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新しい地図「雨あがりのステップ」寄付額2000万円突破 香取慎吾×成田緑夢対談から感じたこと

2018年05月14日 07:41  リアルサウンド

リアルサウンド

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 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が歌う、パラスポーツ応援チャリティーソング「雨あがりのステップ」の売上寄付金額が、ついに2000万円を突破した。このチャリティーソングは売上の全額がパラスポーツの支援にあてられるという。ファンサイト“新しい地図“で、数字が随時更新されていく透明性の高さも彼ららしくて清々しい。(チャリティー販売は6月30日まで)。作り手、歌い手、そしてファンに広がった善意の数字の大きさに改めて心が温まる。彼らの歌を楽しむことをきっかけに、パラスポーツの世界に触れられる。1曲250円のダウンロードでチャリティーの輪に加われる。そんな架け橋が築けるのは、やはり国民的アイドルの彼らだからこそだろう。


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 SMAP時代から続く日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)のスペシャルサポーターとして活動する彼らを見ていると、チャリティーとは何かを施すことではなく一緒に楽しむことなのだと感じられる。ともすれば私たちの生活は、身の回りに集中しがちだ。そこへ彼らが“その先に美しくて面白いところがありそうだよ“とでもいうように、新しい地図を広げてくれる。3人と共に触れる世界はキラキラとしていて、好きなものや人がどんどん増えていくのだ。


 だが、新たに知った世界は、日常を生きる私たちと繋がりを持ち続けるのは難しい。パラリンピックなどのイベントを応援することももちろんだが、その大舞台に立つまでの日々も一緒に生きられたら……と思っていたとき、彼らのインターネットテレビ『7.2 新しい別の窓』(AbemaTV)、通称“ななにー“の5月6日放送回に成田緑夢が出演した。


 2018平昌パラリンピックの男子スノーボードバンクドスラロームで金メダリストに輝いた成田と香取の対談は、実に微笑ましかった。成田の人懐っこく愛らしい性格を、香取のフラットに相手を見つめる姿勢が際立たせる。トレーニング中の大怪我によって左足膝下の神経が麻痺し、パラスポーツに転向したという成田。「どういう状況なんですか?」デリケートな質問も香取から成田へのリスペクトが感じられるからこそ、すんなりと入ってくる。成田も「(足先を上にあげようとしながら)こうやろうとしてもできない(笑)」と、まるで自分のクセのひとつのように話すのが印象的だった。障害とはなにか。ふたりのフレンドリーな対談に、ついそんなことを考えてしまった。左足が麻痺している成田は、両足が動く香取よりも高く跳ぶ。ゲームで試された反射神経もいい。「できる」も「できない」も、その人の個性。もちろんできることが多いほうがいい。だが、そうではない現実を受け入れて、できることを伸ばしていくことができたら、成田のように瞳を輝かせて日々を過ごせるのではないだろうか。


 「東京2020オリンピックに出場します。世界最高峰の大会を制覇する。パラリンピック夏冬、オリンピック夏冬って出た人、世界で誰もいないんです!」と誰も成し遂げたことがない大きな目標を掲げてワクワクすると話した成田。そんな彼を「この番組で、今後も緑夢くんを応援・密着します!」と約束した香取。ふたりには、何か共通しているものを感じた。成田は父親が作ったスノーボードチームで兄姉と共に幼少期からトップアスリートの道を、香取は父親代わりとも言われたジャニー喜多川の作ったジャニーズ事務所でSMAPの末っ子としてトップアイドルの道を走ってきた。そんなふたりが大きな喪失を抱えて父親のもとを去り、自らの力で新しい一歩を踏み出した。そして、すべてを笑顔に変えて挑み続ける彼らを応援せずにはいられない。壁を突破し続ける香取と成田が、お互いを同志として、さらに成長していく。その姿に私たちも刺激を受けて、日々を柔軟かつチャレンジングに生きていきたいと思う。そんな連鎖が、今後も“ななにー“を通じて起こることを楽しみにしている。(佐藤結衣)