JRC全日本ラリー選手権は5月19~20日、第4戦『Sammy久万高原ラリー』が開催され、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が今季初優勝を飾った。
愛媛県久万高原町を舞台に行われる久万高原ラリー、SSの多くが標高1000m前後の高地に設定されており『天空のバトル』とも呼ばれている。そんな久万高原ラリーは2017年まではターマック(舗装路)ラリーとして開催されていたが、今年はグラベル(未舗装路)ラリーとして開催された。
SSは12本設定され、SS距離は67.82km、総走行距離は196.6km。全51台が四国のラフグラベルに挑んで行った。
デイ1、前日に降った雨の影響で路面はウエット。そんなトリッキーなコンディションでひとり気を吐いたのは新井だ。SS1、2と連続でベストタイムをマークしラリーをリードする。SS3はブレーキトラブルに見舞われ7番手タイムに甘んじるも、サービスでマシンを修復し午後には復調。SS5で再びトップタイムをマークし、初日を首位で終えた。
2番手には奴田原文雄/佐藤忠宜(ミツビシ・ランサーエボリューションX)、3番手には勝田範彦/石田裕一がつける。ポイントリーダーの鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)はSS4でホイールを破損しリタイアしたほか、初日終えた時点で12台がデイリタイアを喫すサバイバルラリーとなる。
デイ2のSSは6本。初日をトップで終えた新井はこの日も好調を維持。SS7、SS8と連続でトップタイムをマークすると、午後のSS11でもベストタイムをマークする。最終的には2位の奴田原に対し22.4秒の差を付け今季初優勝。今シーズン4人目のウイナーとなった。
3位に勝田、4位に柳澤宏至/加勢直毅(スバルWRX STI)がつけている。
新井は「ようやく勝つことができました。優勝はできましたが、今回のラリーで2回もブレーキラインが切れているので、合計14秒くらいロスしています。最終日のレグポイントを獲れなかったのは、今後のことを考えると少しキツいかもしれませんね」と語る。
3位の勝田は「新井選手がブレーキラインのトラブルで遅れたこともあって、レグポイントを獲れたことは大きいです。でも、速さでまだおよばない部分もあり、グラベルでは課題がいっぱいです」とした。
そのほかのクラス、JN5クラスは小濱勇希/草加浩平(シトロエンDS3)が前戦に続き2連勝。JN4クラスは2017年のクラスチャンピオン曽根崇仁/澤田耕一(トヨタ86)が今季初優勝を飾った。
JN3クラスは天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)が今季負け無しの4勝目。JN6クラスに次ぐ8位につける圧倒的な速さをみせた。なお、天野は2016年第7戦ラリー北海道から続く連勝記録を16としている。
JN2クラスは、TGRラリーチャレンジからステップアップした長﨑雅志/秋田典昭(トヨタ86)がJRC初優勝。JN1クラスは古川寛/廣田幸子(スズキ・スイフトスポーツ)が今季2勝目を挙げた。
次戦、JRC第5戦は6月7~10日に群馬県・嬬恋村を中心に行われる『MONTRE 2018』だ。