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ENDLESS SPORTS スーパー耐久第2戦SUGO レースレポート

2018年05月15日 12:11  AUTOSPORT web

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#3 ENDLESS GT-R
スーパー耐久シリーズ 2018 第2戦
開催日:2018.4.28~29
サーキット:スポーツランドSUGO

3号車 ENDLESS GT-R
チーム体制:エンドレススポーツ
ドライバー:YUKE TANIGUCHI/山内英輝/銘苅翼

予選結果:2位
決勝結果:4位
シリーズランキング:ST-X CLASS 6位

[予選/4月28日(土)] 3号車 2位
Aドライバー/YUKETANIGUCHI……2位 11:05~ 15分間 ドライ
Bドライバー/山内英輝……5位 11:30~ 15分間 ドライ
Cドライバー/銘苅 翼……4位 11:55~ 20分間 ドライ

今シーズンはGT—Rによるお立ち台の奪い合い……。そんな話がピット裏で囁かれるなか、まさかのクラス最下位。開幕戦にしてチャンピオン争いにイエローが灯った当チーム。このスポーツランドSUGOを舞台にした第2戦で優勝しないと、冗談抜きで追い込まれてしまうことにもなる。いきなり追い込まれてしまった当チームだが、この第2戦ではまずまずのスタートを切ることができた。

AドライバーのYUKE TANIGUCHI「いい感じでアタックできた。ポールが取れたかなって手応えだったのに、ポルシェの速さには驚かされたね。とにかく、今はやれることをやるしかないよ」クラス2番手となる1分22秒台をマークしたYUKE TANIGUCHIだが、トップタイムをマークしたポルシェは、なんと1秒3も速い。Bドライバーの山内に期待がかかる。

 その山内は2ラップ目にアタックするが、前後のタイヤの温まり方が悪く、思うような走りができない。前後バランスが良くなった3ラップ目にアタック。最終コーナー手前までベストタイムでくるが最終セクションでのタイムが伸びない。

「すいません。いい感じで走ってきたのに、最後の最後で遅いマシンに引っかかってしまって……」悔しさを滲ませる山内は、結局、クラス5番手に沈んでしまう。

 ただ、グリッドを決めるA+Bドライバーの合算タイムでは2番手となり、決勝レースはフロントロウからのスタートになった。

[決勝/4月29日(日)] 3号車 4位
13:58 スタート 3時間レース(16:59チェッカー)
ドライコンディション

 半袖でも寒くない五月晴れとなった決勝当日。ポールを奪ったポルシェはGT—R勢より1秒以上も速い。でもどこかで絶対にチャンスが巡ってくるはずだ。それを生かすしかない。決勝レースは午後1時55分過ぎセーフティカーに誘導され、ダミーグリッドから離れて行く。

 13時58分、最終コーナーから立ち上がってきたセーフティカーがピットロードに入ってくる。その直後にシグナルが青に変わりスタートが切られる。1コーナーで前に出たかったが、ポルシェの速さは半端ではなかった。
 
 グッと加速していく。次なるチャンスは完全にタイヤが温まるまでのオープニングラップ。ここでも追いつきそうで追いつけない。結局、スタート直後にはチャンスが生まれなかった。じわじわと離れていくポルシェ。後方、3番手には開幕戦で優勝している99号車がいるが急接近してくる気配はない。

 トップ3は2~3秒の間隔でラップを重ねて行く。14ラップ過ぎ、今シーズンから取り入れられたFCY(フルコースイエロー)が振られる。トップを走るポルシェ、さらには82号車のアウディがこのFCY間にピットに入る。サーキットにもよるのだが、SUGOのようにピットの出口が1コーナー先にあると、本線上での50㎞/h制限よりも速く走る(ピット出口側にあるシグナル付近から本線合流地点までは制限速度がないため)こともできてしまう。

 
 ポルシェは給油しているにもかかわらず、トップに躍り出た山内の真後ろでコースに戻ってくることに成功。約6分間、ラップにして2ラップ強のところでFCYが解除される。鈴鹿の時は各コーナーポストで同時に解除になったが、今回のSUGOではポストによってバラツキがあった。この微妙なタイミングのズレにより、山内はうまく加速ができず、ふたたび2番手に落ちてしまう。
 
