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トラブル、オーバーステア、攻めすぎた結果。ディルマン、塚越、石浦を襲った予想外/第3戦SUGO予選ふり返り

2018年05月26日 20:51  AUTOSPORT web

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石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
5月26日にスポーツランドSUGOで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の公式予選。午前のフリー走行で好調ぶりをみせながらも、予選で結果を残せなかったドライバーにはなにが起きていたのだろうか。

 予選Q1で約20分に渡る赤旗中断があったほか、Q1終了後には関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)のベストタイムが抹消、Q1敗退の16番手に降格されるなど、公式予選はSUGOらしい荒れた展開となった。

 そんな予選ではフリー走行などで上位につけながらも予選結果につながらなかったドライバーも複数名いた。今回はトム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、塚越広大(REAL RACING)、石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)に焦点をあわせ、予選セッションで何が起きていたのかをふり返る。

■トム・ディルマンの場合:トラフィックと電気系トラブルに泣く
 ピエトロ・フィッティパルディの代役としてUOMO SUNOCO TEAM LEMANSの7号車をドライブしているディルマン。金曜専有走行こそ16番手だったが、土曜午前のフリー走行は12番手、トップと0.612秒差まで迫り、調子を上げていた。

 しかし、予選Q1のアタックラップで、ディルマンは「一度目のアタックラップでは(ジェームス)ロシターに計3回も前を抑えられてしまった」という。

「彼に何が起きていたのか知らないけど、最後はブロックするような動きだったように思えたよ」

「2回目のアタックもいいペースで走っていて、1分5秒8前後のタイムが出そうだった。だけど、そこで突然、電気系のトラブルが起きてしまったんだ。他のドライバーのアタックを邪魔しないよう、コース脇によけてマシンを止めた」

「かなり残念な結果だったよ。Q2には進めていたと思うし、ソフトタイヤでの感触も良かったからね」

 タイムを記録できないままマシンを止め、予選に出走した車両のなかでは最後尾の18番手に終わったディルマン。迎える27日(日)の決勝は自身にとってスーパーフォーミュラ初レースとなる。

「オーバーテイクは難しそうだし、後方からのスタートだから、戦略が鍵になるだろうね」とディルマン。

「レースに向けたセットアップや燃料を積んだ状態で走った経験もないから、明日のフリー走行で感触をチェックしたい」

「あとはクリーンなところで走り続けてファステストラップを記録して、その結果いい順位につけられたらいいね」

■塚越広大の場合:原因不明のオーバーステアに苦しむ
 土曜午前のフリー走行ではホンダエンジン勢最上位の5番手につけていた塚越。「朝のクルマのフィーリングは悪くなく、セットを煮詰めていけてました」と言うが、公式予選では思うようにタイムが出ず、Q1を11番手で通過。

 続くQ2は1分5秒497がベストタイムとなり12番手。8番手の山本尚貴(TEAM MUGEN)には0.324秒届かず、Q2で姿を消した。

「予選セッションになったら、クルマがオーバーステアになってしまって。クルマのバランスが変わってしまったため、攻めきれず、タイムが伸びませんでした」

「路面温度の変化なども関係しているかもしれませんが、はっきりした原因はわかりませんね」

 エンジニアやチームを率いる金石勝智監督とPCのモニターを見つめる合間を縫ってインタビューに応じた塚越。急にマシンのキャラクターが変わった要因はなんだったのか。日曜朝のフリー走行で原因を特定できれば、上位争いに加わってきそうだ。

■石浦宏明の場合:「“ズバン”と踏んだら“ズバン”と回った」
 2017年王者、石浦はSUGOで好調ぶりを発揮していた。金曜の専有走行、土曜午前のフリー走行でトップタイム。金曜の走行後には「いい手ごたえを感じている」とのコメントも残した。

 迎えた予選Q1、Q2でも順調にタイムを更新しQ3へ進出。しかし、Q3のアタックラップ、石浦はSPコーナーでコースアウトしてしまう。なんとかバリアへの接触は避け、コース上にマシンをとどめたものの、アタックは不発に終わり、ポールポジション争いに加わることはできなかった。

「Q2までSPコーナーと最終コーナーはまだ余力を残していました。もう少しいけるな、Q3はいくぞ、と思っていたんです。コースコンディションは思ったよりよくなくて、タイムを落としたクルマが多かったですよね」

「僕もセクター2までは最速表示でしたが、すごく速いわけではありませんでした。『あとはSPコーナーと最終コーナーでいったればポールポジションが見えるな』と思ってSPコーナーに入りました。SPコーナーのひとつめはうまくきまって、そのままふたつめで“ズバン”と(アクセルを)踏んだら“ズバン”と回ってしまって(笑)」

 好調さゆえのミスだったと言えるのだろう。それでも「なんとか(クッションバリアに)当たらずに終えました。それは不幸中の幸いですね」と石浦。金曜のセッションでは激しくマシンをはねさせてしまい、その影響で部品の一部をスタッフが御殿場の工場まで持っていきチェックしたというから、その言葉にも安堵が混じっていた。

「前回(オートポリス)まではタイヤをうまく使えていなかったし、実力でQ2落ちしたのでもやもやして終わっていました。今日は同じようなポジションですが、攻めすぎて終わったので自分としてはすっきりしています。SUGOは攻めないとポールポジションは獲れないと思っていますから、悔いはないです。ただ、悔しさは尋常じゃないですけど」

「今日の失敗の分、明日頑張らなきゃと思っています」

 逆に言えば、『失敗するまで攻められるほど、いいリズムで来ている』とも言える。石浦が、SUGOで王者たる走りを見せるか。