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「ルパン三世 PART5」水瀬いのり×津田健次郎×島﨑信長 新キャラ声優座談会 原体験や今後の注目ポイントは?

2018年05月21日 21:23  アニメ!アニメ!

アニメ!アニメ!

水瀬いのりさん、津田健次郎さん、島﨑信長さん
2018年春より放送されているTVアニメの中でも、注目を集めているのが『ルパン三世 PART5』だ。本作は『ルパン』テレビシリーズ第5作目にあたる。シリーズごとに作品の世界観が移りゆくことも『ルパン』の魅力だが、今回は「デジタル社会」に焦点を当て、より現実世界と地続き感を持った内容となっている。

その中でも、アミ・エナン、八咫烏五郎、アルベール・ダンドレジーの新キャラクター3人が今後どのように動くかが気になるところだろう。
そこで今回、新キャラを演じる水瀬いのりさん(アミ・エナン役)、津田健次郎さん(アルベール・ダンドレジー役)、島﨑信長さん(八咫烏五郎役)にインタビューを敢行。『ルパン』の原体験や今後の注目ポイントについて伺った。
[取材・構成:タカロク]

『ルパン三世 PART5』
https://lupin-pt5.com/

■横からルパンの声が聞こえてくる現場

――まず『ルパン三世PART5』の出演が決まったときの率直なご感想はどうでしたか?

水瀬いのり(以下、水瀬)
本当にびっくりしました。「あのルパンに出るんだ」と頭では理解していたんですけど、やっぱりどこか信じられないという気持ちがあって…。
実際にアフレコに行ったらテレビで聞いていた声が横から聞こえてくる。もうパニックというか、関われば関わるほど実感がなくなっていく感じがして、本当に不思議でした。

――小さい頃に見ていたお馴染みのキャラクターたちだからこそ、そう思ってしまいますよね。

水瀬
それでもやっぱりすごく嬉しいです。長く愛されている作品に、若手世代の自分が参加できるのはとても光栄なことだなって。自分の世代だからできることを、作品の中でもできたらいいなと思っています。

島﨑信長(以下、島﨑)
実は銭形役の山寺宏一さんとは同郷の仲で、地元が同じ宮城県塩竈市なんです。ちょうど役が決まった頃、チャリティーイベントでご一緒したこともあり、不思議な縁を感じていました。


――部下ということで、さらに運命的なものを感じてしまいますね。

島﨑
そうなんです。誰もが知ってる『ルパン三世』に出演できる喜びはもちろん、それ以上に、あの銭形警部の部下になって、一緒にルパンを追いかけるんだって。あのキャラクターたちと行動を共にするんだ!ってすごくドキドキして……嬉しかったですね。
山寺さんとのご縁も含めて、いろんな思いを抱えながら現場に行ったので水瀬さんと同じようにめちゃくちゃ緊張しました(笑)。

――長年シリーズが作られているからこそ、そこに入る時は緊張してしまいますね。

島﨑
収録現場に行ってみると、皆さんすごく優しいし、とても温かい雰囲気でした。なので適度に緊張感は保ちつつ、リラックスして演じることができました。
これが長く続いている作品の懐の深さなんだろうなって。今は一緒に作品を作ってる仲間になれてるんじゃないかな、なれてたらいいなって思いながら、演じています。

津田健次郎(以下、津田)
『ルパン三世』という歴史ある作品に参加できることは本当に嬉しかったです。今でも良い緊張感でアルベールというキャラクターを演じさせてもらっています。
ただ、出演が決まった段階ではそこまで詳しくアルベールの役柄をうかがってなかったんです。で、いざ聞いてみると「こりゃ大変」って(笑)。
実は、メインビジュアルにこっそり彼がいるんですよ。ルパンのモノクルの中です。


――あ、本当だ!

津田
もう一枚の方のアルベールはパッと見た感じ、ルパンと足の細さも同じだったりして、「ルパンの変装か?」と思ってしまうほどですよね。



■「ルパン三世」は完成された大人たちのチーム

――歴史あるシリーズなので、最初に触れた『ルパン三世』もそれぞれ違うと思います。皆さんの原体験はいかがたか?