 FCYが提示される直前には11秒差あった99号車も気がつけば5秒後方にまで迫ってきていた。とりあえず、山内は2番手を守っているもののツキがなく前に出られないままラップを重ねて行く。
 
 47ラップ過ぎ、1回目のピットストップ。YUKE TANIGUCHIにスイッチする。給油は問題なく済ませられたが、ホイールナットが舐めてしまい、予定していた作業時間より20秒ほどロスしてしまう。これで当チームは4番手にまでポジションを落としてしまう。この時点でトップは82号車のアウディ。FCYの時にドライバーも交代しているため、条件的には同じなのに、当チームよりも1分30秒近く先を走っている。その後方にポルシェが続き、ここから1分近く離されて
24号車のGT—R。さらに当チームは30秒後方の4番手だ。

 YUKE TANIGUCHIは1分24~25秒台でのラップを重ねるが、遅いクラスのマシンがいると1分27~29秒台にまで落ちてしまう。トップ3も遅いマシンをパスするのに手間取っている。というよりも、スポーツランドSUGOはスムーズにパスできるポイントが少ない。
 
 70ラップ過ぎ、2回目のピットストップが始まる。当チームは74ラップ目にピットストップ。YUKE TANIGUCHIから銘苅にスイッチする。今度はライバルチームよりも10秒近く早い作業時間でコースに送り出すことに成功する。トップグループ全車が2回のピットストップを終えた78ラップの時点で、トップはアウディ。そこから44秒遅れでポルシェ。さらに3秒遅れで24号車のGT-R、4番手の99号車がさらに42秒遅れで続き、その背後に当チームのGT—R。
 
 90ラップ過ぎ、銘苅は99号車を捉え4番手に浮上。3番手の24号車との差は約55秒。追い上げるには厳しい遅れだが、100ラップ過ぎ、黄旗無視で24号車がドライブスルーのペナルティを受ける。このチャンスを生かしたいところだが、その差は25秒にまでしか縮まらず、チェッカーまでの時間を考えると万事休す。
 
 他力本願になってしまうがチャンピオン争いに残るには、アウディがそのままトップでチェッカーを受け、ポルシェが2番手ならば、シリーズポイントは大きく広がらないのだが、110ラップ過ぎにポルシェがトップとなり、ランキングでもトップに躍り出てしまう。
 
 結局、銘苅も最後までアクセルを踏み続けたが、3番手でチェッカーを受けた24号車との差は20秒強にまでしか詰めることができず、4番手にとどまってしまった。
 
 ランキングトップ、ポルシェとの差は26ポイント。自力でチャンピオンを呼び込むには、残り4戦を全勝、さらにポールポジションを2回以上取らないといけないところにまで追い込まれてしまった。
 
 次戦は富士スピードウェイを舞台にした24時間レース。速さだけでなく、ツキまでを呼び込まないと勝利の女神は微笑まない。十勝24時間で得た経験を生かして、今季初勝利を目指す。


スーパー耐久シリーズ 2018第2戦
開催日:2018.4.28
サーキット:スポーツランドSUGO

13号車 ENDLESS 86
チーム体制:エンドレススポーツ
ドライバー:小河諒/高橋翼/花里祐弥/呉良亮

予選結果:クラス2位
決勝結果:クラス3位
シリーズランキング:ST-4 CLASS 2位

[予選/4月28日(土)] 13号車 2位
Aドライバー/小河諒……4位  8:30~ 15分間 ドライ  
Bドライバー/高橋翼……3位  8:55~ 11分間(赤旗により終了) ドライ
Cドライバー/花里祐弥……4位  20分間 ドライ
Dドライバー/呉 良亮……4位  9:20~ 18分間(赤旗により17分間中断)

