R-モータースポートの76号車アストンマーチンV12バンテージGT3 ブランパンGTシリーズ第4戦シルバーストンは5月20日、3時間の決勝レースがイギリス・シルバーストンで行われ、R-モータースポートの76号車アストンマーチンV12バンテージGT3(マシュー・バキシビエール/ジェイク・デニス/ニッキー・ティーム組)がポール・トゥ・ウインで母国優勝を飾った。
前戦の開幕戦モンツァから1カ月のインターバルを置いて行われたブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップ第2戦。今回も総勢50台にのぼるエントリーを集めたイベントの予選では、今シーズンから同シリーズへの参戦を開始したR-モータースポートの76号車アストンマーチンがポールポジションを獲得した。
現地15時にスタートが切られた決勝でも76号車アストンマーチンは、1コーナーで2番手スタートのAKKA ASP、88号車メルセデスAMG GT3との攻防を制すと以後、レースの主導権を握っていく。
僚友の62号車アストンマーチンが3番手、エミール・フレイ・レーシングの14号車レクサスRC F GT3が4番手と続くなか、上位陣はスタートから40分が経過した時点でトップから4番手まで4秒に入る接戦に。
そんななか迎えた1回目のピットストップは2番手につける88号車メルセデス、14号車レクサスが28周終わりでピットイン。トップを走る76号車アストンマーチンもこれに反応して翌周にピットへ戻るが、コース復帰時には88号車メルセデスに先行を許してしまう。
しかし、バキシビエールから代わったデニスは、ライバルにアンダーカットを許した直後から抜群の好ペースをみせ、自身のスティント開始からわずか6分後、スタートから1時間5分後にはトリスタン・ボーティエ駆る88号車メルセデスを交わして、ふたたび首位に返り咲いた。
その後、徐々に後続を引き離しにかかった76号車アストンマーチンは、スタートから2時間を迎える直前には2番手へのギャップを12秒に広げると、アンカーを務めたティームがギャップをコントロールしながら約1時間を走り切ってトップチェッカー。アストンマーチンV12バンテージGT3が2013年以来、5年ぶりにシルバーストンで総合優勝を飾った。
1回目のピットタイミングで一度は首位に立つも、レースペースで敗れた88号車メルセデス(ボーティエ/アダム・クリストドロウ/ラファエル・マルチェロ組)はトップと11秒差の総合2位でフィニッシュ。
総合3位は7番手からスタートし、ステファン・オルテリ、マーカス・パルタラ、ノーベルト・シードラーとつなぎながら、レース中盤に6番手からスタートしたメルセデスAMGチーム・ブラックファルコンの4号車メルセデスAMG GT3と、予選4番手の62号車アストンマーチンをコース上で交わしたエミール・フレイ・レーシングの114号車レクサスRC F GT3が入り、シリーズフル参戦4戦目で初表彰台を獲得した。
総合5位はベルジャン・アウディクラブ・チームWRTの1号車アウディR8 LMS、同6位は62号車アストンマーチンが続いた。予選3番手からスタートしたエミール・フレイ・レーシングの14号車レクサスRC F GT3は、レース中盤からペース不足に陥り最終的に9位でレースを終えている。
また、その他の日本車勢では、2台のニッサンGT-RニスモGT3を走らせるGT SPORT・モチュール・チームRJNの23号車GT-Rがスタート時の47番手から大きく順位を上げ総合16位でチェッカー。僚友でシルバーカップに挑む22号車GT-Rは、34番手グリッドからスタートし順調に順位を上げていたものの、トラックリミット超過のドライブスルーペナルティを受け、総合29位/クラス3位でのフィニッシュとなった。
なお、ポール・トゥ・ウインを飾った76号車アストンマーチンには予選後、ロガーデータに不備が見つかったとして予選失格の裁定が出されていたが、チームがこれに対し抗議を行ない暫定順位のままスタートが切られたため、今戦の予選および決勝リザルトは暫定的なものになっている。
ブランパンGTシリーズ次戦、第5戦は6月1~2日、フランスのポール・リカールでエンデュランスカップ第3戦として開催される。レース時間は通常の2倍の6時間で争われる。