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COLOR CREATIONが見据える“ボーカルグループ”の新たな可能性 「ムーブメントが起こせたら」

2018年05月25日 11:41  リアルサウンド

リアルサウンド

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 COLOR CREATIONが、5月23日にシングル『CANVAS』でメジャーデビューする。


 昨年夏に『Waiting For You』と『Summer Love』という2枚のシングルをリリースし、2枚の売上枚数が5000枚を越えたことでメジャーデビューのチャンスを掴んだ、5人組ボーカルグループのCOLOR CREATION。ルックスもさることながら、それぞれ卓越したボーカルパフォーマンスで、インディーズ時代からファンを魅了してきた5人は、ダンス&ボーカルグループが主流の音楽シーンにおいて、あくまでも“ボーカルグループ”として、歌の力を磨き続けてきた。彼らが歌手を目指したきっかけや、結成の経緯とは? 彼らのルーツを紐解くことで、ボーカルグループとしての魅力に迫った。(榑林史章)


■「ユニゾンは、僕らの魅力の一つ」(KAZ)


ーーインディーズ最後のワンマンライブを拝見しましたが、個々のボーカリストとしての魅力が際立っていて。お客さんの層も幅広く、特に男の子がたくさん観に来ていたのが印象的でした。


KAZ:僕らは5人組のグループなので、曲の解釈や伝え方が単純に5倍です。それによってさまざまな魅力が、僕らと同世代だけでなく、お母さん世代、おばあちゃん世代、お子さん連れなどの幅広い層に届いているのだとしたらうれしいです。男の子に関しては、歌手を目指している子が観に来てくれているのかなと。歌が上手い人に憧れている人、音楽が好きな方がファンになってくれている印象です。


JUNPEI:僕自身も最初は清水翔太さんに憧れて歌手を目指した経緯があるので、僕自身が憧れられる立場に少しでもなれていたらうれしいですね。


ーー個々のボーカルの魅力という部分では、どんな違いを意識していますか?


KAZ:大まかに説明すると、僕とJUNPEIは低音、TAKUYAとYUUTOは高音で、RIOSKEの声は、曲に洋楽的な色合いを乗せてくれるので、英語詞のパートや曲の最後でシャウトやフェイクを担当することが多いです。RIOSKEのフェイクによって、曲の最後にクライマックス感を与えられていると思います。


RIOSKE:J-POP好きなお客さんだけではなく、洋楽好きなお客さんにも刺さるようにと思って、洋楽的なエッセンスが加えられるように日々研究しています。「聴きやすいけど実際にやってみようとすると実は難しい」ということは意識していますね。インディーズのころから、どれだけキャッチーなフェイクを乗せられるか自分なりに研究するのがすごく楽しいです。


ーーTAKUYAさんとYUUTOさんは高音パートが得意ということで。


YUUTO:TAKUYAは地声で声を張った時の声色がきれいなので、地声で歌っているところが多くて、僕はファルセットで、TAKUYAの地声とは違った声色で聴かせているという感じです。昔はファルセットもぜんぜん出せなかったんですけど、「男のファルセットは色気があっていいな」と思って、すごく練習しました。その結果、今はめちゃめちゃきれいに出せるようになりました!


KAZ:自分で言う!(笑)。


TAKUYA:RIOSKEはフェイク、YUUTOくんはファルセットや日本語っぽい表現。僕はチェストボイス(地声)で、突き抜けるようなギリギリ感を出して。KAZくんはミックスボイスで、5人の中心となる声や中性的な声が特徴です。JUNPEIくんは、KAZくんと僕の間くらいで……。だから、声のバランスがいいんです。ユニゾンでも単調には聴こえないんじゃないかなって思います。


KAZ:全員同じキーで歌っても、ローの成分、ミドルの成分、ハイの成分が揃っているんですよ。


ーーライブで聴いた時は、ユニゾンだけどハモっているように聴こえました。


KAZ:それはよく言われます。「ハモりがきれいでしたね」って言われて、「え? ハモってないけど」って(笑)。でも実際にユニゾンは、僕らの魅力の一つになっています。メインボーカルをはれる実力を持った5人がユニゾンすることで、他のグループでは表現できない説得力が出せていると思います。


TAKUYA:音程のハモリではなくて、声の成分でハモっているみたいな感覚ですね。それが5人によるユニゾンのキャッチーさにつながっています。


KAZ:5人で歌うことによって、6つ目の声が生まれる、ということです。


ーーその言葉、格好いいですね!