 第2戦の舞台はスポーツランドSUGO。当チームに限らず、チャンピオンを狙うチームにとって、このSUGOラウンドは重要な一戦だ。24時間で闘う富士ラウンドが大きなカギを握るのは言うまでもないが、富士で結果を残すためには、このSUGOラウンドでいくつかの課題を解決しておかなければならない。
 
 例えば……速さ。いくら速くてもエンジンやミッションに負担がかかってはどうにもならない。タイヤの消耗、燃費などなど一つでもクリアしておきたい。今回のSUGOラウンドは、見た目以上に重要なレースだった。

 第2戦のSUGOラウンドは3時間レース、開幕戦のように全クラスでの決勝ではなく、Gr.1と2に分けられて行われた。ちなみに当チームが走らすハチロクはST-4クラスなので、土曜日の午前中に予選、午後に決勝レースというタイムスケジュールのなかでの進行だった。

 Aドライバーの小河は4番手。Bドライバーの高橋も2番手につけ、最終予選結果は2番手。最高位につけることができた。開幕戦の鈴鹿の時と比べれば、確実に戦闘力はアップしているのだが、2戦連続のポールポジションにつけた86号車とは、約1秒差をつけられている。
 
 マシンの現状だけで言えば、あまりにも大きな差がつけられてしまっている。各部のセットの見直しが必要だ。厳しい状況なことには変わりないが、決勝で86号車に食らいついていける位置につけたのは大きい。結果はともかく、当チームのハチロクに足りない部分がしっかりと見えてくるはずだ。

決勝/4月28日(土)] 13号車 3位
14:23 スタート 3時間レース(17:24チェッカー)
ドライコンディション

 予選とC/Dドライバーの走行が終了した午前10時過ぎから決勝レースのスタート進行が始まる13時過ぎまでの約3時間の間に、各部をチェックして決勝レースに備える。ポイントを抑えてのチェックも24時間レースを戦うには重要となってくる。すべてが富士24時間に向けての練習となる。

 14時20分過ぎ、セーフティカーが抜け、スタートが切られる。開幕戦に続いて、スタートのステアリングを握るのは高橋。3番手からスタートした55号車に一瞬、並びかけられるが、2番手を死守する。オープニングラップから速さを見せる86号車は1秒先に……。
 
 この日も86号車は恐ろしく強い走りを見せた。1分34秒台のラップを重ね、10ラップ目には8秒、20ラップ目には15秒先を走っていた。一方、高橋は2ラップ目に55号車に2番手のポジションを奪われ3番手に後退。ただ、この日の高橋は、集中力が途切れることなく、55号車の背後につけ、30ラップにわたって熱いバトルを繰り広げた。

 レースが大きく動いたのは33ラップ過ぎだった。コース上にオイルが出てしまい34ラップ目にセーフティカーが入り20分近くレースをコントロール。この間にレギュレーションで義務付けられている2回のピットストップを終わらせる。
 
 当チームもまず35ラップ目に花里、37ラップ目に小河にスイッチ。燃料は満タン。タイヤも4本を交換して、チェッカーまで走り切る作戦に切り替えた。セーフティカーが抜けたときのポジションは4番手。トップにいる58号車、2番手の77号車はピットストップしていないので、事実上の2番手。86号車の前に出た形となる。
 
 しかし、86号車の速さは異常だった。瞬く間に小河は抜かれ3番手に後退。それでも大きく引き離されることなく86号車を追う。53ラップ過ぎに2回目のセーフティカーがレースコントロールするがポジションが大きく変わることなく、トップ3台は1~2秒の中でバトルを繰り広げる。
 
 70ラップを過ぎたあたりからトップ2台のペースがアップ。小河は1分35秒台とこれまでと変わらないラップタイムなのだが、86&55号車は1分34秒台。じわじわと引き離されてしまった。結局、この差を詰められず、第2戦SUGOラウンドは3番手でのチェッカーに終わった。ランキングは2番手と変わらないが連勝した86号車とは17.5ポイントも差が広がってしまった。
 
 次回の富士ラウンドでも勝たせてしまうと……。万事休す。86号車の連勝を止め、プラス13号車の優勝を誓って、ホームグランドとも言える富士スピードウェイに乗り込む。