5月19日にノックアウト予選が行われたスーパーGT第3戦鈴鹿。強風のなかでのレコードラッシュバトルを制し、スーパーGT500クラスのポールポジションを獲得したのはARTA NSX-GTだった。ドライバーである野尻智紀と伊沢拓也がポール獲得の喜びと決勝への展望を語る。
ARTA NSX-GT
野尻智紀
「朝の走り出しからクルマの調子は良かったです。予選中も何も触っていないですし、Q1の伊沢選手のタイムを見て『調子がいいんだな』と僕は確信して、思いっきりQ2で攻めることができました」
「伊沢選手を信頼していますから、伊沢選手のタイムが僕の自信にもつながるんです。このコンビで3戦目ですけど、そういう意味ではチームとして高いものが(高いレベルの信頼関係が)できているんだと思います」
「(64号車のコースオフ~復帰で)砂利が出ているかもしれない、という連絡はすぐに無線でありました。ただ、僕がその区間に差し掛かった時にはすでに数台が通ったあとで、タイヤ1~2本分は通れるところがありましたし、これならアタックラップの時には大丈夫だ、と思えました。(コース上で遭遇した)1号車(KeePer TOM'S LC500)はフェアに(ラインを)譲ってくれたので、アタックへの影響はなかったです」
「2コーナーのインにつききれなかったのが映像に出ていたみたいですけど、あそこは風向きが変わるところみたいで、不安定になるんですよね。押されるというか、減速しにくくなる感じで、少しオーバースピードになってしまいました。(GT300のポール陣営がゴルフの例え話をしたことを受けて)僕はゴルフをやらないので、風が読めなかったんですね。ゴルフ、やったほうがいいのかな、と思います(笑)」
「開幕前(のテスト)から、僕としては今のNSXの速さをまだ引き出しきれていないと思うところがあったので、今日の予選の結果は自信になりましたし、明日もいいペースで走れる、そういう自信にもつながったと思っています。ただ、今日は今日で終わったことなので、明日はどうやったら勝てるのかを考えて、しっかり決勝に備えていきたいです」
「これまでの鈴鹿戦と違ってレース距離が短いということは、それだけトップの位置からスタートできる利も大きい状況ですから、それを活かしして、力強いレースができたらいいなと思います」
伊沢拓也
「朝の走行から調子はわるくないのかな、と思っていました。(鈴鹿での)公式テストからここに向けてセッティングを考えて持ってきたなかで、何もいじらなくても快調に走るくらいでしたね。Q1の自分のアタック自体もうまくいきました。タイムを見てちょっと驚きましたけどね。それをQ2で野尻選手がさらに更新してくれて、自分たちにとっては本当にいい結果になりました」
「自分自身、移籍して3戦目でこういう結果が出たことにはホッとしています。ここ何年か、うまくいかないレースもあったりしたんですけど、僕たち(レーサー)はこうして速さを見せることで信頼を取り戻していくものだと思いますし、移籍3戦目、今そういう部分でもうまくいっていますから、明日も気を引き締めていきたいと思います」
「(タイム水準向上の最大要因は)ストレートがフォロー、S字がアゲインストになる風だと思います。S字では風を前から受けるので、ダウンフォースが想像よりも強く出て、何も起きないくらいでした。(タイムの出やすい)冬でも1分44秒台は見えていないので、自分のタイムには本当にビックリしましたね」
「この予選でのスピードはレースでもプラスに働くと思います。ただ、僕たちは富士戦がそうだったように、まだ(タイヤの)ピックアップとかに不安もあるところなので、走り出してみないと分からない部分もありますが、ポールから優勝を狙って頑張りたいと思います」