インディ500のプラクティス2日目は、朝から曇り空だったが、幸いにも天候は回復傾向にあり、今日のプラクティスに影響はなかった。今日も11時から18時まで7時間のプラクティスが設けられ、全35台が参加した。
昨日はまずまずの手応えで13番手で終わった佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だったが、今日も11時から早々にスピードウェイのトラックに出てきた。
走り出しは比較的スムーズに223mph台に入った琢磨だったが、他のマシンもペースを上げてくると琢磨のポジションは徐々に下がっていった。
「今年のエアロパッケージは、ある程度のダウンフォースは生み出しているので、マシンの90%とか95%までのスピードには、どのチームもすぐに到達できると思います。その先の数%の速さを詰めていくのが、本当に難しい」とスーパースピードウエイのセッティングの奥の深さを語る。
今日のプラクティスの半ばを過ぎた頃、レイホール・レターマン・ラニガンの3台、琢磨、グラハム・レイホール、オリオール・セルビアの3台はチームのパック(集団)走行を始めた。アンドレッティ・オートスポート、ペンスキーらは昨日から、今日はチップガナッシやエド・カーペンターのチームもパックでの走行を始めている。
パック走行はレースセッティングを想定しての走行だが、前後にマシンを入れ替えながら、マシンのフィーリングやマシンへの影響をデータに反映させていく。
プラクティス終了1時間前には、チームごとのパックが合わさって大きな集団となり20台以上がトラック上で走行を続け、さながらレースを見ているような光景だった。
その中で琢磨は、3番手のタイムをマークし大きくジャンプアップした。
「もちろん前にクルマがいてトゥで引っ張ってもらったタイムですけど、僕もタイヤのいい状態でパックに入っていたし、前のクルマを抜いていけましたね。チームでのパック走行もできたし、マシンへの理解度も深まって収穫の多い1日だったと思います」
「今日は日中マシンのセッティングが外れるような方向に進んでいってしまい、最後のパックの前に昨日のデータを参考に少し修正していったら良い方向にいきました。明日もこの調子を持続したいですね」
今日は112周を走行し総合3番手。体力的にも問題なしという琢磨。マルコ・アンドレッティ、スコット・ディクソン、琢磨、ロバート・ウィケンスと上位4台はホンダ勢が並んだが、シボレー勢も安定した速さを見せており、ターボブースト圧が上がる金曜日、そして予選が終わるまで順位はまったく想像できないだろう。