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好調の野尻智紀が自身3度目のポール獲得。予選Q1で関口が“理由不明”のタイム抹消/スーパーフォーミュラ第3戦SUGO

2018年05月26日 15:51  AUTOSPORT web

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予選ポールポジションを獲得した野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の公式予選が5月26日に宮城県柴田郡のスポーツランドSUGOで行われ、野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が自身通算3度目、前週のスーパーGT第3戦鈴鹿から続くポールポジションを獲得した。

■Q1
 好天に恵まれたSUGO、気温は24度、路面温度は41度。冷たい風がやや吹くものの、ドライコンディションのもと、予選Q1がスタートした。狭いSUGOで19台がアタックするという状況から、Q1はいかにしてクリアラップを取るかがポイントとなった。

 なお、午前のフリー走行でクラッシュした伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)は予選へ出走せず。チームスタッフによると伊沢自身、体は「大丈夫」とのことで、27日の決勝に向けてマシンの修復が進められている。

 20分間のQ1、序盤は山下健太(KONDO RACING)、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、塚越広大(REAL RACING)、山本尚貴(TEAM MUGEN)らが1分6秒台で上位に進出。最初に1分5秒台をマークしたのは石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)で、ここでほとんどのドライバーがファーストアタックを終えピットへ向かう。

 ここまでで、前戦オートポリスで1番手タイムだった平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、2番手タイムだった野尻は5番手以内につけることができずにいた。

 Q1セッション後半のアタックで、まず最初にアタックしたのはジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S)。しかしトップを奪うには至らない。その後も続々とタイムが更新されていくなか、残り時間2分ほどになったころ、赤旗が提示される。トム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)がSPアウトコーナーの外側でコースアウトしたためだ。これにより、マシン回収のためにセッション中断となった。

 この時点でトップ5は国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、松下、山本、石浦、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。平川、野尻、ニック・キャシディ(KONDO RACING)は15番手以下のノックアウトゾーンにおり、わずかな残り時間でQ2進出タイムを出さなければならなくなった。

 約7分の中断を経てセッション再開が宣言される。その時刻に合わせてマシンがピットレーン上に並んでコースオープンを待つが、定刻を過ぎてもコースはオープンにならず。オーバーヒートを避けるため、各車はここでいったんエンジンを止めた。

 コースオープンが遅れた理由はディルマンの7号車の回収に想定以上の時間がかかっていたこと。結局、各車ピットレーンにマシンを止めた状態で約12分間にわたり待機することとなった。

 赤旗提示から約20分が経過した13時59分、セッション残り時間2分20秒で走行が再開された。1回限りのアタックラップで平川、キャシディがタイムを更新。このふたりが上位に進出したことによりノックアウトゾーンに押し出された千代だったが、最後の最後にタイムを縮め、14番手でQ2に滑り込んだ。

 これでQ1敗退車両が確定したかに思われたが、セッション終了後にタイミングモニタの表示が変更。トップ10以内につけていた関口が16番手と表示され、Q1敗退となってしまう。ベストタイムが抹消された形だが、その詳細は不明。コクピットにいる関口は感情を露わにし、星野一義監督も状況を確認するべくピットビルで駆けていく様子が見られたが、Q2開始までに状況は変わらず。

 結局、関口は16番手でQ1敗退となり、代わって15番手だった山下が14番手に浮上。一転してQ2進出の切符を手にしている。Q1でノックアウトしたのは関口に加え、大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、ジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM'S)、ディルマンの4名となった。

■Q2
 混乱のQ1を経て始まった予選Q2。小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)がまずアタックを行うが、ターゲットタイムをたたき出したのは野尻だ。1分4秒台をマークしてトップに立つ。

 しかしこれを国本が更新すると、さらに石浦が1分4秒882でセッションリーダーに。これは、これまでのコースレコード1分4秒910を更新するタイムだったが、このタイムを上回ったのがルーキーの松下。1分4秒842をマークすると、このまま松下はトップタイムでQ2を終えている。松下のこのタイムはアウトラップから2周目のアタックに記録したものだった。

 注目のスーパーフォーミュラ初参戦ドライバー、ティクトゥムはトップ松下からコンマ約4秒差の1分5秒256をマークしたものの、15番手でQ2敗退。山下、キャシディ、塚越、千代、カーティケヤンの6名がQ3進出を逃した。

■Q3
 ポールポジションをかけて争われた予選Q3。Q2でトップをマークした松下はコースがオープンになると同時に飛び出す。前戦オートポリスで3番手タイムを記録した松下はQ2同様、じっくりとタイヤに熱を入れ、アウトラップから2周目でアタックを開始する。

 ここでアウトラップから1周目でアタックを行うドライバーたちがタイムを続々と更新。平川がまずトップにおどり出るが、そのタイムを野尻が更新。Q2でチームメイトの松下が記録したタイムを更新して1分4秒694をマークし、さらにコースレコードを塗り替えた。さらに最後のアタックで可夢偉が2番手に浮上。野尻、可夢偉、そして平川というトップ3でQ3を終えた。

 ディフェンディングチャンピオンで、今週末は好調の石浦はSPアウトコーナー立ち上がりでスピン。クラッシュなどはしなかったがアタックは続行できず、そのままピットへ。Q3最後尾の8番手に終わった。

 また、Q2トップだった松下は5番手に。4番手は平川、6番手は山本、7番手は中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)となった。

 68周で争われる決勝は5月27日(日)、14時15分にスタートする。