WRC世界ラリー選手権第6戦ポルトガルは5月19日、デイ3のSS10~SS15が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTは、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合5番手、前日にデイリタイアを喫したヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は総合31番手となった。
18日(金)のデイ2でオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)、ラトバラがそれぞれアクシデントに見舞われ、3台中2台が戦線離脱することとなったトヨタ勢。唯一生き残ったラッピも上位陣に迫るスピードを発揮できずに苦しい展開となっていたが、一夜明けた19日(土)は前日の不振を取り戻すべくペースアップを果たしている。
サービスパークの東側に広がるカブレイラ山脈の林道を使った6本のSSで争われたこの日、ラッピは最初のSS10と今大会最長ステージであるSS12“アマランテ”で3番手タイムをマークする。
SS13~15が行われた午後のループでも攻めの走りをみせ、総合4番手を伺うところまで来たものの約11秒及ばず。前日から変わらぬ総合5番手で競技4日目の最終日に臨むこととなった。
一方、デイ2のSS3で岩に乗り上げた際にサスペンションを破損したラトバラは、ラリー2規定に基づき、サービスで修復されたヤリスWRCでの再出走を果たした。ラトバラはSS10とSS14でステージ優勝を飾るとともに、さらに3本のSSでトップ3タイムをマークするなど持ち前の速さを発揮。競技再開時の総合62番手から同31番手に大きく順位を上げている。
「我々にとってポジティブな1日になった。ヤリ-マティ(・ラトバラ)の素晴らしい活躍を我々は本当にうれしい思いで見ていた」と語ったトミ・マキネン代表。
「ヤリ-マティは2SSでベストタイムを記録し、1日を通して非常に速かった。明日のパワーステージは、彼にとって重要なターゲットになるだろう」
「一方、エサペッカ(・ラッピ)は安定した走りで上位の選手と接戦を展開した。ミスをすることなく1日中攻め続けていたが、明日のステージは距離が短く、11秒差を縮めることは容易ではないだろう。しかし、まだ勝負は終わっていないのだから、きっと彼は明日も攻め続けるだろう」
自身の力をすべて出し切ったというラッピは「1日を通してこれほど激しく攻め続けたことはない」とコメント。
「自分よりも上の順位の選手達とのタイム差をなかなか縮めることができなかったけれど、自分自身の運転とこれだけ長い時間限界スピードで走り続けることができたことに満足しているよ」
また、戦列復帰を果たしたラトバラも「今日の結果には本当に満足している。SSベストタイムを2回記録し、自分に速さがあることが分かったからね」と自画自賛する。
「明日も今日と同じように戦いたいと思っている。引き続きミスのない走りをし、パワーステージでは全力でアタックしてポイント獲得を狙うつもりだ」
競技最終日となる20日(日)のデイ4は、マトジニョスの東側エリアで5本のSSが行われる。SS17と再走ステージであるSS20“ファフェ”は、ビッグジャンプで有名なラリー・ポルトガルの名物ステージだ。
このSS20ではステージトップ5タイムを記録したドライバーにボーナスポイントが与えられる『パワーステージ』となっている。5本のSSの合計距離は51.53km、1日の総走行距離は276.66kmだ。