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人気を二分する平野紫耀と中川大志 『花のち晴れ』音が選ぶ相手はセオリー通りとは限らない?

2018年05月24日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 現在第6話を終えたドラマ『花のち晴れ』(TBS系)。雑誌『ViVi』(講談社)の名物企画「ViVi国宝級イケメンランキング2018」にもランクインを果たした旬のイケメン俳優、平野紫耀と中川大志の2人がライバル校に在籍するセレブ高校生に扮し、ヒロインの江戸川音(杉咲花)をめぐって火花を散らしている。


参考:天馬の態度は打算なのか? 『花のち晴れ』中川大志&平野紫耀の鉄板バトルに没入してしまう理由


 馳天馬(中川大志)と音は婚約しているが、それはあくまで母親同士が決めたことであり、2人は遠慮がちに一定の距離を保ちながら月1回のデートをくり返してきた。しかし、神楽木晴(平野紫耀)の登場が刺激となってその関係性に変化が生まれ、第5話のラストでとうとう音が天馬に告白、天馬はそれを受け入れ、2人は正式に付き合い始めた。


 それでも音を諦められない晴は天馬に果敢に挑み、音の気を引こうとする。平野と中川は回を重ねるごとにそれぞれの役がなじみ、さらに熱量も増し、ときにシリアスに、ときにコミカルに、複雑な心の機微を表現しつつ魅力的なキャラクターを作り上げている。メンタルもケンカも弱いヘタレ男子の神楽木晴と、絵に描いたような完璧な王子様の馳天馬。『花より男子』でも視聴者は道明寺司派と花沢類派に分かれていたが、『花のち晴れ』もSNSなどを見る限り、晴と天馬が人気を二分しているようだ。


 3月21日に放送された『CDTVスペシャル!卒業ソング音楽祭2018』でKing & Princeがドラマの主題歌の『シンデレラガール』をテレビで初披露した際に、杉咲花とともにドラマの衣装の制服で出演した中川。歌唱後にコメントを求められ、「King & Princeの歴史が始まる瞬間を見れて感動しちゃいました」と感慨深げに答えていたが、このときの振る舞いも、周囲への気配りを欠かさず心優しい王子様の天馬くんそのものだった。平野はバラエティ番組などへの出演機会も増え、King & Princeファン以外にも天然キャラが認知され始め、劇中で音の心からの笑顔を引き出しているように、共演者たちの爆笑をさらって存在感を示している。平野も晴と重なる部分が多く、ドラマの外でも『花のち晴れ』を意識させ、楽しませてくれている。


 これまで音に散々いやがらせをしてきた愛莉(今田美桜)は、晴への長い片想いに終止符を打ち、いまでは音の家にやってくるまでの仲になっている(家に上がるときにちゃんと靴を脱ぐという成長も見せた)。戦線離脱した愛莉に代わって参戦してきた人気モデルのメグリン(飯豊まりえ)は、晴が音を好きなのを知りながらも自分に振り向かせようと痛ましいほど必死にアプローチしている。


 対して音はというと、自分の気持ちに常に正直で一途な彼女たちと違い、2人の男の間で揺れまくっている。自分から告白して天馬と付き合い始めたにも関わらず、頭の中は晴のことでいっぱいで、この優柔不断さが天馬や晴を振りまわし、傷つけている。テンポのよい丁々発止や『君の名は。』を彷彿とさせる演出で音と晴の相性のよさをほのめかす一方で、天馬と付き合い始めたことを穏やかな顔で周囲に報告した音。そんな音にますますモヤモヤ、イライラが募った第6話だったが、最後に音はわざわざ晴の家に赴き、「あなたは、私のことが好きなんですか?」と問うて晴に本心を吐露させたあげくに振る、という強力な悪女ぶりを見せつけた。


 原作コミックの最新刊である9巻が先月発売された。このところ書店で品薄状態が続いているのは、女性視聴者を中心に今後の展開が注目されている証拠だろう。コミックでは新たなキャラクターの登場や事件の勃発で、音、晴、天馬の関係もさらに形を変えているが、現在中盤に差し掛かったドラマがどこまで原作を追うのか。


 『タッチ』の達也と和也、『ドラえもん』ののび太と出来杉くん……、三角関係でヒロインが選ぶ相手はいつもセオリー通りとは限らないのか? 音に振られて大粒の涙を流した晴。そのバックで流れる宇多田ヒカルの「初恋」がさらに切なさを煽り、晴にとって音との出会いがいかに大きなものだったかを物語った。高校卒業後に天馬と結婚する予定になっている音は、いまのところ晴を忘れて天馬と向き合っていくと決めているようではある。いずれにしても誰かの恋が叶わないのは確かで、これからますます切ないシーンが増えていきそうだ。(古閑万希子)