伝統の一戦、モナコGPは、金曜日に安息日が設けられているので、1日早い木曜日にスタートする。そのため、通常木曜日に開かれているFIA会見は水曜日に行われた。
今年のモナコGP水曜会見の出席者は、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、ロマン・グロージャン(ハース)、シャルル・ルクレール(ザウバー)の4人。
会見では、2018年に廃止されたグリッドガールがモナコGPで復活することについて意見が求められた。
まずグロージャンは「実際、スタート前はとても忙しくて、そんなに気にしていないんだ。ただ、21世紀に女性がボードを持って、ただ立っているというのはどうかと思っていたから、廃止したことは基本的にいいことだと思っている。でも、モナコは特別なグランプリだからね」と、やや玉虫色の発言。
ハミルトンも「(グリッドガールが復活することがいいことか悪いことかは)僕にはわからない」と少し回答に困った表情ながらも、次のように自論を述べた。
「ただ女性というのはこの世で最も美しい存在だということは間違いない。そして、モナコがとてもエレガントなグランプリだということ。世の中の女性たちがグリッドガールについてどう思っているのかは僕はわからないから、僕はコメントできないし、実際僕は特に意見はない。でも、もしグリッドガールが存在していることで、女性たちを不快にさせてしまうなら、継続すべきではないだろうね」
ベッテルは、もう少し踏み込んで自論を展開した。
「この問題は、ちょっと騒ぎすぎだと思うんだ。だって、これまでグリッドガールたちが強制されてやっていたわけじゃないかにね。ルイスが言うように、僕も女性たちは美しい存在だと思う。そして、グリッドボーイには、僕は関心はない」
それを横で聞いていたモナコ出身のルクレールは、少し複雑な心境でこう述べた。
「僕はガールフレンドがいるから、この件に関してはあまりしゃべらないほうがいいかな。それと今週末は、これまでのようにグリッドキッズも招かれていて、僕のいとこが来るんだ。僕が言えることは、グリッドキッズとグリッドガールがともに参加する今回のアイディアが素晴らしいということかな」
その後、ベッテルに「ハミルトンがメルセデスと来年の契約をまだ結んでいませんが、もし彼がチームメイトなるとしたら、あなたは歓迎しますか?」という質問が飛ぶ。
ベッテルは「それは僕に聞くことじゃないよ」と答えると、隣にいたハミルトンは「彼(ベッテル)には拒否権があるから、それ(ハミルトンのフェラーリ入り)はないな」と返す。
すると、ベッテルは「そんなことないよ。本当に僕はチームメイトがだれかなんて気にしていない。もちろん、キミ(・ライコネン)との関係には満足しているけどね」とフォローを入れるも、ハミルトンの攻撃は止まらない。
「僕たちの関係は以前よりもずっと良くなっていると思うんだけどなあ」
もちろん、これはハミルトン流のジョークなのだが、昨年のアゼルバイジャンGPの追突で亀裂が入った2人。その関係が、約1年経過して、かなり良くなっていることをうかがわせる会見だった。