婚活支援事業を行うキャピタルウィンパートナーズは5月、身体障害者専門の結婚相談所「ノーマライズ」を東京都内で立ち上げた。利用できるのは満20歳以上で身体障害者手帳を持つ独身の人。男性の場合はこれに加え、身体障害者就労継続支援事業所A型を含む、定職を持つ人が対象となる。なお、男女共に、複数の障害がある重複障害の人は対象外となっている。
同社の担当者によると、一般的な結婚相談所ではこれまで、「プロフィールや写真を見て、障害があると分かると事前に弾かれてしまう」ことがよくあったという。
「特に顔に障害がある人の場合は顕著でしたが、歩行障害なども同様です。見た目ではわからない障害を持つ人がお見合いを申し込む際、担当者に障害の内容を告知する必要があるためか、結構な割合でお見合いに至りませんでした」
7月には身体障害者限定の婚活パーティ開催 介護福祉士もサポート
さらに、現状の結婚相談所は「何万人もの健常者と一緒に競っている状態」にあり、障害のある人は不利な状況に置かれていると言える。その点、身体障害者を専門にした相談所では、登録者は皆「相手に障害があるとわかっている人だけになる」ため、障害者も気兼ねなく利用できるという。
登録した人のうち、障害の程度が軽い場合は、「一般の人向けの結婚相談所にも登録してもらい、健常者との出会いの場を作ることもできる」という。障害者手帳の等級で一律に区切ることはせず、スタッフが登録者本人と面談をして判断する。理解のある健常者の人には、個別に紹介することも検討している。
ノーマライズは、障害のある人の結婚相談事業を手がける一般社団法人チャレンジドマリッジの東京支部として港区虎ノ門に開設される。これまでには広島県や長崎県、静岡県など、全国8県に同様の相談所が開設されている。
7月14日には、身体障がい者限定の婚活パーティーを開催予定だ。現在、バリアフリーの会場をいくつか検討中だという。
「当日は介護福祉士の資格を持っているスタッフが付く予定です。車椅子の人だけでなく、足の悪い人でも参加できる環境を整えます」(担当者)
2020年にはパラリンピックが開催される。担当者は「障害者が脚光を浴びるその時までに、身体障害者の婚活が盛り上がっていたらいいと思います」と話していた。