YUUTO:そのコメントは、以前僕が考えたんですけどね(笑)。


KAZ:僕が考えて、言ったことにしておいてください(笑)。


ーーそれと今の男性グループと言うと、ダンス&ボーカルが多いのですが、みなさんは、あくまでもボーカルグループというスタイルにこだわっている。


KAZ:ダンス&ボーカルのグループはたくさんいて、みなさんハイレベルなところでしのぎを削っていますよね。そうやってすでにできあがっているシーンに、ダンス経験の少ない僕らが今から食い込んでいくのは、至難の業だと思うのが正直なところです。それよりも、まだシーンとして確立されていない、全員がメインで歌えるボーカルグループとしてやっていくほうが、僕らのことを知っていただけるチャンスが増えると思いました。


 それに、そもそも僕らはみんな歌が上手いアーティストに憧れてこの世界に足を踏み入れたので、やっぱり“歌”が第一にあります。僕ら自身がそんなアーティストになって、僕らを見て歌手を志す人が増えていけば、それがやがて大きなシーンになっていくと思うし。ゆくゆくは僕らを中心にして、ボーカルグループのムーブメントが起こせたらいいなと思っています。


TAKUYA:だからと言って、“コーラスグループ”とも違うんですよね。コーラスグループって、バラードで聴かせるイメージがあると思うんです。僕らももちろんバラードで聴かせたいけど、基本的には会場のみなさんを巻き込んでそこにいる全員でライブを作って行くことを信条としているので。


KAZ:ダンス&ボーカルグループにも負けないポップさとか、みんなで楽しめる音楽を表現しながら、歌詞の面ではSonar PocketさんやFUNKY MONKEY BABYさんのような熱いメッセージが伝えられて、尚且つバラードを歌ったらコーラスワークでも聴かせるというのが理想です。踊らなくても、歌だけでいろんな層に刺されるように、それぞれのいいところを全部持っていたいと思います。ダンスしていないから物足りないなんてことは、決して言わせません。踊りながら歌う以上の説得力があると、自負しています。


■「全員何か通じ合うものを感じていた」(TAKUYA)


ーーみなさんはオーディションを経て結成されたわけですが、その時からお互いのことを意識していましたか?


TAKUYA:2016年の9月からオーディションが始まって、最初はそれぞれで動画をアップして投票してもらう審査で進んでいました。だから実際に僕らが初めて顔を合わせたのは、三次選考の時だったよね?


JUNPEI:僕とRIOSKEは、前に参加したオーディションからの顔見知りだったので、一緒に受かったらいいなとは思っていましたね。でも、その前に自分が受からないと始まらない。だから、誰かをライバル視するとか意識するというよりも、自分自身と戦っていた感覚です。


RIOSKE:僕も自分のことに必死になっている上で、JUNPEIとは一緒に受かりたいと思っていましたよ。2回も同じオーディションで会うなんてびっくりしたし、ちょっと運命的なものを感じていました。


YUUTO:僕は昔から緊張するタイプで、人前に出るのが苦手だったんです。だから、オーディションを受けたのは自分の意志でしたけど、「早く帰りたい」と思って、端っこで一人でいて、周りのことはまったく見てなかったです(笑)。


KAZ:YUUTOはそんな感じだったから、最初はちょっと怖かった。JUNPEIも威圧感があったし。RIOSKEは3歳下なのにいきなりタメ語で、ちょっと生意気なのかな?と思ってました(笑)。でも実際のRIOSKEは、5人のなかでいちばん謙虚だし、やさしいし、意外と上下関係がしっかりしてるやつだと分かりました。


ーー“この5人になるかも”とか、この人は受かりそうだとか予感はあった?


