5月19日~20日に茨城県・筑波サーキットで開催された2018テイスト・オブ・ツクバ(T.O.T)。このレースに、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスや鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦するTeam KAGAYAMA(チームカガヤマ)の加賀山就臣が初参戦し、優勝を飾った。
T.O.Tは、1980年代のバイクを中心としたビンテージレースだ。2007年からスタートしたこのイベントは今年で11年目を迎え、エントリー台数やイベントに出展するショップも年々増えているという。
加賀山は、2年前に初めてT.O.Tを訪れた際に“旧車で、こんなスピードで走っているなんて驚いた。自分も走ってみたい”と思ったようだが、全日本ロードや鈴鹿8耐に参戦するチームにはその余力はなかったという。
そこでチームは、メインの仕事の合間を縫って出場するマシン、スズキ刀1000Rを設計、製作。今年の3月にシェイクダウンした。マシンのデザインに関しては、SNSを通じて刀会などのオーナーズクラブにも相談して作られているという。ちなみにマシンのシェイクダウン後は、筑波で2度テストを行っただけでレースウイークを迎えたようだ。
T.O.Tのクラス数は12種あり、加賀山は、特別規定が少なく、鉄フレームでT.O.Tらしいフォルムであるというクラス、D.O.B.A.R. HERCULES(デイズ・オブ・バイク・アンド・ローゼス・ハーキュリーズ)に参戦。このクラスにはスーパースポーツ世界選手権(WSS)に参戦した経験を持つ國川浩道も出場した。
ハーキュリーズクラスの予選と決勝は5月20日に開催。午前中に行われた予選でポールポジションを獲得したのは國川、加賀山は2番手で終えた。午後から行われた決勝レース。2番手スタートの加賀山は序盤で出遅れ6番手に後退するが、2周目には2台を交わして4番手に浮上し、トップグループに加わる。中盤に入ると2番手に浮上し、トップを走る國川と激しいバトルを展開した。
レースが残り2周を切ったところで國川が突如スローダウン。これで加賀山がトップに立ち、その後ろを走っていた新庄雅浩が2番手に浮上した。最終ラップには第2ヘアピンで新庄がブレーキングで加賀山に勝負をしかけるが、加賀山はクロスラインを取ってトップを守り、そのままチェッカー。初参戦のT.O.Tで初優勝を飾った。
T.O.Tに初参戦した加賀山は「まずは、T.O.Tに関わる、すべての皆さんに感謝したいですね」とコメントし、イベントを振り返った。
「魅力あるイベントに僕たちも参加できて光栄でした。マシンを製作してくれた、うちのメカニックもあらためて、いい才能を持っていることを再確認させてもらいました」
「“魅力ある刀は?”などSNSを通じ相談していた方も応援に駆けつけてくれて、すごくうれしかったですね。次回も、もちろん参加させていただこうと思っていますので、よろしくお願いいたします」