今月末にイギリス・シルバーストンの新設トラックで初開催を迎えるWorldRX世界ラリークロス選手権の第4戦GB“スピードマシーン・フェスティバル”に、BRCイギリス・ラリー選手権のトリプル・チャンピオン、マーク・ヒギンズがスポット参戦することが明らかになった。
かつてPWRCプロダクションカー世界ラリー選手権でも活躍し新井敏弘らと選手権を争ったヒギンズは、この母国の世界選手権イベントに向けアルバテック・レーシングからエントリー。最新仕様のプジョー208RXスーパーカーをドライブする。
今季ヒギンズは同チームとともに、懐かしのストバート・カラーをまとったマシンでBRXイギリス・ラリークロス選手権を戦っており、先日開催された第2戦リデンヒルでは勝利も飾っている。
「僕らのシルバーストンでのパフォーマンスを推し量るのは非常に難しいが、この課題を前に何のごまかしや魔法もないことは理解している」と、慎重な姿勢をみせたヒギンズ。
「そこにはケタ違いの規模を持つファクトリーチームが数多くひしめいていて、かたや僕らはその他大勢のインディペンデントチームでしかない。でも僕らが良い走りをして、少しだけの運がこちらに味方してくれれば、何かができるかもしれない。とにかくベストを尽くすのみだね」
3月に開催されたBRXの開幕戦は、シルバーストンで開催された史上初のラリークロス・イベントとなり、F1トラックに新設されたステージは今季からリデンヒルに代わって世界選手権の舞台となる。
そのため、このこけら落としイベントには複数のWorldRX参戦チームがワイルドカード枠でマシンを送り込み、プジョースポールのセバスチャン・ローブが最初の勝利を収めていた。
ヒギンズもこの開幕イベントに参戦しており、トラックレイアウトは経験済み。そして好調なシーズンを経て、再びワールドチャンピオンシップの面々に挑むことになる。
「我々はこのイベントに向け、素晴らしい性能を持つ新車を手に入れることになる」と続けたヒギンズ。
「BRXの開幕戦でもパフォーマンスは悪くなかったし、世界選手権でも優れた成績を残している3人のドライバーに対しても、いくつかのコンペティティブなタイムを記録することができた。それも、旧型マシンをドライブしていての話だからね」
「シルバーストンはそれ以来になる。2度目のイベントだからレイアウトや個性は把握できているし、多くの要素がどのように機能するかも理解している。そこにニューマシンで挑めるのだから、すべてが僕の助けになってくれるはずさ」
アルバテックの新オーナーで自身もラリークロス経験者のアンディ・スコットは、ヒギンズがセミファイナルに進出することが当面の目標であり希望だと語った。
「マークにとっては、WorldRXのレギュラー勢を相手にレースができる絶好の機会になる。そこでは価値ある経験が積めるだろうし、彼のパフォーマンスに対し正しい評価を得ることのできる、優れた道具でのエントリーが実現できた」とスコット。
「願わくば、彼にどんなことができるか証明する舞台になればいい。それによって、我々が今季のWorldRXでさらにチャンスを得る足がかりにできれば最高だ。だからこそ、彼がセミファイナルに進出するのを見てみたい。もしそれが達成できれば、我々にとっては勝利に等しい成果となるだろう」
ヒギンズの参戦発表で、第4戦GB“スピードマシーン・フェスティバル”にスポット参戦するドライバーは3名となり、BTCCイギリス・ツーリングカー選手権のスタードライバー、アンドリュー・ジョーダンと、年初のASIオートスポーツ・インターナショナル・ショーで独自開発のミニRXスーパーカーを披露したオリバー・ベネットがヒギンズとともにエントリーリストに加わっている。