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大根仁、江國香織、角田光代ら、ウディ・アレン監督最新作『女と男の観覧車』に絶賛コメント

2018年05月27日 18:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 6月23日公開のウディ・アレン監督最新作『女と男の観覧車』に、本作をいち早く鑑賞した著名人が絶賛コメントを寄せた。


参考:パノラマパナマタウン岩渕想太が見た、ウディ・アレン『カフェ・ソサエティ』の魅力


 本作は、『カフェ・ソサエティ』『ミッドナイト・イン・パリ』のアレン監督最新作。1950年代のコニーアイランドを舞台に、遊園地で働く女の前に音信不通だった夫の娘が現れ、その日から彼女の何かが狂い始める様を描く。安定を願いながら刺激を求め、真実の愛に憧れながら刹那の恋に溺れ、ここではないどこかにもっと素敵な人生が待っているはずだという切ない夢にその身を投げ出す主人公ジニーをケイト・ウィンスレットが演じている。


 本作にコメントを寄せたのは、小説家の江國香織や映像ディレクターの大根仁ら各界の著名人。一足先に鑑賞した本作の感想を綴っている。


【コメント一覧】
■江國香織(小説家)
あかるい色と軽快な音楽、演劇的愉悦に彩られてはいても、おそろしく昏く哀しい映画。ウッディ・アレン監督の女の描き方には容赦がない。いかんともし難く子供っぽい大人たちのなかで、子供だけが冷静なのも印象的だった。


■ほしよりこ(漫画家)
ノスタルジックな景色、美しい衣装。すべての登場人物に終止イライラさせられ絶望の気配を感じながらも、雨と炎が映画をさらにせつなく彩る。


■角田光代(小説家)
人生はつらい。でも、世界はうつくしい。そのどちらも、82歳のウディ・アレンが見せてくれることだから、信じないわけにはいかない。


■大根仁(映像ディレクター)
ウディ・アレン映画は人生の教科書だ。なぜ人を愛し、裏切り、過ちを繰り返し、それでもなぜまた愛すのか?その答えがこの映画にはある・・・と言いたいところだが、ますますわからなくなってきた!!


■松尾スズキ(作家・演出家・俳優)
苦さと笑いの共存。好みだ。色合い、音楽、久しぶりのジェームズ・ベルーシの太り方。とても好みだ。そして、ケイト・ウィンスレットの渾身のやさぐれ感。堪らない!


■辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
人々の笑い声が響くコニーアイランド。光があれば影があり、遊園地の結界近くには闇が色濃く存在しているようです。そして遊園地の毒々しい照明に照らされると、女の本性や心に秘めた欲望も露わになってしまうのです……。


■未唯mie(アーティスト)
女性の性(サガ)とはなんと!切ないものか・・・
男性との関係性の中で、美しくも醜くもなる
50’を舞台としたことで、心模様が匂いたつほどに
表現されて迫りくる
ジニーの業の深い生き様をケイト・ウィンスレットは
リアリティー且つ鮮やかに演じ切り、魅了される


■倉田真由美(漫画家)
日常生活に埋もれる中年女性。注目されることの少ない、世間の関心を最も引きにくいこのポジションにどれだけ多くの女性が悶々としているだろう。主人公ジニーのときめき、悲しみ、そして絶望に、同じ中年女性として恐怖を覚えてしまう。私は大丈夫だろうか。


■立川志らく(落語家)
錆れかけた遊園地が映画のセットのように見える。
その世界に生きている元女優は浮気をした事により平凡な女給を演じていたと気がつく。
恋のヒロインを演じようとするが恋愛物語は悲劇がお約束。W・アレンは凄すぎる!


■近田春夫(ロックンローラー)
観終わったその途端、それこそ”ヒュルリ”と今の今までの景色もお話も本当に何だったのか?まるで幻。実はなにもなかったような気にさせられる。
誤解を恐れずにいえば、これは風の又三郎のような映画だった。


■篠井英介(俳優)
「ウディ・アレンはT・ウィリアムズがお好き!?」
名作『欲望という名の電車』へのオマージュが『ブルージャスミン』だったように、
その主人公の秘密を暴くかのような今作のヒロイン。
何と悲劇的で美しいことか。
ケイト・ウィンスレットに世界中の演技賞をあげたい!


(リアルサウンド編集部)