? 普通ならすぐに警察へ連れていくでしょう。処罰を受けるべきだと思うけど」「中国は『十何年も行方不明で後に発見…』というニュースがよくあるな。人口が多いから行方不明者も多いのかもしれないけど」といった声があがっている。

画像は『Metro 2018年5月26日付「Parents cry for joy as they find missing son after 24 years」(Picture: Asia Wire)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)