水瀬いのり(以下、水瀬)
私は作品ではなく音楽が最初で、運動会の入場曲に使われていたんです。アニメを見ていなくても『ルパン三世』の楽曲ということは分かっていました。
世代的にテレビシリーズには触れてこなかったのですが、金曜ロードショーで『ルパン三世 カリオストロの城』(以下、『カリオストロの城』)を見た記憶があります。なので劇場版やテレビスペシャルの印象が強いですね。

島﨑
僕も『カリオストロの城』です。一番記憶に残ってるのは、あの有名な、銭形があなたの心です」と告げるシーン。それもあって今回、銭形の部下を演じさせていただくことはとても感慨深いです。

津田
僕は小学生の頃、学校から帰ってテレビを付けたら、TVシリーズPART2『ルパン三世』の再放送がよく流れていたんです。その後も映画も見たりしましたが、やっぱりあの赤ジャケットの印象が強いですね。
同世代の浄園祐プロデューサーと、「家帰ってテレビ付けたらやってましたよね~」って同じような話をしました(笑)。

――触れたシリーズよっても変わってくるかと思いますが、ルパンに対してはどんな印象をお持ちでしたか?。

水瀬
ポップな怪盗という印象です。「泥棒」というと悪くて怖いイメージを想像するけれど、ルパンは悪く見えないというか。銭形が追っかけているシーンを見ると「捕まってほしくないな」って。当時子どもだったこともあって、善と悪がよく分からなくなりました(笑)。


島﨑
子どもの時期に触れる作品って、少年の成長物語が多いと思うんですが、『ルパン三世』はプロフェッショナルな大人のチームの物語なんですよね。
ユーモアに溢れつつも、決めるところは決めるカッコよさ。なおかつ無駄を楽しむゆとりもあって、人生を謳歌している。とてもロマンにあふれた、素敵な怪盗です。とくに大人になって見てみると、改めてその良さが分かります。

津田
もう全部言われちゃった感じですね(笑)。ルパンはひょうきんなあんちゃんっていう感じでしょうか。シリアスなシーンではカッコ良いけれど、不二子ちゃんに騙されたり多面的なキャラクターでつかみどころのない良さがありますよね。
しかも追い込まれれば追い込まれるほど明るくなって、カッコいい。でも小学校の時見ていた赤ジャケットのルパンは、割と人間らしさがあって、生っぽかったという印象がありますね。

――「PART2」は他のシリーズに比べると、どこか身近な雰囲気がありますよね。

津田
そうですね。それぞれのシリーズでルパンのイメージも違って、そういう意味でも多面的ですし、余裕のある大人なので……そこが魅力的ですよね。かっこいい大人です。僕よりはるかに年下だと思いますけど(笑)。

■思い出の作品はやっぱり『カリオストロの城』

――続いて、みなさんのお気に入りの作品やキャラクターも教えてください。

水瀬
何度も見たって言うのもあるんですけど、やっぱり『カリオストロの城』ですね。終盤でルパンが時計塔に逃げ込んだ時に、内部のぜんまい仕掛けのところで絶対に助かりそうにない状況でも、 コミカルにかわしていって……おバカっぽいところとシリアスのギャップが魅力的でした。
ルパンはおちゃらけてるイメージだったんですけど、この作品は引き際が大人。そこでイメージがガラリと変わりました。

――となると、水瀬さんは好きなキャラクターはルパンになりますか?

