5月17~20日に行われたWRC世界ラリー選手権第6戦ポルトガルでクラッシュにより大会リタイアを余儀なくされたセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)はペースノートに不備があったことがクラッシュの要因だと語った。
2017年にWRC5連覇を達成し、今季もシリーズ6連覇へ向けてランキング首位でポルトガルへ乗り込んだオジエ。しかし、競技2日目のSS5、26.73kmあるステージの17km付近で、オジエは左コーナーでオーバーシュートして、コース脇の木に激突しサスペンションを破損して大会リタイアを余儀なくされた。
クラッシュした理由について、オジエは「ドライビングエラーではなく、ペースノートに不備があった」とWRC公式サイト『WRC.com』にコメントしている。
「コーナー内側のバンクに(ペースノートに記述のない)木の根っこが隠れていたんだ。あと数センチ、ライン取りが違っていればトラブルなくクリアできただろうけど、残念ながらサスペンションを壊してしまった」
「たった2~3センチ、ライン取りが違うことで明暗が分かれた。とにかく、クラッシュしたあと、僕たちにはいっさい為す術がなかった。応急処置すらできなかったんだ」
「仮に(ラリー2規定で)翌日以降に出走していても(ボーナスポイントが獲得できる)パワーステージではポイントを獲れなかっただろうけどね」
「パッケージ全体として勝てるポテンシャルがあると分かっている時、こういった形で勝負権を失うのはイライラするね。フィエスタWRCと僕たちの組み合わせならラリー・ポルトガルで優勝できたはずなんだ」
クラッシュにより、オジエが2017年の第9戦フィンランド以来となるノーポイントに終わった一方、ランキングで10点差につけていたティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)は優勝してポイントを加算したため、オジエはランキング首位の座から陥落。19点差の2番手に後退している。
追われる立場から追う立場となったオジエは、すでに6月7~10日に行われる第7戦イタリアへ焦点を合わせている。
「まずはしっかり寝て、そのあと家に帰ってラリーとは一度“関係を断つ”つもりだ」とオジエ。
「2週間後、ラリー・イタリア・サルディニアで、ふたたび強くなった姿を披露したい」