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F1第6戦モナコGP決勝トップ10ドライバーコメント

2018年05月28日 18:01  AUTOSPORT web

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2018年F1第6戦モナコGPで優勝したダニエル・リカルド
2018年F1第6戦モナコGP決勝でトップ10に入ったドライバーたちが日曜日を振り返った。

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■アストンマーチン・レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=1位

 まだ実感が湧いてこない。完璧な週末だったけれど、クレージーなレースだったね。今日のレースをずっと心待ちにしていて、早くスタートの瞬間を迎えたくてたまらなかった。
 スタートがうまくいった時、「これで一番やっかいな仕事は終わった、あとは完走を目指そう」と思った。ところが28周目、コーナーの立ち上がりでパワーがほとんどないように感じた。MGU-Kの問題だと分かった時、目を閉じて泣きたかった。もうこれでレースは終わりだと思ったからだ。でもすぐに、勝つために何をすべきなのかを考え始めた。無線を通してエンジニアに問いかけ、情報を交換し合ったけれど、問題は解決しなかった。それでもなんとか走り続け、セブ(ベッテル)を抑えきろうと思った。

 パワーを大幅に失っていたけれど、幸いここはタイトなコースで、マシンにも速さがある。だから、ストレートでつかまらないように、コーナーでタイムを稼ぐことができた。他のサーキットだったら、今日勝つことはできなかっただろう。

 そんな風に走るのは楽しくはなかったし、今は本当に疲れ切っている。でもものすごくハッピーだよ。やっと(2年前に)失った勝利を取り戻したという気分だ。これほど幸せなことはない。早く一杯飲みたいよ。

 楽ではなかったけれど、自分がモナコウイナーであると言えること、チームの250戦目に優勝できたことが最高にうれしい。

(MGU-Kのトラブルについて語り)問題が起きた後は、8つのギヤのうち6つしか使えなかった。このサーキットでは8つすべてを使うわけではないけれど、それでも痛手は大きかった。
 MGU-Kが壊れたことで、リヤブレーキが熱くなり、7パーセント前寄りにしなければならなかった。これはかなり大きな割合だ。
 ひたすらタイヤを労わって走ったから、終盤には少しプッシュすることができた。チームの皆のおかげで走り切ることができたんだ。今は喜びを抑えられない。試練が訪れたけれど、皆で乗り切れたよ!

■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=2位

 今日は前のマシンになんとか近づこうとして、いろいろ試みたけれど、近づいたらタイヤが傷んでしまうので難しかった。パワーがあまり必要ないコーナーでは(ダニエル・)リカルドの方が速かったので、彼はギャップを広げていき、僕は挑むことができなかった。

(トラブルを抱えていたにもかかわらず)リカルドはペースを維持して走っていた。彼が全くトラブルのない状態で走っていたら、僕らはもっともっと引き離されていただろう。残念ながら何かを試みるチャンスもあまりなかった。僕らはタイヤをうまく機能させることがなかなかできずに苦労していたんだ。

 バーチャル・セーフティカーが導入された時、マクラーレン(ストフェル・バンドーン)がピットから出てきて、間に入った。でも僕にとって最大の問題はタイヤのウォームアップにてこずったことで、それによって大量に時間をロスしてしまった。リズムを取り戻すのに1周半かかり、そのころにはもう追いつけなくなっていた。

 でもまだレースはたくさん残っている。自分たちの問題を理解して臨みたい。僕らのマシンは優れているけれど、改善できる部分はまだあるんだ。

 もちろん、(リカルドがトラブルを抱えていることは)無線で知らされていたし、それを聞いてプッシュし始めた。でも、近づこうとしたり、実際近づいたりしても、そこにとどまっていられなかった。タイヤの状態が悪くなるからだ。

(VSC明けには)何が起きていたのかさっぱり分からない。タイヤのウォームアップが全くできなかった。前のリカルドとマクラーレンは、あっという間に遠ざかって行った。僕らがなぜあれほど時間を失ったのか分からないよ。僕のVSCだけ終わるのが遅かったんじゃないかって思うぐらいだ。こういう状態でなければ、チェッカーの瞬間までリカルドにプレッシャーをかけ続けたかった。

■メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 決勝=3位

 今週末のレッドブルは素晴らしい仕事をしたね。僕らの予想どおり、週末を通して彼らが最速だった。

 モナコでの初めての勝利というのは特別なものなので、それを手にしたダニエル(・リカルド)におめでとうと言いたい。2年前にあと一歩のところで逃がしたから、今回それを取り戻すことができてよかったね。

 僕は3位ではなく2位になれればうれしかったが、全力を尽くしたけれどそれがかなわなかった。でもレース自体は難しいものではなく、3番手でひたすら周回していただけだった。6周目からすでにクルージングしていた。本当にクルージングそのもので、全くレースではなかった。タイヤを持たせなければならなかったからだ。でもタイヤは予想していたよりは長持ちしたね。グリップは低下していたけど。とにかく最後まで走り切るために、遅いペースで走り続けるしかなかった。見ている人たちにとってこれは面白かったのだろうか。面白かったのならそれでいいけれど。
 
 僕にとって今週末、重要だったのはセバスチャン(・ベッテル)とのポイント差がどうなるかで、結果的に3点縮まった。3ポイントで済んでよかった。チームは素晴らしい仕事をしてくれたと思う。


■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=4位

 ずっと何も起こらず、とても退屈なレースだった。このサーキットでは、皆がピットストップを済ませてしまった後は、トップのドライバーがペースを決めて走り、それが1周4秒も遅いペースでも、前のドライバーが大きなミスをしたり、タイヤが終わったりしない限り、抜くことはできない。

 今日は最初から最後まで全車がつながって走っていた。僕はタイヤマネジメントに苦労しておらず、すごくいい状態だった。最初のセットでは少しグレイニングが出たけれど、それ以外は何の問題もなかった。

(バルテリ・)ボッタスがすぐ後ろを走っていたが、全く心配していなかった。僕らには速さがあったから、簡単に前のマシンに近づいていくことができたと思う。ただ、オーバーテイクすることは不可能だった。

 ベストを尽くし続けたが、優れたペースがありながら、それを活用することができなかった。4位で満足することはできない。それでも毎戦、何かを学習していくつもりだ。

■メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ
バルテリ・ボッタス 決勝=5位
 モナコでは時にいろいろなことが起こり得るが、何も起こらないこともある。今日は何の波乱もないレースだった。

 セカンドスティントにスーパーソフトタイヤを履くというのは正しい選択だった。ウルトラソフトよりもうまく機能したと思う。ファーストスティントではタイヤの性能が落ちてきて、とても苦労したが、セカンドスティントはうまくいき、前のグループにプレッシャーをかけることができた。彼らよりも僕の方が速かったけれど、やれることはなかった。ペースに差があっても、ここではオーバーテイクは不可能なんだ。

 今週末は苦労するだろうことは予想していたが、そのとおりになった。それでもうまくダメージを最小限に抑えることができたと思う。予選5番手だったことでレースを楽に戦うことができなかったので、今日のマシンではこれが精いっぱいの結果だろう。

 モントリオールでは僕らのマシンはもっと高い戦闘力を発揮するはずなので、次はいい結果を出したいね。

■サハラ・フォース・インディアF1チーム
エステバン・オコン 決勝=6位
 最高の結果を出せて、本当にうれしい。それにすごく楽しかったよ。ペースはとてもよかったし、チームは戦略の面で素晴らしい仕事をしてくれた。タイヤへの理解も進み、レースのなかで僕らが最速だった時間帯もあった。

 最後の数周には(バルテリ・)ボッタスや(キミ・)ライコネンとのギャップを1周あたり1秒縮めるペースで走り、最後にはすぐ後ろにまで迫ることができた。

 こんな結果を達成することができて素晴らしい気分だ。思うようにいかないレースが続いただけに、たくさんのポイントを獲得することができてうれしい。こういう週末を、これからもっとたくさん過ごせるといいね。

■レッドブル・トロロッソ・ホンダ
ピエール・ガスリー 決勝=7位

 F1に参戦して初めて走ったモナコGPで2回目の入賞を実現できた。驚くほどすごいレースだったよ! 10番グリッドからのスタートだったから、簡単にはいかないだろうことは分かっていた。でも走り出してみると、マシンが本当に速かったんだ。

