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MotoGP:マルケスだけがリヤに選んだハードタイヤ。「レースへのアプローチがほかと違っていた」

2018年05月21日 21:52  AUTOSPORT web

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シーズン3勝目を挙げたマルケス。このまま独走となるのか
マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がル・マン、ブガッティ・サーキットでシーズン3勝目を挙げた。この優勝により、マルケスはポイントリーダーとしてランキング2位以下との差を30ポイント以上に広げている。このままマルケスは連勝を伸ばすことになるのだろうか。

 MotoGP第5戦フランスGPは、ウイークをとおして転倒が相次いだ。それは決勝レースでも同様だ。そのなかでマルケスは、タイヤ選択とペースをマネジメントすることでレースを組み立てた。

 2番グリッドスタートだったマルケスが選択したタイヤは、フロントがミディアムでリヤがハード。リヤにハードを選択したのは、24人のライダーのなかでもマルケスだけだった。マルケスはその理由をこう説明する。

「僕のレースへのアプローチは、少し違っていたんだ。タイヤが適正な温度になるまで少しばかり時間がかかるとわかっていたからね。でもウオームアップ中に、タイヤがしかるべき温度になれば、一定にいいリズムをキープできることを確認したんだ」

 マルケスは2番グリッドからスタートし、オープニングラップで5番手にまでポジションを落とす。そこからじりじりと順位を上げていくのだが、序盤の後退の理由はタイヤの準備ができていない状況のほかにもあった。

「正直なところ、レース序盤は少し厳しかったよ。2コーナーで(ヨハン・)ザルコが僕に当たって、少しワイドになってしまった。それから(アンドレア・)イアンノーネがクラッシュしたときには、危うく僕に当たるところだった。それでさらにポジションを落としてしまったんだ」

「だから、僕はしばらく冷静になることに決めた。それから、ドヴィ(アンドレア・ドヴィツィオーゾ)とヨハンが(転倒して)リタイアしたときにもう一度、少しだけレースへのアプローチを変えた。フリー走行3で転倒した3コーナーでは危うい瞬間があり、できるだけ注意深く走ったよ。そういうことが僕を転倒から救ったんじゃないかな」

 マルケスは10周目に、それまでレースをリードしていたホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ・チーム)を交わすと、2番手のダニロ・ペトルッチ(アルマ・プラマック・レーシング)に対し2秒以上の差をつけて3連勝を飾った。

「今僕は、自分のマシンと一緒にとても“甘い”時間を経験しているんだ」

 現在の自身とホンダRC213Vについて、マルケスはそう表現する。

「こういう気持ちになったときは、うまくいくものだよ。いい走りができるし、マシンもいいパフォーマンスを発揮する。こういう状態になったからといって物事がうまくいくわけじゃないけど、より“自然に”なるんだ。もちろん、シーズンは長くて、すべてのレースが同じようにいくわけじゃない。でも、この勢いをキープし続けていきたいね」

 マルケスはこの優勝により、レジェンドライダー、マイク・ヘイルウッドの最高峰クラス勝利数を上回り、2012年限りでMotoGPを引退したケーシー・ストーナーが持つ勝利数38に並んだ。この勢い、どこまで続くのだろうか。