ピエール・ガスリーが第2戦バーレーンGPの5番手に次ぐ上位グリッドとなる、12番手からスタートを切った日曜日の決勝レース。ガスリーのポイント獲得の期待は、スタート直後に消滅した。
スタート直後の1コーナーで出遅れたガスリーは、16番手からスタートしていたニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)の後方までポジションを下げて2コーナーを立ち上がる。すると直後の3コーナーでロマン・グロージャン(ハース)のマシンがスピン。ヒュルケンベルグと同様に、イン側に避けたガスリーだったが、グロージャンのマシンをかわし切れずに激突。左フロントサスペンションを壊したガスリーのレースは1周もしないうちに終わった。
「マシンの調子が良かっただけに、こんな形でレースを終えるなんてがっかり」とガスリー。田辺豊治F1テクニカルディレクターも「ガスリーが『マシンは今シーズンここまでで最高の手応えだった』と言っていたので、もっとレースを見たかっただけに残念」と悔しがっていた。
これでブレンドン・ハートレーの1台だけになったトロロッソ・ホンダは、そのハートレーを1周目にピットインさせる。
「スタート直後にセーフティカーが出たら、ピットインして、その後ミディアムタイヤに交換して1ストップでチェッカーフラッグまで走り切ろうとした」(ハートレー)
ハートレーは30周目に12番手までポジションを上げるが、ここで作戦を変更。33周目にピットストップして、2ストップ作戦でポイント獲得を目指した。タイヤを交換して、前との差を徐々に詰めていったハートレーだったが、ソフトタイヤに履き替えた後、ペースが上がらなかったマーカス・エリクソン(ザウバー)をなかなかオーバーテイクすることができない。
62周目の1コーナーでようやく抜いたときには前方にいたランス・ストロール(ウイリアムズ)とシャルル・ルクレール(ザウバー)は数秒先まで遠のいており、12位でフィニッシュした。
チェッカーフラッグを受けたハートレーは、直後にマシンをコース脇に止めた。田辺TDによれば、「テレメトリー上に異常が確認されたためで、深刻なものはありません」と言う。
「苦戦したここ数戦のレースで学んだことを生かして、スペインGPは戦える状態になっていたとチームも感じていた」と言う田辺TD。しかし、土曜日にハートレーが自らクラッシュ。日曜日にはガスリーがもらい事故。
巡ってきたチャンスを逃してしまったスペインGPのトロロッソ・ホンダだった。