この第2戦から2018年カラーリングのマシンを持ち込んだ3台体制のウエスト・コースト・レーシング 2018年から"ツーリングカーの本場"でシリーズ創設となったTCR UKの第2戦が5月11~13日にイギリス・ノックヒルで開催され、ウェスト・コースト・レーシング(WCR)のダニエル"ダン"ロイド(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)が、開幕に続き2連勝。ここまでふたつのポールと4勝を記録し、満額のチャンピオンシップポイントを手にしている。
開幕戦シルバーストンではノンカラーリングの暫定仕様での走行となったダン・ロイドは、STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権でのWCRのマシン同様、淡い可変光メタリックにグリーンをまとったゴルフGTI TCRでノックヒルに登場。
そのニューカラーのマシンでこの第2戦でも開幕戦同様のパフォーマンスを維持し予選トップタイムをマークし、幸先良くポールポジションを獲得した。
しかしその予選後再車検で4台のマシンにドライバーを含む最低重量違反の裁定が下り、ポールシッターのロイドを含め、WCRのチームメイトである女性ドライバー、ジェシカ・バックマン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)、ルイス・ケント(ヒュンダイi30 N TCR)、デレック・パーマー(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)がグリッド降格のペナルティを受ける波乱が発生。
その後、レース1スタートに向けこのペナルティは「重量測定方法に不備があった」として取り消されることとなり、グリッドに着いたマシンは予選タイムのままのポジションに。ロイドも無事にポールポジションにマシンを並べるドタバタのスタート進行となった。
そのまま1コーナーに向け先頭を維持して飛び込んだロイドに続いたのは、フロントロウ2番手スタートのBTCCドライバー、エイデン・モファット(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)……とはならず、その若手実力者をかわしたFK2ホンダ・シビック・タイプR TCRのオリー・テイラーに。
パイロ・モータースポーツから参戦するテイラーはロイドを追うべくペースを上げるも、序盤からリヤタイヤのグリップに苦しみオーバーステアに悩まされることに。
その挙動変化を見逃さなかったモファットは、テイラーをパスして早々に2番手を奪還。首位ロイドの追撃体制に入った。
しかし、そのモファットにもツキがなく、彼のジュリエッタはレース中盤にドライブシャフトにトラブルを抱えてストップ。さらにその後、ケントのヒュンダイがコースオフし、セーフティカー(SC)が出動することとなった。
その間もマシンのグリップ不足に悩まされ続けたテイラーは、アルファロメオの脱落で2番手のポジションを取り戻したものの、WCRのアンドレアス・バックマン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)にパスされドロップ。
コントロールの効かないマシンで必死にゴルフのテールに食らいついたテイラーは、そのSC後のリスタートに乗じてふたたびポジションを取り戻すと、両者は熾烈な2番手争いを展開。しかし、今度はヘアピンでシビックのインに飛び込んだゴルフが止まりきれずに接触。その間隙を突いて、4番手走行中だったジョシュ・プライス(FK2ホンダ・シビック・タイプR TCR)が漁夫の利で2番手へ。
さらに31ラップのフィニッシュ間際となる終盤には、意地を見せたテイラーがプライスをかわして2番手に浮上し、ロイド、テイラー、プライスの順で表彰台を確保。バックマンは惜しくも4位に終わった。
続くレース2では、この第2戦からTCR UK初参戦を果たしたショーン・ウォーキンショー(FK2ホンダ・シビック・タイプR)がリバースポールからのスタートに。
日本のスーパーGT300クラスではARTA BMW M6 GT3でお馴染みのウォーキンショーは、前日デビュー戦で5位と上々のパフォーマンスを見せており、このレース2制覇に向け期待が高まるなかスタート。
しかし、セカンドロウから飛び出したケントのヒュンダイが抜群のダッシュで首位浮上に成功すると、ウォーキンショーは4周目にプライスにもかわされ3番手に後退。
さらにその上をいく速さを見せたのが前戦を制している勝者ロイドで、オープニングラップで6番手にまでポジションアップを果たすと、8周目には2番手にまで浮上。
そして11周目にプライスを捉えてクリーンなオーバーテイクで首位浮上に成功し、そのまま30周をクルーズしてのトップチェッカー。週末完全制覇ばかりでなく、開幕からの連勝を4に伸ばす完璧なリザルトを残した。
2位に入った連続表彰台のプライスに続き、3位にはウォーキンショーが入り、TCR UKデビュー戦で初ポディウムを獲得してみせた。
続くTCR UK第3戦は6月2~3日の週末にブランズハッチにて開催される。