モンスターエナジーNASCARカップは5月12日、第12戦カンザスが行われ、残り2周でマーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)を交わしたケビン・ハービック(フォード・フュージョン)が優勝。2018年通算5勝目を挙げた。
シリーズで標準的なトラック長である1.5マイルのオーバルコースで争われた第12戦。このカンザスでの戦いは2017年チャンピオンであるトゥルーエクスJr.が2年連続で勝利するなど得意としている1戦だ。
決勝レースは現地土曜日の19時過ぎにスタート。80周、80周、107周の3ステージ全267周で争われた。
ステージ1~2は大きな混乱もなくレースは推移。ステージ1はライアン・ブレイニー(フォード・フュージョン)が、ステージ2はカイル・ラーソン(シボレー・カマロZL1)が勝利している。
最終ステージ3も終盤までイエローコーションなどは出ないまま進んだが、236周目にダニエル・スアレツ(トヨタ・カムリ)とアレックス・ボウマン(シボレー・カマロZL1)が接触し、2台揃ってタイヤがパンク。このステージ初のイエローコーションが出された。
アクシデントの処理が終わってレースが再開された247周目、3番手を走っていたラーソンとブレイニーが接触。レースはふたたび中断される。
この時点でレースは残り15周。新品タイヤが有利と判断しピットへ向かうドライバーもいるなか、大会3連覇を狙うトゥルーエクスJr.はトラックポジションを優先してステイアウト。2番手にポジションを上げた。
レースは252周目に再開されたが、このリスタートで中団を走っていたウィリアム・バイロン(シボレー・カマロZL1)とクリント・ボウヤー(フォード・フュージョン)のクラッシュに端を発する多重クラッシュが発生し、計7台が巻き込まれた。
事故の処理が終わるとレースは残り9周で再開されると、このリスタートで2番手だったトゥルーエクスJr.が首位に浮上。3年連続のカンザス戦制覇に王手をかけた。
しかし、後方6番手からスタートしたハービックがトップを猛追。残り3周でトゥルーエクスJr.の背後に迫る。
トゥルーエクスJr.よりフレッシュなタイヤを履くハービックはスピードが乗るアウト側を走行する一方、グリップに苦しむトゥルーエクスJr.はイン側での走行を強いられスピードを乗せられず。
迎えた266周目のターン4でハービックがアウト側からオーバーテイクしてトップに浮上すると、そのまま逃げ切りトップチェッカー。第11戦に続いて連勝を飾り、今季通算5勝目を奪った。
ハービックは「最後の数周を見てもらえば分かるとおり、僕のマシンはイン側を走ってペースを上げられる状態ではなかった。だからアウト側を走っていたんだ」とトゥルーエクスJr.との攻防をふり返る。
「ただ僕にはどのラインを通るか選択する余地があったけど、彼(トゥルーエクスJr.)がアウト側に来ることはなかった。だから、右側からオーバーテイクを仕掛けたんだ」
なお、レース後車検で4位でチェッカーを受けたラーソンのマシンについて、リヤウインドウが規定どおりに取り付けられていなかったことが判明。クルーチーフに5万ドル(約551万円)の罰金、カーチーフにシリーズポイントが与えられる向こう2戦の出場停止処分が下されている。
モンスターエナジーNASCARカップの第13戦は5月27日、ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでシリーズ最長600マイルで争われる。
また、19日(土)には同じくシャーロットで、エキシビションとしてオールスター戦が行われる。