JUNPEI:最終審査の時に、いろんな組み合わせで5人組を作って、順に歌っていく審査があって。2組目にこの5人に当たったんですけど、その時はちょっと「キタかも!」って思いました。


TAKUYA:他の5人で歌った時は、サビを主旋律と上ハモと下ハモというハモリで分けて歌ったんですけど、この5人の時は“サビはユニゾンでいこう”とすぐ決まったんです。だから、実はその時に今みたいに5人でユニゾンを歌うスタイルの土台ができていた。きっと、全員何か通じ合うものを感じていたと思います。


KAZ:思えば、2017年の1月25日に6つ目の声が生まれたんだね!


YUUTO:だからそれは、俺が考えたんだって!(笑)。


ーーライブではカバーも披露していましたけど、その選曲がそれぞれのルーツに繋がっていたりするんでしょうか。JUNPEIさんは清水翔太さんを歌っていましたね。


JUNPEI:そうですね。僕は、サッカーをやるために親元を離れて島根の高校に行ったんですけど、そのころに清水翔太さんの「HOME」という曲を聴いたんです。歌詞には<今さら帰れない>というフレーズがあって、その時の自分の心情と重なってすごく感動しました。それで歌手になりたいと思って、歌詞とは逆ですけど、すぐ地元に帰って歌手になるための活動を始めました。


ーーどんな活動をしたんですか?


JUNPEI:高校2年生の時から、学校に通いながらバイトをして音楽学校に通うお金を自分で貯めて、それで18歳になって音楽学校に通い始めました。だから清水翔太さんは、僕に音楽という夢を与えてくださった方です。


ーーKAZさんのルーツは?


KAZ:僕のルーツも、清水翔太さんです。歌手を目指して長崎から上京したのが14歳で、JUNPEIの話じゃないけど、僕も「HOME」の歌詞が響いてすごく感動して。当時はまだ少なかった、R&Bの洋楽っぽいニュアンスで歌っているのがすごく格好良かったし。それ以降、翔太さんがルーツとしているダニー・ハサウェイやスティービー・ワンダーなどの音楽を遡って勉強して。翔太さんがNYのアポロシアターで歌っていたことを知り、僕も19歳から20歳にかけてNYに留学しました。NYでは、スティービー・ワンダーのバックコーラスをやっていた方から指導を受けたり、ベン・E・キングのバックコーラスをやっていた方、アッシャーのボイストレーナーの方など、いろんな方から歌を教わって今にいたっています。


ーーライブではオリジナル曲を披露していましたけど。


KAZ:高校生のころから曲作りをするようになって。ライブで披露したのは「ONE DAY」という曲で、NY留学から帰ったころに作った1曲です。


ーーTAKUYAさんは、ライブではJUNPEIさんと清水翔太さんをデュエットで歌っていましたよね?


TAKUYA:もちろん、KAZくんやJUNPEIくんと同じように、翔太さんも好きです。あとは、ルーツと言うとEXILEのATSUSHIさんとBoyz II Menです。中学生になったころにEXILEさんの「道」がすごく流行っていて、その曲がきっかけで、ATSUSHIさんのことを大好きになって。それでATSUSHIさんがESP学園音楽専門学校の出身だと知り、僕もESPに行こうと中2の時に決めました。ESPでしっかり歌を学んでいるなかで、ATSUSHIさんのライブにBoyz II Menが出ているのを見て、「Boyz II Menはすごい!」と思って聴くようになって。だから、きっかけはATSUSHIさんで、Boyz II Menで歌への気持ちがより高まった感じです。


ーーYUUTOさんは、沢田知可子の「会いたい」をカバーしていましたが、ルーツは歌謡曲ですか?


YUUTO:ルーツとは少し違うかもしれませんが、歌謡曲も好きですね。「会いたい」は、昔バイトしていたバーのカラオケで得意だった曲です(笑)。そのお店のお客さんは年齢層が高くて、昭和の歌謡曲のウケが良かったので練習した曲でした。でもそのバーで歌謡曲を歌っているうちに、日本語の歌詞の魅力を再発見することができたという部分では、すごくいい経験になりました。


ーーRIOSKEさんは、ライブでMaroon 5を歌っていましたが、やっぱりルーツは洋楽ですか?