 序盤からタイヤを労わって走るよう心がけ、前が空いた時に全力でプッシュした。マシンの感触が良かったからそれができたんだ。ピットストップでポジションをいくつか上げることができた。終盤は(ニコ・)ヒュルケンベルグを最後まで抑えきるために戦った。モナコはオーバーテイクが難しい場所だ。集中してミスをしないようにして走ったよ。最後の方はタイヤがかなり古くなってしまい、楽ではなかったけれど、なんとか7位でフィニッシュできた。ものすごくハッピーだ!


■ルノー・スポール・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=8位

 いいレースができたと思う。カルロスと違う戦略で走るというプランで、それがうまくいったんだ。昨日の予選ではいい結果を出せなかったけれど、そこからうまく挽回できた。8位は今日の状況のなかで可能な最大限の結果だと思う。

 最初のスティントはすごくうまくいった。中盤でひどいグレイニングが出たために苦労したけれど、その後、タイヤが回復して、かなり速いタイムで走れるようになり、戦える状態に戻れたんだ。それもモナコだ。クレイジーな展開になることもあれば、今日みたいなこともある。僕らはチャンスを最大限に生かしきれたと思う。

■アストンマーチン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=9位
 今回はダメージを最小限にとどめることが重要だと分かっていた。それでもバトルができたし、最初から最後までマシンに強さがあったから、レースを楽しむことができた。

 でも心の奥底では当然がっかりしている。僕がプラクティスでミスさえしなければ、もっとずっといい結果を出せたことは分かっているからだ。でもこの状況のなかですべてのチャンスを活用したことも事実だ。楽しんで走り、他のマシンをオーバーテイクし、毎ラップ、プッシュしながら走った。モナコではめったにできないことだ。ここのレースでは皆がクルージングしているだけのことが多いから。

 マシンのハンドリングは良く、戦略も的確だったおかげで、ポイント圏内でフィニッシュすることができた。いろいろ考えると、いい仕事ができた一日だったと思う。

 キャリアのなかで学んだのは、後になってから、あれができたかも、これができたかも、などと言うのは簡単だということ。それでもいつも自分自身をしっかり見つめなければならないと思っている。今週末、僕はミスをしたが、ダニエル(・リカルド)は最高の仕事をした。優勝して、特別な瞬間を味わっている彼に、心からおめでとうと言いたい。

 今日僕は、リスクを冒したり、クラッシュすることは避けたかった。今はそういうことは絶対にできない状況だからね。何をするにも確実にマージンをとって行動した。多少リスクを冒したとしても、オーバーテイクできないことは分かっていたしね。

■ルノー・スポール・フォーミュラワン・チーム
カルロス・サインツJr. 決勝=10位

 僕にとっては難しいレースだった。16周目にタイヤを交換し、ウルトラソフトで60周を走らなければならなかった。グレイニングがひどくて、理想的な状況ではなかった。そのために僕にできることはあまりなかった。僕とは違う戦略で走っているマシンの方がずっと速かった。

 いろいろなことを冷静に見直して、モントリオールにはもっと強くなって戻ってきたい。

(スペインのメディアに語り)ひどいレースだった。本当に辛かった。悲惨といっていい。どんなにタイヤを労わって走っても、フロントがだめになっていった。序盤でウルトラソフトに換えたけど、それはベストの戦略ではなかった。

(タイヤ交換を終えたばかりのヒュルケンベルグにポジションを譲るよう言われたことについて)ニコを前に出すというのはひとつの出来事に過ぎない。ひどいデグラデーションに苦しんでいた時点でもう僕にはチャンスはなくなっていた。

 間違いはずっと前に起きていたのだと思う。(ウルトラソフトで長く走ることでひどいデグラデーションに苦しむと)僕は思っていたけれど、そう考えない人たちもいた。

 それでも、マクラーレンよりも多くポイントを稼ぐという目的は達成した。優先すべきはチームのためにできるだけたくさんポイントを獲得することだ。