5月27日に決勝が行われた世界最高峰のモータースポーツのひとつ「INDY500」に出場したドライバーの7割以上が、マツダがアメリカで展開しているドライバー育成プログラム「MAZDA ROAD TO INDY」の出身者であることは、日本では意外と知られていない。「デイトナ24時間」を頂点とするスポーツカー耐久シリーズ「IMSA」へのステップアップを支援する「MAZDA ROAD TO 24」もしかりである。
昨年、「インディ・ライツ」で年間タイトルを勝ち取ったカイル・カイザーは、マツダのスカラーシップ(奨学金)100万ドルを獲得し、今季、「INDYカーシリーズ」に4レース出場、初の「INDY500」の予選で昨年王者の佐藤琢磨の横にマシンを並べた。その予選後、カイザーは「5年間に渡ってマツダに支えられ、ついに最高峰の500のグリッドにつくことができた。夢を叶えたいなら、MAZDA ROAD TO INDYに挑戦すべき」と興奮気味に語った。
昨年は同様のスカラーシップで初出場したエド・ジョーンズがトップ争いに加わる好走で3位に入り、奨学金による参戦は終了したものの、ルーキーらしからぬ走りが評価され、トップチームのシートを得て参戦が続いている。支援の期間中に結果を出し、レーシングドライバーとしての未来を自らの力で切り開いたのである。
一方、「MAZDA ROAD TO 24」では、昨季の「GLOBAL MX-5 CUP」米国シリーズで年間チャンピオンに輝いたパトリック・ギャラガーが、20万ドルのスカラーシップを獲得しスポーツカーで「デイトナ24時間」に初参戦、5月には、ミッドオハイオで初の表彰台へ上った。
「MAZDA ROAD TO 24」の重要な登竜門として、一昨年、米国でスタートした「GLOBAL MX-5 CUP」は、長年のマツダのドライバー育成プログラムの実績が広く知れ渡っていることから、初年度の開幕戦から40台を超えるエントリーを集め、今季もハイレベルな戦いが繰り広げられている。