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D’station Racing 2018スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

2018年05月21日 12:51  AUTOSPORT web

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D'station Porsche
D'station Racing

Race Report 003 - 2018.5.21

予選で今季最高位を獲得するも
決勝は思わぬ苦戦で得点ならず

AUTOBACS SUPER GT SERIES Round.3 Suzuka
May 19 - 20 2018

 第2戦富士スピードウェイからわずか2週間。SUPER GTは鈴鹿サーキットでの第3戦を迎えた。鈴鹿は今季から300kmレースとなり、これまでとは異なる戦い方が要求される。D'station Racingはこのレースに向け、4月に行われた公式テストでさまざまなデータを収集。今まで決して得意なサーキットではなかったが、ダウンフォースを増したポルシェ911 GT3 Rなら上位進出も望める自信をもっていた。

 それは5月19日(土)の午前9時から行われた公式練習で早くも証明される。D'station Porscheは藤井誠暢がステアリングを握りコースインし、その後スヴェン・ミューラーに交代。藤井が10周、ミューラーが20周をこなし、藤井が1分58秒012というベストタイムをマーク。6番手につけたのだ。

 続く午後2時35分からの公式予選でも、D'station Porscheの速さは衰えない。激戦の予選Q1突破をたしかなものにするべく藤井がQ1を担当すると、折からの強風も作用したか、ウエイトハンデを積む状態ながら1分57秒089という素晴らしいタイムをマーク。3番手でQ2のミューラーに繋いだ。ただ、ここはJAF-GT規定車両が得意なサーキット。Q2ではライバルもタイムを上げ、ミューラーも好アタックをみせ1分56秒967までタイムを伸ばしたものの、結果的には7番手グリッドから決勝を戦うことになった。欲を言えばあと少し上のポジションには行きたかったが、予選結果は今季最上位。決勝での強みを活かせる舞台は整った。

 明けた5月20日(日)は風も収まり、絶好のレース観戦日和。ウォームアップ走行直前のポルシェ カレラカップ ジャパン第6戦では、星野敏オーナーが3位表彰台を獲得し、チームのムードを高めた。ただ、そのレース中にサーキットではまさかの計時システムトラブルが起きてしまう。決勝レースは、当初予定から40分遅れの午後3時20分からスタートすることになった。

 ただそんな中、ウォームアップでは藤井がドライブ中に右リヤタイヤがバーストしてしまう。決勝スタートで使うタイヤが路面コンディションに合っていなかったのだ。スタートを務める藤井には不安の表情が浮かんだ。

 迎えた決勝。藤井はタイヤ内圧に気を遣いながら、スタート直後の1コーナーでアウトから#65 メルセデスを豪快にパス。さらに1周目には#25 86MCをかわし一気に2台を抜くと、5番手でオープニングラップを終える。ピットは喝采を送るが、コクピットの藤井はやはりタイヤに不安を感じ始めた。このまま走行を続けてはまたタイヤバーストに見舞われてしまうかもしれない……。藤井は無線で症状を訴えるが、最低規定周回数までタイヤがもつか……!? ピットと藤井は際どい判断を迫られた。

 しかし幸運にも、12周目にGT500マシンのアクシデントがあり、セーフティカーが導入される。これで規定周回数までタイヤをもたすことができそうだ。チームはセーフティカーが解除されると同時に藤井をピットに呼び戻し、ミューラーに交代。スタートとは異なるタイヤを装着し送り出した。ミューラーのスティントは長くなるが、プッシュして追い上げようという作戦だ。

 しかし鈴鹿はレースとなると抜きにくいコース。ピットアウトしたD'station Porscheの前には、異なる作戦を採るライバルが立ち塞がってしまう。ミューラーはなんとか前に出ようとするが、なかなかうまくいかない。その間、接触やコースアウト、加えて路面温度が急速に下がり狙ったタイヤの性能を発揮できず、D'station Porscheには苦しいレース展開となってしまう。

 終わってみれば順位は11位。ポイント獲得には届かないままレースが終わってしまった。目指すチャンピオン争いに向けては痛い結果だったが、上位陣はまだまだ僅差で、まだD'station Porscheのランキングは首位と6点差の5位とそこまで離されてはいない。次戦タイは、昨年会心のレースで表彰台を獲得した場所。チームは気持ちを切り替え、逆襲を狙っていく。

星野 敏
Satoshi Hoshino / Team Principal
今回は予選で7番手を獲得し、最高位からのスタートだったので期待していました。序盤、藤井選手がうまく順位を上げてくれて5番手まで浮上し、いいレースになるかと思いましたが、タイヤと路面とのマッチングに苦戦してしまいましたね。スヴェン選手も頑張ってくれましたが、ポイントは獲れませんでした。今回、併催のポルシェ カレラカップ ジャパンで表彰台は獲れたので、個人的には嬉しい週末でしたが、今までずっとポイントを獲ってきただけにそこは残念ですね。皆さん応援ありがとうございました。

佐々木主浩
Kazuhiro Sasaki / General Manager
ノーポイントに終わってしまったのは非常に痛いですね。ウエイトハンデを40kg積んでいながら予選最高位の7番手につけていられたので、決勝レースでは予選順位よりも前の順位でフィニッシュして欲しいと思っていました。それだけに今回は少し残念です。ただ、次戦のタイは昨年も表彰台を獲得したレースですし、ポイントランキングも5位で、トップとの差もそれほど離されていません。もう一度チームをまとめ上げて、チャンピオン争いでもしっかり残れるように巻き返していきたいと思っています。

武田敏明
Toshiaki Takeda / Team Director
スタートでは藤井選手がふたつ順位を上げてくれ、想像以上にいい流れでレースを始められました。タイヤをケアしなければならないのはスタート前から分かっていましたが、そこは想定以上に苦しくなってしまいましたね。そのなかで藤井選手が順位を守ってくれましたし、展開に恵まれていましたが、後半もタイヤのパフォーマンスがうまく発揮できませんでしたね。接触等もありペースを上げられませんでした。ポイントは獲りたかったですが、後半戦に向けて差は少ないので、いろんな面を見直し、きっちり仕切り直して次戦に挑みたいと思います。

藤井誠暢
Tomonobu Fujii / Driver
7番手スタートから2台を抜けて、5番手に浮上することができました。ペースとしては悪くなかったのですが、選んだタイヤとコンディションが合わず、早めのピットインをすることになってしまいました。後半スヴェン選手が硬めのタイヤでプッシュしてくれましたが、思ったよりもペースが上がらず、コース上でのスピードも足りなかったかもしれません。できればポイントを獲れればと思っていただけに残念です。ただ、まだランキングでは6点差の5位なので、ここから良いレースを続けていけるよう、しっかり準備をしていきたいですね。

スヴェン・ミューラー
Sven Müller / Driver
予選はいいラップタイムを記録できたし、僕にとって鈴鹿でいい走りができたのは良かったよ。予選まではタイヤもすごく良かった。レースでは藤井選手がふたつポジションを上げてくれたのは素晴らしかったけど、路面温度が序盤は高すぎ、終盤は低すぎて、タイヤに苦しんだね。ピットストップもうまくいったし、チームのパフォーマンスにも満足しているけど、タイヤについては運がなかった。次のタイは昨年良い思い出があるレースだ。ポルシェは雨ですごく速いから、また雨が降ってくれればいいね。次こそはいいレースにしたいと思っているよ。