ジェイク・デニスは、これまでに何百回とレッドブルのRB14のステアリングを握ってきた。しかしバルセロナでのテストで実際にF1マシンでの走行デビューを果たしたことは、イギリス出身で22歳のデニスにとって、以前とはまったく異なる経験になったという。
デニスはレッドブルのシミュレーター開発ドライバーだが、これまで現行のマシンで実際のコースを走るチャンスは得ていなかった。ブランパンGTシリーズに参戦しているデニスは、カタルニア・サーキットでのインシーズンテスト2日目、ついにチームからF1マシンでの初走行のチャンスを与えられた。
「RB14での僕の初走行はとてもうまくいったよ」とデニスは走行時間終了後に語った。
「間違いなく、GTレースでの経験からの大きな一歩だ。でもスピードとグリップにはすぐ慣れることができたし、最後には走行計画のすべてをやり遂げることができたよ」
「午前中のセッションはとてもスムーズだったし、午後はかなりの周回数を稼ぐことができたからよかったよ」
走行時間中の目的は、チームのためにデニスがレッドブルのファクトリーで行なったシミュレーターワークとの、有益な相関性を得ることにあった。
「シミュレーターと現実との違いを適切に説明するために、いくつかのことを変更できて良かった」とデニス。
「ミルトンキーンズに戻ったら、マックス(・フェルスタッペン)とダニエル(・リカルド)の役に立つように作業すべきことがいくつかある。彼らのために、もっと現実的なものにするんだ」
「でも全体的にはとても満足している。チームには、このチャンスを与えてくれたことにとても感謝している。RB14にすぐにでも戻れることを願っているよ!」
シニアプロジェクトエンジニアを務めるジェフ・カラムも、デニスが実マシンでの初走行を立派に務めたことを認めている。
「ジェイクにとって非常に有用な日だった。彼はマシンの良い感触を掴むことができたし、1日を通して優れたフィードバックを提供してくれた。彼は全体的に非常に素晴らしい仕事をしたし、我々の頼みにはすべて応えてくれたよ」とカラムは言う。
「今日の我々に何かニュースがあるわけではない。でも我々の行なった作業と収集したデータは、前進していくにあたって素晴らしい価値がある。今日はエンジニアリング面にとても偏っていた日だ」
「昨日蓄積したようなマイレージを稼ぐことや、意味のあるラップタイムを目指すことは期待していなかった」
「午前中はエアロマッピングに集中し、その後いくつかマシンに変更を施すために、昼食休憩にかけて長時間にわたって走行を中断した」
「午後は赤旗が出たので、中断時間が少し長くなってしまった。1時間半程度の時間を失ったが、我々のプログラムには影響していない。予定していたテスト項目はすべてやり遂げることができたよ」