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現代のキャラクターや石庭を作品に、ダニエル・アーシャムによる個展が都内2ヶ所で同時開催

2018年05月22日 23:03  Fashionsnap.com

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ダニエル・アーシャム Image by: FASHIONSNAP
アメリカ人アーティスト ダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)の新作個展が渋谷のギャラリー ナンヅカ(NANZUKA)と六本木のギャラリー ペロタン東京で同時開催される。会期は5月23日から6月30日までで、関係者向けに本人による作品解説ツアーが行われた。

 ニューヨークを拠点に活動するアーシャムは「Fictional Archeology(フィクションとしての考古学)」をコンセプトに、立体作品やペインティング、インスタレーション、パフォーマンスなど様々なジャンルの作品を制作するアーティスト。色覚異常を持っているが、2015年からは色覚補正メガネ「エンクロマ」を着用し、色を用いた作品を発表している。
 ペロタン東京では初めての個展となる今回は「カラー・シャドウ」と題し、鋳造技術を使った彫刻作品を公開。2部屋あるうち一方の部屋では未来の考古学者になったと仮定し、現代を象徴するキャラクターのワッペンを拡大し引用したものや、アーシャム自身が10代のころに使用していたリュックサックなどをモチーフにした作品を揃え、キアロスクーロ(陰影法)により光源を感じさせるグラデーションが特徴的な作品群に仕上げている。もう一方の部屋では、日本人にゆかりのある日本庭園の石庭から着想した作品などを展示。相反する要素を備え持つものに興味を惹かれるというアーシャムは、手入れの際に一時的に変わるが、半永久的に同じ形を作る変わらないものとして石庭に注目し、作品にしたと話す。
 2度目の個展開催となるNANZUKAでは「アーキテクチャー・アノマリーズ」を開催。過去に建築の勉強をしていたアーシャムは"建築上普通ではありえないこと"として、身体が出てきているような壁、壁と同化した布、身体性を連想させるだけの布など、会場を活用した作品を披露する。
 アーシャムが掲げるコンセプト「Fictional Archeology(フィクションとしての考古学)」には「作品を見た人が違う時間軸にいるような感覚を作りたい」という思いを込めており、制作したオブジェクトが未来や過去から来たものだと見えるように意識しているという。アーシャムは同展を通して「今まで見ていたものとは異なる形の作品を見ることで、新しい考え方があるということを啓発したい」とコメントしている。
■カラー・シャドウ場所:ペロタン東京住所:東京都港区六本木6丁目6-9
■アーキテクチャー・アノマリーズ場所:NANZUKA住所:東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB2F