RIOSKE:期待を裏切って申し訳ないんですけど(笑)、僕のルーツはYUIさんです。小学5~6年生の時に、友だちからアニメ『BLEACH』の主題歌だったYUIさんの「Rolling star」を薦められて。歌声を聴いて感動して、そこからすごく好きになり、自分でも歌いたいと思うようになりました。その後ビヨンセを聴いて、歌い回しのすごさに感銘を受け、そこから洋楽にも興味を持つようになって。あとはアメリカのオーディション番組の『アメリカン・アイドル』の影響もあります。出場者はみんな素人ですけど、ありえないぐらいモンスター級に上手くて、いろんな歌い方やフェイクを知るには、もってこいの番組だったんです。『アメリカン・アイドル』で、自分の引き出しが増えていった感じです。


ーーそれぞれのルーツや歌が好きになるきっかけになったアーティストはバラバラですが、歌という根本の部分で繋がることができた5人なんですね。


KAZ:バラバラだけどお互いの好きな曲を薦め合って、その曲をみんなが好きになることもありますし、1人がハマると全員が自然と聴き始めます。だからそれぞれのルーツも、みんなで共有して5人のルーツになっていますね。


■「人の人生を支えられる曲を作りたい」(KAZ)


ーーそしてメジャーデビュー作『CANVAS』ですが、カラクリのファンの呼称が“キャンバス”で、ファンに向けた感謝の気持ちなどが感じられる曲だと思いました。作詞には、KAZさんも参加していますね。


KAZ:僕らは昨年7月から活動をスタートし、8月に2枚のシングルを出していて。インディーズの時は、どちらかと言うと歌詞はフィクションを歌っていたのですが、先ほども話に出したSonar Pocketさんのライブは、観ると元気をもらえるし自分に歌ってくれているんじゃないかと思うほど、勇気をもらえる歌詞が多くて。僕らも聴く人の人生を支えられる曲を作りたいと思って作ったのが「CANVAS」です。


 僕らとしては、今まで夢を追いかけてきて、上手くいかない時期もあったけど、メンバーや事務所のスタッフさんと出会って、いろんな人の支えによって、それまでモノクロだった僕らの人生に彩りが生まれていった。そこにはもちろんファンの人も含まれているわけで。こんな僕らと出会ってくれてありがとうという感謝の気持ちと、これから必ずもっと大きなステージにつれていくよという誓いや決意も込めています。


ーーそれぞれ、どんな気持ちで歌っていますか?


TAKUYA:インディーズからメジャーになるきっかけを与えてくれた、以前から応援してくれている方には、ここまでついてきてくれた感謝を込めて等身大の気持ちで歌っています。それと同時に、この曲で初めて僕らのことを知ってくれる方にも、それぞれの人生を応援できる曲になってくれたら嬉しいです。新しく好きになってくれる人がもっと増えて、その人たちの前で歌うことで、初めて「CANVAS」は完成するのかなって思いますね。


JUNPEI:この曲には、もっと大きなステージへみんなを連れて行きたいという誓いと決意も込めているのですが、いろんな捉え方ができる曲になっていて。自分自身への応援歌として聴いてもいいし、聴いた人それぞれにとっての、大切な曲になったらうれしいですね。


YUUTO:いちばんはファンへの感謝の気持ち、ここからメジャーデビューというスタート地点に立って、ここからガンガン自分たちのシーンを作って行くという強い決意。リリースイベントで、「CANVAS」を歌っている時に泣いてくれているお客さんがいて、僕らの想いが伝わったんだなと思って僕らも感動しました。これからもこの初心を忘れずに、大事に歌っていきたい曲です。


RIOSKE:僕自身にとっては、いろんな人に助けてもらってここまできたことの幸せを、再確認させてくれる曲です。日によって家族のことを思い出したり、ファンのことを想像したり、僕自身いろんな大切な人の存在を感じながら歌っています。みなさんもきっといろいろなことを思って、自分はなんて幸せなんだと思い出してもらえると思います。


ーーでは最後に、カラクリとしての目標は何ですか?


KAZ:僕たちが、ボーカルグループのシーンを作っていきたいです。その過程で、日本武道館やアリーナなど、大きな会場を埋められるアーティストになっていけたらうれしいです。そのためも、まずは「CANVAS」をたくさんの人に届けたいです!(取材・文=榑林史章)