水瀬
うーん……。でも、『カリオストロの城』を見た時、潜入して突然テレビ中継のレポーターをしはじめた不二子ちゃんにもびっくりしたんです。変装スキルもなんですけど、潜入したり戦ったり、時には敵になったり、味方になったりするところも魅力的なんですよね。なので不二子ちゃんも好きです。


――島﨑さんはどうでしょうか?さきほど『カリオストロの城』についても話されていましたが……。

島﨑
『カリオストロの城』の銭形のシーンが印象に残っているので……。銭形は敵ってわけではないし、ストーリーによってはルパンに協力に協力したりする。自分の正義を貫いて素敵だなと思います。
銭形の魅力って、あの最後の台詞に全てつまってるんですよね。改めてすごい台詞だなって思います。

――本当にその通りで、ルパンだけでなく、銭形の人柄やルパンへの信頼感が垣間見える素敵なセリフですよね。

島﨑
でも、子どもの頃は五エ門が好きだったんです。「刀を使って強い」というのは分かりやすいカッコよさ。けど、意外とひょうきんなところもあるんですよね。昔テレビスペシャルの『ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎』で全然斬れない箱があって、五エ門が嘆いてたんですけど、最後にポン、と簡単に開いて「きれたーーー!」と喜んでたんです。

水瀬
かわいい(笑)。

島﨑
ですよね(笑)。具体的にどういう話だったかは、子どもの頃の記憶だったのであいまいですが、そのシーンが今すぐに思い出せたって事は、よほど印象に残ってたんだと思います。
カッコいいシーンももちろんですけど、やっぱおちゃめなところというか、ちょっとカッコ悪かったり情けなかったりするところも含めて五エ門が好きでした。子どもにそう思わせることも、すごい素敵なことだなって思います。


――『カリオストロの城』が続きましたが……津田さんはいかがでしょう?

津田
僕もやっぱり『カリオストロの城』ですかね。やはり見ている回数が多いのもあるんですけど、ルパンがクラリスの元へ行って、お花を出しながら「今はこれが精一杯」というシーン。緊張しているクラリスを、ユーモアでやわらげてあげるところに、「めちゃくちゃカッコいいじゃん!」と思って。すごく素敵なシーンですよね。

――あのシーンは本当にルパンが大人でかっこいいですよね……。

津田
あと、ちょっと話はそれますが、テレビシリーズのアイキャッチが好きです。車に飛び乗ったらハンドルが取れて「あり?」となったり遊びココロにあふれていて。

――となると、津田さんはルパン派でしょうか?

津田
そうですね、僕はルパン推しです。もちろん五エ門、次元、銭形も不二子ちゃんも他のキャラクターも好きだし、魅力的なんですけど……やっぱりルパンですね~。

――ありがとうございます。では最後に今後の注目ポイントをお願いします。

水瀬
『ルパン三世 PART5』は、すごく現代的な世界が舞台で、そういう戦い方もあるんだ!っていう驚きも描かれている作品になっています。
初めて見ていただいても共感する部分があるだろうし、長年愛してくださってる人にとっても新しい『ルパン三世』になるんじゃないかなと。なのでこのシリーズからという人も、歴代のシリーズずっと見ている方も、引き続き楽しんでいただきたいなと思います。

島﨑
僕たちが演じる新キャラクターたちもいますけど、これまでの『ルパン三世』に敬意を持って大切に作られている作品です。
その中でルパンと不二子の関係に切り込んでいったり、ルパン自身の変化を描いたりとか、リスペクトや挑戦もしていて、いろんなユーモアがふんだんに詰め込まれたテレビシリーズになっています。
自分たちも毎週続きが気になる面白いものになっておりますので、ご覧いただければ幸いです。

津田
水瀬さん演じるアミ筆頭に、現代的なネット空間を生かしつつ、オールドな今までのルパンの世界を活かしているのが今回の『ルパン三世』です。
そうした要素がうまくストーリーに織り込められていて、面白いキャラもいっぱい出てきて、ルパン知らない人でも楽しめるようになっています。
もちろん今までのファンの皆さんの期待にも沿えるものになっていると思いますので、ぜひぜひ引き続きご覧いただければと思います。

――ありがとうございました!

三名の演じられるキャラクターの話も気になるところだが、それについては8話放送後にさらなるインタビュー記事を公開予定。引き続き『ルパン三世』を楽しみながら、お待ちください!