5月24日、WRC世界ラリー選手権に参戦しているシトロエン・レーシングは2018年シーズン、多数のアクシデントを起こしているクリス・ミークを第7戦イタリアを含む、シーズン残り全戦に参加させない意向であることを発表した。
ポルトガルでの第6戦を終え、WRCの2018年シーズンは6月7~10日に開催される第7戦イタリアで後半戦を迎えるが、その大会にシトロエン陣営のエースドライバーが参戦しない事態となった。
シトロエンは他メーカーや自チームのドライバーの中でも突出して回数が多く、また、クルーの安全性に影響を及ぼしかねない、重大事故につながる可能性のあったアクシデントが頻発しているこることから、今後のリスクを避けるため、ミークとコドライバーのポール・ネイグル組による今シーズンのプログラムを終了させることにしたという。
次戦のラリー・イタリア・サルディニアだけに留まらず、第13戦オーストラリアまで合計7戦すべてのイベントへの出走を認めないという厳しい判断を下した、シトロエンのピエール・ビュダール代表は「この決定は“安全性”の考慮に基づいている」と語っている。
「ドライバーとコドライバーに関する決定のため、決断は簡単ではなかった。しかし、チームが抱える“安全性の問題”を考えたとき、私は予防的措置としてこのような決定を下すことにしたんだ」
今シーズン、ミークは開幕戦モンテカルロで4位、第3戦メキシコで3位を獲得しているが、それ以外のラウンドではアクシデントによって順位を下げることが少なくなく、直前の第6戦ポルトガルでも、シトロエンC3 WRCのコクピット前半部分が潰れるほどの大クラッシュを喫している。
また、ミークは昨年もシーズン中盤の第8戦フィンランドでチームから“一時的な休養”を提案されており、同戦には今季ヒュンダイに移籍したアンドレアス・ミケルセンが代役として出場していた。
シトロエンは第7戦以降のドライバーラインアップについて、クレイグ・ブリーンと第2戦スウェーデンとラリー・ポルトガルにスポット参戦したマッズ・オストベルグのふたりをイタリアで起用するとすでに発表してるが、第8戦フィンランド以降の布陣については、近日中に明らかにする予定だ。