グッドスマイル 初音ミク AMG GOODSMILE RACING & TeamUKYO
第2戦富士は苦戦を強いられるも奇策で5位入賞
スーパーGT2018 第2戦
会期:2018年5月3~4日
場所:富士スピードウェイ(静岡県)
天候:晴れ
観客:8万6300人(2日間)
予選:4位/決勝:5位
獲得ポイント:6P
シリーズ順位:8位(9P)
■5月3日(木) 霧の影響で予選方法が変さらに
ゴールデンウイークの真っ只中に行なわれたスーパーGT第2戦(富士スピードウェイ)。予選日は大雨の予報はなくなったものの、朝からサーキットは深い霧に包まれて安全に走れる状態ではなく、練習走行は午後に延期、イベントのサーキットサファリは中止になった。
従来であれば予選はノックアウト方式(上位14位までが予選2回目に進めて予選順位が決まるルール)だが、今回は特別ルールに変更。ドライバーどちらかが20分間走行し、その中のベストタイムで予選の順位が決まるという一発勝負になった。
12時50分からスタートした練習走行では片岡選手が1分37秒884を記録して2番手と、好調な滑り出し。14時45分から始まった予選も片岡選手が担当し、ほかのクルマから5分ほど遅れてピットアウト。コースがクリアな状態を狙ったが、運悪く混雑している位置に出てしまった。
それでも5周目のアタックでは1分36秒850で暫定トップを記録。だが、ライバルたちも徐々にペースが上がり、最終的にトップは55号車(ARTA BMW M6 GT3)、そのあとに61号車(SUBARU BRZ R&D SPORT)、65号車(LEON CVSTOS AMG)と続き、0号車(グッドスマイル 初音ミク AMG)は4位という結果になった。
決勝レースは2列目の4番グリッドからスタートする。500kmの長丁場を考えれば悪くない位置である。
■5月4日(金)片側無交換作戦で5位フィニッシュ
第2戦の富士は500kmという長距離で、2回のピットインが義務付けられている。スプリントレースと違って、この2回のピットインのタイミングが大きく順位に影響するという、作戦が非常に重要になるレースだ。
予選日の天候とはうって変わって朝から快晴。だが、気温は低く、路面温度もやや低め。決勝レーススタート前は気温18度、路面温度36度だった。スタートドライバーは片岡選手。多くのファンが詰めかけたグランドスタンド前を通り過ぎて500kmのレースが開幕した。
1周目でさっそく前を行く65号車をパスし3位に。だが、スタートしてわずか数周でトップを走る55号車と2番手の61号車は後続との差を広げていく。さらに背後からは31号車(TOYOTA PRIUS apr GT)が迫っていた。31号車は最高速は0号車より速く、5周目にはコンマ数秒差まで追いつかれる。それでもなんとか抑えていたが、17周目についにパスされる。
その後、65号車がすぐ背後に迫る。レースペースは同じくらいなので、順位を守りつつ周回数を重ねていく。レースは膠着していたが、30周目あたりからライバルたちは続々とピットインする。0号車は上位陣よりも長く走り、40周目に1回目のピットインを済ませた。タイヤを左側2本交換し、ドライバーは谷口選手へ。
アウトラップは8位で65号車の前には出られたが、61号車と31号車には前に出られてしまった。44周目には5位まで上がり、さらに54周目に61号車がトラブルでリタイヤしたため3位になった。
後続との差を広げつつ、ノートラブルで走る0号車。上位2台(55号車、31号車)が2回目のピットに入り、73周目には1位を走っていた。作戦ではもう少し谷口選手が引っ張る予定なので、まだピットには入らない。おかげで2位を走っている55号車との差は40秒以上に広がっていた。
しかし、55号車のペースが速く、徐々にタイム差が縮まってくる。83周目にピットインしたが、このときふたたびタイヤ左側2本交換作戦を敢行。つまり右側のタイヤを500km無交換という奇策に打って出たのである。
ドライバーのタイヤマネジメント力とタイヤへの信頼がなければ絶対にできない作戦だ。だが、最小限のロスでコースに戻ったものの、55号車と31号車には前に行かれてしまう。
アウトラップではレース中盤くらいから追い上げてきた11号車(GAINER TANAX GT-R)にオーバーテイクを許してしまい、4位にダウンしてしまう。その後、4位のままレースは終盤へ。100周目、そろそろチェッカーが見えてきたところで、徐々に差を詰めてきた65号車にピタリと背後につかれ、タイミング悪くGT500のマシンも来てしまったこともあり、抑えきれずに5位に。
残り3周というタイミングだったこともあり、逆転は叶わず5位でチェッカーを受けた。 第1戦から苦しい戦いが続いているが、今のところ取りこぼしなくポイント獲得はできている。第3戦の鈴鹿では大量ポイントで、シーズンに弾みをつけたい。
■チーム関係者コメント
片山右京監督
「予選一発はそこそこ出せたんですが、決勝はどうもうまくいきませんでした。リザルトがすべてですが、作戦は間違ってなかったし、マシンの状態も悪くなかったと思います」
「それでもいいときは必ず来ると思いますし、まだ2戦が終わった状態ですからね。先は長いです。今後に向けていろいろ考えたり、みんなでできることをやらないといけませんね」
安藝貴範代表
「今回は結構攻めたので、やれることをやりきった感があります。タイヤも最後の最後はつらかったようですが、よく片側だけの交換で持ってくれたなと。そのおかげで予定通りの作戦ができたと思います」
「しかし、ほかのタイヤメーカーに圧倒されましたね。55号車や11号車など、富士にマッチしているGT3車両の強さがかなり目立ってました。最後の最後で同じマシンの65号車に抜かれたのは悔しいです。抜かれたくなかったんですけど、こちらはセクター3がかなり厳しくて。今年は本当に苦しい戦いになりそうなので、早めに打開策を見つけたいですね」
谷口信輝選手
「今回は5位という結果でしたが、我々としてはベストリザルトだったと思います。速さは上のマシンにはまったく及ばず、現状の力不足を痛感させられました」
「ただ、ヨコハマ勢の中ではトップですし、作戦はちゃんと遂行できたかなと。もっとヨコハマさんと力を合わせて良いタイヤを開発して、ライバルたちに逆襲しないとマズイですね。次戦鈴鹿も頑張ります!」
片岡龍也選手
「結果を見ると、タイヤメーカー競争に敗れた感じですね。クルマのバランスも悪くなく、できることはすべてやりました。作戦的にも持てる力のベストの内容だったと思います。実際ヨコハマ勢ではトップですし」
「レース中盤から後半にかけてのラップペースがコンマ5秒~1秒負けていたので、課題はたくさんあります。最後、GT500との絡みもあって、65号車が抑えられなかったのは、メルセデス対決として悔しい結果です。ベストは尽くしたけど、ちょっと力不足だったということでしょうね」