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F1 Topic:モナコで初投入のハイパーソフトは「ほかのコンパウンドとはまったく異なる」

2018年05月23日 12:21  AUTOSPORT web

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2017年F1モナコGPではセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が優勝している
今週末に開催されるモナコGPに、いよいよまったく新しいコンパウンドが登場する。ピレリはスーパーソフト、ウルトラソフトとともに今シーズンから新たにラインアップに加えたハイパーソフトを投入したからだ。 

 今シーズンのピレリのコンパウンドは、昨年よりも1ステップずつ軟らかくなっている。今年のスーパーソフトは昨年のウルトラソフトであり、今年のウルトラソフトは昨年のウルトラソフトよりも軟らかいゴムが使用されている。つまり、ハイパーソフトはゴムの軟らかさでいえば、昨年最も軟らかかったウルトラソフトよりも2ステップ軟らかいタイヤなのである。

 これにより、今年のモナコGPの予選は、昨年から大幅にタイムアップすることが予想される。

 ピレリのマリオ・イゾラ(ヘッド・オブ・カーレーシング)も次のように語る。
「ハイパーソフトのグリップは非常に高いので、モナコGPの予選がエキサイティングなものになるだろう」

 だが、某チームのエンジニアは「ハイパーソフトはグリップ力以外の部分でも興味深いパフォーマンスを見せるだろう」と語る。

「ハイパーソフトのキャラクターは、ほかのコンパウンドとはまったく異なる。ハイパーソフトに合わせて、各チームがどのようにセットアップするのか? モナコGPではとても面白いレースが見られるかもしれないよ」(某チームのエンジニア)

 そのことは、スペインGPでイゾラも認めていた。
「ハイパーソフトはグリップ力が高いものの、デグラデーションはそれほど大きくはない。しかも、モナコの路面は毎年グランプリに合わせて舗装し直しているので、非常にスムーズでタイヤへのストレスも小さいから、必ずしも予選専用タイヤというわけではない」

 そのことは、各チームがモナコGPに選んだ各コンパウンドのセット数を見ればわかる。タイヤは週末に13セット使用できるが、そのうち9セット以上を全チームがノミネートしている。レッドブル、ウイリアムズ、ルノーに至っては11セットがハイパーソフトとなっている。

 2週間前のスペインGPでは、トレッド面が薄いタイヤが投入され、これまでタイヤの使い方で苦戦していたメルセデスが復調。逆にフェラーリが失速した。予選直後はピレリがトレッド面が薄いタイヤを投入したことを暗に批判していたセバスチャン・ベッテルだったが、その後、フェラーリがそのタイヤにうまくマシンを合わせることができなかったと反省の弁を述べている。

 今年は、ハイパーソフトを制する者が、モナコGPを制するといっても過言ではない。メルセデスか、あるいはフェラーリか、はたまたレッドブルか――ピンク色のタイヤに注目だ。