トップへ

三浦翔平主演『会社は学校じゃねぇんだよ』がアツい! 超現代的なドラマの根幹にある熱量の高さ

2018年05月24日 13:01  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 毎話決め台詞として「会社は学校じゃねぇんだよ!」と力強く啖呵を切る主人公。ここ数年またしても訪れている“起業ブーム”の中で、六本木ではなく渋谷の街を舞台に時代を変えようと奔走する若者たちの青春群像を描き出したAbemaTVオリジナルドラマ『会社は学校じゃねぇんだよ』が、想像以上にアツい。


参考:天馬の態度は打算なのか? 『花のち晴れ』中川大志&平野紫耀の鉄板バトルに没入してしまう理由


 物語は渋谷の街を闊歩する“ギャル男”の鉄平(三浦翔平)が、ベンチャー企業の社長・沢辺(豊原功補)が書いた書籍を目にするところから始まる。大学生にして起業家でもあった鉄平は、友人と立ち上げた会社を離れ、そのベンチャー企業に入社。しかし1年ほどで現実を目の当たりにした彼は、自らインフルエンサー事業を行う会社を立ち上げることを決意する。


 ベンチャー企業で共に新規事業企画を練りあった火高(早乙女太一)と翔太(松岡広大)とともに起業した鉄平だったが、出資者を探すという第一関門でまたしても沢辺からの妨害を受け、またインフルエンサーを集める過程ではかつての友人とも衝突。敵が増えていくのに比例して増えていく仲間たちとアイデアを振り絞り、幾多の壁を乗り越えながら会社を軌道に乗せていくのだ。


 そもそも“インフルエンサー事業”というのは、まだそれほど馴染みの深いものではないだろう。インターネットを中心にして地球が回っている昨今、小学生が将来なりたい職業として挙げるようになったYouTuberをはじめ、InstagramやTwitterで多くのフォロワーを持つ、影響力の高い情報発信者“インフルエンサー”を活用して企業のPRやマーケティングを行う。ここ数年で最も注目が集まっている業種なのだ。


 もちろん、その具体的なビジネスモデルを細かく把握しておかなくても、「会社を大きくする」というひとつの目標に向けて奔走する主人公と、それを支える仲間たちとのドラマは実に魅力的に見える。欲のない“さとり世代”と呼ばれる年代の若者たちを主人公に、現代的な題材を取り上げた、超現代的なドラマなのかと思わせておいて、その根幹にあるのは「伝説を作る」「21世紀を代表する会社を作る」というイタい目標に向かって、本気で突っ走っていく熱量の高さ。


 そしてドラマに花を添えるように、友情と恋愛感情と仕事への想いが交錯する三角関係であったり、若い会社の勢いを食おうとする大人たちやライバルの存在。そんなオールドファッションな青春ドラマ的要素が満載の中に、エネルギッシュで目の覚めるような台詞の数々が炸裂する。これには現実的な現代の若者たちでさえも、奮い立たせられてしまうことだろう。


 前半の第1話から第4話までの見逃しを含めた総視聴数は500万を突破し、5月19日に放送された第5話で後半戦へと突入した本作。プレゼンでライバル企業から勝利を勝ち取り、勢いに乗りはじめてから2年後を舞台に、この後半戦では鉄平率いる“サイファークリエイション”が、上場を目指してさらに突っ走っていく様が描かれる。事業拡大のために新たに立ち上げる画期的な“ビットラブ(仮想恋愛)”事業と、持ちかけられるインフルエンサー事業買収の提案。強い絆で結び付けられた主人公たちが大きすぎる壁をどうやって乗り越えていくか。夢を現実へ手繰り寄せて行く彼らの姿は、ドラマの中にとどまらず、時代を変えていくかもしれない。(久保田和馬)