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Sexy Zoneには家族同然の強い絆がある 『Missデビル』挿入歌から感じること

2018年05月18日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 Sexy Zoneが今夜の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演し、6月6日にリリースする15thシングル曲「イノセントデイズ」を披露する。すでに佐藤勝利が会社員のキャラクターで出演している土曜ドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)の挿入歌としてもお茶の間に流れている本曲。社会の荒波に揉まれる佐藤の好演を引き立てている。


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 演技といえば、今回のMVは5人がショートストーリーを演じる映画形式構成であることも大きな見どころ。Sexy Zoneとしては初の試みだ。アーティストになるという夢を抱いた5人がすれ違い、ぶつかり合いながら、絆を再確認する物語。2011年のデビューから彼らを見守ってきたファンなら、現実のパラレルワールドのような5人の演技に、胸が熱くなるのではないだろうか。


 足並みが揃わない難しさや、気持ちが乗り切らない苦しさは、彼ら自身が乗り越えてきた過去を彷彿とさせる。ジャニーズJr.としてキャリアを築いてきた中島健人と菊池風磨のふたりのもとに、シンデレラボーイの佐藤勝利、松島聡、マリウス葉が加わる形で結成されたSexy Zone。トップアイドルという夢は5人とも同じだったはずだが、これまで培ってきたものや熱量はバラバラだ。やはり経験が必要だと、松島とマリウスが武者修行に出たこともあった。中島と菊池と佐藤だけでライブを披露した時期もあった。メンバーもファンも戸惑いながら、明るい未来を信じて進んできたのが、Sexy Zoneの歩みだ。


 <思い通りにいかないことが 当たり前になってるけど この足跡は確かに照らしてく>彼らが歌うこの歌詞に、今が辛くても一歩一歩を踏みしめていく大切さを改めて感じさせる。それぞれの壁を乗り越えて、5人揃って充実している“今”なのだと感じる。5人の自然な演技も、これまで着実に表現力を磨いてきた賜物だろう。「メンバーと演技って照れくさいですね。家族で学芸会する感じ」。『ZIP!』(日本テレビ系)のインタビューでこう答えた菊池風磨。誰よりも仲間思いでありながら、シャイゆえにそっけない態度をとりがちな菊池らしいコメントだ。つまりは、今こそ家族といえるくらい強い絆を感じ、同じ方向を見ているのだということだ。


 5月12日、菊池とマリウスがラジオ『らじらー!サタデー』22時台(NHKラジオ第1)に登場し、「イノセントデイズ」を解説する一幕があった。ファンの間で“風マリ“の愛称で親しまれているふたりのやりとりは、親(菊池)が子(マリウス)を可愛くて仕方ないと溺愛するような、じゃれ合いが魅力だ。「イノセントデイズ」について、マリウスが「今までになかったミディアムバラードで……」と話し始めると、菊池がすかさず「どういうところが?」とツッコミを入れる。マリウスも負けじと「なんかこう……ティピカルな~」と説明しようとするのだが、「ティピカルとおっしゃいますと? ちょっと難しいです」と逃さない菊池。


 さらにマリウスが「今までのバラードと比べると」と話せば、菊池が「比べるんですね?」と突っかかり、「比べるのはよくないけど」と弁解しようとすれば「比べるのは良くないんですね」と畳み掛ける。最終的にマリウスが導いた「イノセントデイズ」の解説は「日常的なレベルで、たくさんの人と共感できる歌詞になっております」という言葉。だが、これにも菊池が「どういったところが?」と詰め寄ると、「あのー……“ビニール袋“とか」。これには菊池も大爆笑。こんなふうに遠慮なく話して、笑って、一緒に活動できる時間そのものが、<全てが宝物>と歌う「イノセントデイズ」に繋がっている。今夜のライブは、そんな彼らの歌声に酔いしれることはもちろん、マリウスの解説を思い出して頬が緩んでしまいそうだ。(文=佐藤結衣)