今週末開催されるF1第6戦モナコGPに向けてホンダF1テクニカルディレクターの田辺豊治氏は、予選のセッティングにフォーカスし、インシーズンテストで得たPU最適化のためのいくつかのアイデアを試したいと語った。
前戦のスペインGPではピエール・ガスリーが好調な速さを発揮したものの、決勝でロマン・グロージャンのスピンに巻き込まれ1周も走れずにリタイア。チームメイトのブレンドン・ハートレーは、FP3でクラッシュを喫したため予選は不参加となり決勝は最後尾からスタートし12位でフィニッシュでしている。
「伝統のモナコグランプリは、狭い公道を走るレースはもちろん、サーキット外の華やかな雰囲気やさまざまなイベントも含め、年間のカレンダーの中ではスペシャルかつユニークなレースの一つです」と田辺TDは語った。
「モナコ市街地に設定されたコースには多くの低速コーナーがあり、車体性能とともに、そこでのPUのドライバビリティーがラップタイムに大きな影響を与えます」
「そのため、普段はあまり使用しないような低回転域でのPUセッティングがキーになります。また、レースでのオーバーテイクが難しいため、エネルギーマネジメントについては予選で結果を残すことにフォーカスしてセッティングを進めます」
「先週のバルセロナテストでは、PUの各コンポーネント間でのエネルギーバランスの最適化にトライしてきましたが、そこで得たいくつかのアイデアを、ここモナコでも使用できるのではとも考えています。言うまでもなく、今週末に行われるF1モナコGPとインディ500という2つのイベントは、それぞれ世界で最も有名なレースのひとつです。そして当然、今年の私はF1に集中しなければなりません」