低迷が続くウイリアムズF1は、FW41の空力面に問題を抱えており、それがマシンパフォーマンスに影響し、ドライバーたちが自信を持って走ることができずにいると、チームアドライバーを務めるアレクサンダー・ブルツが語った。
ランス・ストロールとセルゲイ・シロトキンはスペインGPでも苦戦、それぞれ予選19番手と18番手とグリッド後方に沈み、決勝でもポイント圏内に浮上することはできなかった。
アゼルバイジャンGPではストロールがポイントを獲得したが、これはマシンの実力というよりはコースとの相性による部分が大きいとみられる。チームは主にFW41のリヤディフューザー周辺の空力の問題に悩まされており、現在非常に困難な状況に陥っているとブルツは言う。
「ディフューザーやフロアの部分でダウンフォースを失っている」と、ブルツはオーストリアの放送局ORFに対して述べている。
「昨年も同じ問題を少し抱えていたが、気になる程度のものだった。しかし今では、根本的に失速している」
「グリップをひどく失っているし、ドライバーはマシンに乗っていても、まったく自信を持てずにいる。それが僕らの抱える問題点だ。問題を特定しただけでは、まだ10パーセントの段階だ。問題を正し、対策を講じることは実際のところ難しい課題だ」
ブルツはシミュレーションの不調もしくはソフトウェアとの相関性の問題が、不調の原因を突き止める上で妨げになっているとみている。しかし根本的な問題は空力にあるのは間違いないとの考えを示している。
「ラップタイムが壊滅的な落ち方をしていることを、僕らがしっかりと認識しているのは非常に良いことだ。全員が同じ方向に向かおうとしている」
「この危機的な事態は僕らにとってチャンスでもある。全員が共通の目標や文化を持ち、互いにオープンな姿勢で前進していくんだ。チームにとっては、健全な基盤を築き上げるためのチャンスだ」
しかしながらブルツは、チームのテクニカルディレクターであるパディ・ロウと同様に、問題点はすぐには解決できるものではないと考えている。ロウはスペインGPが行われたバルセロナで、メディアに対して以下のように述べた。
「我々は問題を解決すべく、多くの作業に取り掛かっている」
「しかし残念ながら、その解決策はまだ導入されていない。ミスの許されないこのコースにおいて、我々が苦労しているのはそれが原因だ。根本的なパフォーマンスが不足している」
ロウは、シーズン中盤までにはFW41のパフォーマンスを、望むレベルにまで向上させることを目標としている。
「チームとともに、リカバリープログラムと名付けられた計画を開始している。当初、望んでいたパフォーマンスレベルまで、マシンを向上させようとしている。このプログラムはシーズン中盤までに実施される」