映画『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』の本編映像が公開された。
現在公開中の同作は、1980年5月18日から27日にかけて韓国で起きた「光州事件」を題材にした作品。真実を追い求めた1人のドイツ人記者ピーターと彼を乗せたタクシー運転手マンソプの物語を描く。11歳の娘を1人で育てる平凡なタクシー運転手マンソプ役をソン・ガンホ、ピーター役を『戦場のピアニスト』『ヒトラー ~最期の12日間~』などに出演のトーマス・クレッチマンが演じる。共演者はユ・ヘジン、リュ・ジュンヨル。監督はチャン・フンが務めた。
今回の本編映像公開は、本日5月18日に光州事件から38年を迎えたことを記念したもの。ピーターを光州に置いたまま、1人で留守番中の娘のもとに向かうマンソプが食堂に立ち寄るところから始まり、自身が見てきた光州の真実が光州の外側では誤った情報で発信されていることに複雑な表情を浮かべるマンソプの姿や、食堂でマンソプが素麺料理「ジャンチグッス」を勢いよく啜り、おにぎりを食べるシーン、タクシーを運転しながら「どうしたらいい?一体俺は……」とマンソプが涙を流す場面などが映し出されている。
なお韓国では、「#MeToo」運動の影響で光州事件の新たな証言が明らかになったほか、ピーター役のモデルになったユルゲン・ヒンツペーター自身が撮影していた未公開映像をベースにしたドキュメンタリー映画『5・18 ユルゲン・ヒンツペーター ストーリー(原題)』の公開を控えるなど光州事件に対する関心が再び高まっているという。