2018/19年WEC世界耐久選手権第1戦スパ・フランコルシャン6時間レースにスポット参戦し、LMP2クラス優勝を飾ったGドライブ・レーシングを率いるロマン・フシノフは、ル・マン24時間以降のシリーズ戦にも追加エントリーしたいと考えていると語った。
Gドライブ・レーシングのチームオーナー兼ドライバーとして、自らマシンをドライブするルシノフは、アンドレア・ピッツィオーラ、元F1ドライバーのジャン-エリック・ベルニュとともにWEC開幕戦に参戦し、見事LMP2クラス優勝を飾った。
しかし、近年のWECにフル参戦をし続けてきたチームは、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズを優先するため2018/19年WEC“スーパーシーズン”の参加を限定的なものとし、開幕戦と6月のル・マン24時間レースの2レースにスポット参戦することをシーズン開幕前にアナウンスしている。
そんななか、今回開幕戦ウイナーとなったルシノフは、ル・マン以降の第3戦シルバーストン、第4戦富士、第5戦上海という2018年内のWECシリーズ戦への参戦意欲があることを明らかにした。
「できれば、もう何戦かWECでレースをしたいと思う」とルシノフ。
「ELMSとWEC、それぞれに参戦するのに必要な予算を理解する必要がある。僕はWECが好きだが、チームに入る予算は今年度分しか承認されなかった」
「年をまたぐスーパーシーズンへのフル参戦は、その時点ではとても難しかった。だから僕たちはELMSを優先することに決めたんだ。そして同時に、WECには(ル・マンを除く)1度だけ出場することにした」
ルシノフの希望どおり、Gドライブ・レーシングが第4戦シルバーストンに出場する場合、チームは併催となるELMSにメインカーを使用するため、WECでは2台目のオレカ07・ギブソンを用意しなければならない。
■ル・マン24時間のラインアップはいまだ決定せず
ルシノフによれば、チームは現在までにル・マンのドライバーラインアップを確定できていないという。
その要因となっているのがFIA国際自動車連盟が定めるドライバーランクであり、ジェントルマンドライバーでありながら2017年にシルバーからゴールドランクとなったルシノフは、“シルバー又はブロンズドライバーを、3名中ひとり以上起用しなければならない”というLMP2クラスの規定によって、他のゴールドランク以上のドライバー2名と組むことができない。
当初、チームはルシノフ(ゴールド)とベルニュ(プラチナ)に加えてマシュー・バキシビエール(ゴールド)をELMSの布陣に迎える予定だったが、前述の理由により、シリーズを統括するACOフランス西部自動車クラブに同ラインアップでのエントリーを拒絶されている。
そのため、チームはアレキサンドレ・インペラトーリ(ゴールド)、ピッツィオーラ(シルバー)を起用することとなったが、ルシノフは、6月のル・マンでは自身とベルニュにインペラトーリを加えた布陣を認めるようACOに要求していると考えられている。
これについてルシノフは「今はコメントできない。この問題はとても複雑なので、僕が話すことは好ましくないと思う」としながらも、「でも、僕は(自身のランクについて)理解できない」と述べている。